給与計算ブログ

【随時改定④】変動月以後引き続く3か月とは?   [2022.08.11]

随時改定では、
変動月以後引き続く3か月とも支払基礎日数が17日以上である、
という要件があります。

変動月とは、実際に昇給や降給により固定的賃金に変動があった月をいいます。

たとえば、
1月に昇給があっても、その昇給による差額が実際に支払われるのは3月だった場合は、変動月は3月となり、3月・4月・5月の引き続く3か月で随時改定に該当するかを判断します。

また、固定的賃金に変動のあった月以後継続した3か月の支払基礎日数はいずれも17日以上であることが必要です。

この3か月に、支払基礎日数17日未満の月が1か月でもあれば、たとえ2等級以上の差が生じても随時改定は行われません。

パートタイマーの随時改定についても、引き続く3か月の支払基礎日数がいずれも17日以上あることが必要です。


【随時改定③】固定的賃金の変動と月額変更届の有無   [2022.08.07]

固定的賃金は増加しても、非固定的賃金が減少したため、3ヶ月間の平均額が結果として2等級以上下がった場合、
また、
固定的賃金は減少しても非固定的賃金が増加し、3ヶ月間の平均額が2等級以上上がった場合などは、
たとえ2等級以上の差が生じても随時改定には該当しないものとして取り扱い、
月額変更届の提出は必要ありません。

固定的賃金    UP
非固定的賃金   UP
2等級以上の差  UP
月額変更届の有無 あり

固定的賃金    UP
非固定的賃金   DOWN
2等級以上の差  UP
月額変更届の有無 あり

固定的賃金    DOWN
非固定的賃金   DOWN
2等級以上の差  DOWN
月額変更届の有無 あり

固定的賃金    DOWN
非固定的賃金   UP
2等級以上の差  DOWN
月額変更届の有無 あり

固定的賃金    UP
非固定的賃金   DOWN
2等級以上の差  DOWN
月額変更届の有無 なし

固定的賃金    DOWN
非固定的賃金   UP
2等級以上の差  UP
月額変更届の有無 なし

なお、
3ヶ月に支払基礎日数17日未満の月が1か月でもあれば月額変更届は不要です。


【随時改定②】固定的賃金の変動・賃金体系の変更   [2022.08.03]

随時改定は、
固定的な賃金が変動した場合
または
賃金体系が変更した場合
に行われることが条件となります。

ここでいう固定的賃金とは、
稼働や能率にかかわらず、支給額や支給率が決まっているものをいいます。

固定的賃金は、例えば、
基本給(月給、週給、日給、時給)、家族手当、通勤手当、住宅手当、役付手当、勤務地手当等、
稼働や能率にかかわらず、一定の金額のものをいいます。

それでは、まず、
固定的賃金に変動があった場合とは、どのような場合を言うかというと、
・昇給(ベースアップ)、降給(ベースダウン)
・固定的な手当(例えば家族手当や役付手当など)の支給額の変更
・基礎単価(日給や時間給)の変更
・請負給、歩合給などの単価や歩合率の変更
・一時帰休(レイオフ)による通常の報酬よりも低額な休業手当の支給
※病気休職等による休職給の支給は、固定的賃金の変動には該当しません。

次に、
賃金体系の変更とは、例えば、
・日給制から月給制への変更、月給制から歩合制への変更
・家族手当や役付手当等の新規支給
をいいます。

非固定的賃金と言われる稼働実績などによって支給される
残業手当、能率手当、日直手当、勤務手当、精勤手当等は、
それのみの変動であれば、
随時改定の対象とはなりません。
なお、
これらの非固定的賃金が、固定的に支給されている場合は、
固定的賃金とみなされます。


【随時改定①】月額変更が必要な場合とは?   [2022.07.30]

毎月1回の定時決定により決定された各自の標準報酬月額は、原則として1年間使用されますが、
この間に昇給や降給などにより、報酬の額に大幅な変動があったときは、
実際に受ける報酬と標準報酬月額との間に隔たりがないよう、定時決定を待たず報酬月額の変更を行います。
これを「随時改定」といい、その届出を「月額変更届」といいます。

月額変更は、次の3つのすべてに該当したときに行われます。

①昇給や降給等の固定的賃金の変動、または賃金(給与)体系の変更がある。

②変動月以後引き続く3ヶ月とも支払基礎日数が17日以上(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)である。

③変動月から3ヶ月間の報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均額と現在の標準報酬月額に2等級以上の差がある。

上記1つでも欠ければ届出は必要ありません。



基準内賃金と基準外賃金   [2020.02.05]

基準内賃金と基準外賃金をどのように区別しているのかというと、

これは法的に定められている言葉ではないので、

会社ごとにどのように使っているのか決めておくとよいでしょう。

基準内賃金=固定給、基準外賃金=変動給と定義すれば、

基準内賃金(固定給)は、基本給、役職手当、通勤手当、住宅手当等

基準外賃金(変動給)は、時間外手当、皆勤手当、歩合給等

となるでしょう。

 

基準内賃金=残業代計算の基礎となる賃金    、基準外賃金=残業代計算の基礎に含めない賃金と定義すれば、

基準内賃金(残業代計算の基礎となる賃金)は、基本給、役職手当、皆勤手当、歩合給等

基準外賃金(残業代計算の基礎に含めない賃金)は、時間外手当、通勤手当、住宅手当等

となります。

手当のうち、以下の手当は、残業代の計算の基礎から除かれます。

  1. 通勤手当
  2. 家族手当
  3. 別居手当
  4. 子女教育手当
  5. 住宅手当
  6. 臨時に支払われる賃金
  7. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

なお、

扶養家族の人数に関係なく一律に支給される家族手当、

通勤距離に関係なく一律に支給される通勤手当等は、

名称が家族手当や通勤手当であったとしても、

従業員の個人的事情により支給される賃金とはみなされないため、

基準外賃金には該当せず、基準内賃金となり、

残業代計算の基礎となる賃金となります。

基準外賃金に該当するか否かは、その名称ではなく、実態で判断します。

給与の日割り計算の方法   [2020.01.29]

入社・退社の時期によって、満額支給せず、日割り計算する必要があります。

固定給の計算には、法的に明確な規定がないため、会社内でルールを決めておく必要があります。

 

例)基本給200,000円、月末締め

 

①暦日数で日割りする方法

(例)1/17入社

基本給200,000円×15日/31日=96,775円(切り上げ)

 

②年間営業日数を計算した上で所定労働日数を算出し日割りする方法

(例)年間営業日数252日÷12か月=21日(所定労働日数)

就業日数8日

基本給200,000円×8日/21日=76,191円(切り上げ)    

 

③1か月の所定労働日数で日割りする方法

(例)1月の所定労働日数20日

就業日数8日

基本給200,000円×8日/20日=80,000円

賃金支払い5原則   [2020.01.22]

賃金支払い5原則は、実務を行っているとあまり意識しなくなりますが、

意外にできていないことがありますので、

再度確認してみてください。

 

①「通貨払い」の原則

給与は通貨払いが原則です。

口座振込にするには、従業員の同意が必要です。

通勤定期券を支給する等、現物支給する場合には、

あらかじめ労働協約を締結しておく必要があります。

 

②「直接払い」の原則

給与は従業員本人に直接支払わなければなりません。

従業員本人以外の家族等に振り込むことは、

従業員本人から依頼されても、本人以外に支払えば、労基法違反となります。

 

③「全額払い」の原則

給与は全額払いが原則です。

社会保険料、雇用保険、所得税、住民税など法令で定められたものについては、

控除することができますが、

財形掛金、社宅費用等を控除する場合は、

労使協定を締結する必要があります。

 

④「毎月払い」の原則

給与は、毎月1回以上支払わなければなりません。

1回以上ですから、日払い、週払いもOKです。

 

⑤「一定期日払い」の原則

給与の支給日は、「毎月〇日払い」というように、    決めておかなければなりません。

月払いにおける「月末払い」、週払いにおける「土曜日」というのもOKです。

金融機関の休業日においては、

支給日を繰り上げするか、繰り下げするか、決めておく必要があります。

なお、「毎月第2金曜日」といったような支給日は、認められません。

年間スケジュールを作成する   [2020.01.15]

新しい年を迎え、今年の給与計算の年間スケジュールを作成しましょう。

なんとなく忙しい時期を感覚的に認識するのではなく、

年間スケジュールを作成することが大事です。

なお1月は給与支払報告書の提出がありますので、

1月1日現在の住民登録に変更はないか確認しておきましょう。

また年末調整の超過額・不足額を1月に行うところもあるでしょう。

その他、年間の所定労働日数や所定労働時間も変更する場合は、時間単価の変更も必要になります。

4月:健康保険・介護保険料率の変更、雇用保険料率の変更

6~7月:労働保険料の年度更新、社会保険の算定基礎届の提出

6月:住民税の控除額の変更

8月:月額変更届の提出(算定基礎届に該当しなかった者)

9月:厚生年金保険料率の変更

10月:算定基礎届による社会保険料の改定

12月:年末調整

その他:賞与支給 等

このように、給与計算において、様々な手続きが必要になってきますので、

手続き漏れがないように給与計算の年間スケジュールを作成しておきましょう。

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