助成金ニュース

2021年3月

【第29回】両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース)   [ 2021.03.30 ]

2021年4月より、
両立支援等助成金から「不妊治療両立支援コース」が始まります。

不妊治療のために利用可能な休暇制度・両立支援制度(※)の利用しやすい環境整備に取り組み
不妊治療を行う労働者の相談に対応し、
休暇制度・両立支援制度を労働者に取得又は利用させた中小企業事業主に支給されます。

(※)不妊治療のための休暇制度(特定目的・多目的とも可)、所定外労働制限、時差出勤、短時間勤務、フレックスタイム制、テレワーク


①環境整備、休暇の取得等
・不妊治療と仕事の両立について労働者の相談に対応し、
両立を支援する「両立支援担当者」を選任するとともに、
不妊治療と仕事の両立のための社内ニーズの把握、利用可能な制度の周知を行うこと

・両立支援担当者が不妊治療を受ける労働者の相談に応じ、
「不妊治療支援プラン」を策定し、
プランに基づき休暇制度・両立支援制度を合計5日(回)以上労働者に取得又は利用させたこと


②長期休暇の加算
休暇制度を20日以上連続して取得させ、原職に復帰させ3か月以上継続勤務させた場合

現政権の重点政策として不妊治療が挙げられています。
この助成金を活用するには、
不妊治療に対し会社がどのくらい理解できるかというところが1つのポイントとなるでしょう。



【第28回】両立支援等助成金(育児休業等支援コース)変更点   [ 2021.03.26 ]

令和3年4月1日より、
両立支援等助成金(育児休業等支援コース)に、
「新型コロナウイルス感染症対応特例」が追加されます。

まずは、
両立支援等助成金(育児休業等支援コース)の概要をお伝えします。

両立支援等助成金(育児休業等支援コース)は、
育児休業の円滑な取得・職場復帰のため次の取組を行った事業主(①~④は中小企業事業主) に支給されます。

ここ最近は、育児休業をする従業員も増えてきていますので、
①育休取得時、②職場復帰時は、申請しやすいでしょう。

①育休取得時 ②職場復帰時:「育休復帰支援プラン」を策定及び導入し、プランに沿って対象労働者の円滑な育児休業の取得・復帰に取り組んだ場合
<職場支援加算>:育休取得者の業務を代替する職場の労働者に、業務代替手当等を支給するとともに残業抑制のための業務見直しなどの職場支援の取組をした場合
①育休取得時 28.5万円<36万円>
②職場復帰時 28.5万円<36万円> /職場支援加算19万円<24万円>

③代替要員確保時:育児休業取得者が、育児休業終了後、原職等に復帰する旨の取扱いを就業規則等に規定し、休業取得者の代替要員を確保し、かつ、休業取得者を原職等に復帰させた場合
<有期雇用労働者加算>育児休業取得者が期間雇用者の場合
③代替要員確保時 (1人当たり) 47.5万円<60万円>/ 有期労働者加算9.5万円<12万円>

④職場復帰後支援:法を上回る子の看護休暇制度(A)や保育サービス費用補助制度(B)を導入し、労働者が職場復帰後、6ヶ月以内に一定以上利用させた場合
④職場復帰後支援 28.5万円<36万円>
A 看護休暇制度 1,000円<1,200円>×時間 /B 保育サービス費用 実支出額の2/3補助

⑤新型コロナウイルス感染症対応特例:小学校等の臨時休業等により子どもの世話をする労働者のために特別休暇制度及び両立支援制度を導入し、特別休暇の利用者が出た場合
⑤新型コロナウイルス 感染症対応特例 1人あたり5万円 ※10人まで(上限50万円)



【第27回】生産性要件を活用して受給額を増やす   [ 2021.03.23 ]

「生産性要件」を活用することで、助成金受給額を増やすことができます。

これは、企業における生産性向上の取組みを支援するという目的で、
生産性を向上させた企業が労働関係助成金を利用する場合、
その助成額または助成率を割増すというものです。 

例えば、
キャリアアップ助成金(正社員化コース)、中小企業の場合、
① 有期 → 正規:1人当たり 57万円 → 72万円
② 有期 → 無期:1人当たり28万5,000円 → 36万円
③ 無期 → 正規:1人当たり28万5,000円 → 36万円


その要件は、
(1) 助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、
①その3年度前に比べて6%以上伸びていること
または、
②その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること

②の場合は、金融機関から一定の「事業性評価」(※1)を得ていること

(※1)「事業性評価」とは
都道府県労働局が、助成金を申請する事業所の承諾を得た上で、
事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性および経営資源・強み等)を与信取引等のある金融機関に照会し、その回答を参考にして、割増支給の判断を行うものです。
なお、「与信取引」とは、
金融機関から借入を受けている場合の他に、借入残高がなくとも、借入限度額(借入の際の設定上限金額)が設定されている場合等も該当します。
キャリアアップ助成金においては、取組実施日が平成29年5月1日以降の場合に限ります。

②のパターンは「事業性評価」を得ているというハードルがあるので、
多くは①生産性がその3年度前に比べて6%以上伸びていることを、
採用することになるでしょう。


(2) 「生産性」は次の計算式によって計算します。
生産性
=付加価値(※2)/雇用保険被保険者数(日雇労働被保険者や短期雇用特例被保険者を除く。)

(※2) 付加価値とは
企業の場合、「営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課」となります。

なお、
「生産性要件」の算定の対象となった期間中(3年前の会計年度の初日から直近会計年度の末日まで)に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要です。

生産性要件を算定するための厚生労働省のホームページに「生産性要件算定シート」を掲載されています。

生産性要件に係る支給申請における必要書類
・生産性要件算定シート
・各勘定科目の額の証拠書類(「損益計算書」、「総勘定元帳」など、個人事業主の方は確定申告書Bの 「青色申告決算書」や「収支内訳書」など)

手続き、必要書面は増えますが、
業績が向上していたり、経営のスリム化をはかった会社は、
まずは、生産性が向上しているか、計算してみてください。



【第26回】キャリアアップ助成金(正社員化コース)⑩ 手続きの流れ   [ 2021.03.19 ]

それでは、今までブログで書いてきた「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」の手続きの流れをまとめてみましょう。

1 キャリアアップ計画の作成・提出(転換・直接雇用を実施する前日までに提出)
雇用保険適用事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置するとともに、労働組合等の意見を聴いて「キャリアアップ計画」を作成し、管轄労働局長の認定を受けます。

2 就業規則、労働協約その他これに準ずるものに転換制度を規定
・ キャリアアップ計画提出前に転換制度を規定していた場合※でも、対象になります。
⇒ ただし、その場合でも「試験等の手続き、対象者の要件、転換実施時期」の規定は必須です。
※ 勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定した場合の加算を受ける場合を除きます。
【注意】
・ 労働基準監督署に改訂後の就業規則を届け出る必要があります。
10人未満の事業所は労働基準監督署への届出の代わりに、労働組合等の労働者代表者(事業主と有期雇用労働者等を含む事業所の全ての労働者の代表)の署名および押印による申立書でも可です。

3 転換・直接雇用に際し、就業規則等の転換制度に規定した試験等を実施

4 正規雇用等への転換・直接雇用の実施

転換後の雇用契約書や労働条件通知書を対象労働者に交付する必要があります。
・ また、転換後に適用される就業規則等に規定している労働条件・待遇にする必要があります。 【注意】
※ 転換前6か月間の賃金と転換後6か月の賃金を比較して5%以上(2021年4月1日より3%以上)増額している必要があります。

5 転換後6か月分の賃金を支給・支給申請
転換後6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内に支給申請してください。
※ 賃金には時間外手当等も含みます。
※ 就業規則等の規定により、時間外手当を実績に応じ基本給等とは別に翌月等に支給している場合、6か月分の時間外手当が支給される日を賃金を支給した日となります(時間外勤務の実績がなく、結果として支給がない場合を含みます。)。
人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)の対象となる有期実習型訓練を修了した者を正規雇用労働者等として転換または直接雇用した場合の経費助成の追加支給を受ける場合は、人材開発支援助成金に規定する申請書を人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)に係る支給申請として別途提出する必要があります。

6 審査、支給決定
※申請状況により、審査に時間がかかる場合があります。



【第25回】令和3年4月1日から変わる!キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)   [ 2021.03.16 ]

本コースは、
有期雇用労働者等の週所定労働時間を延長し、
新たに社会保険を適用した場合に助成されます。

変更点
令和2年度限りとしていた措置を、令和4年9月末まで延長されます。

本コースの概要
・短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長し新たに社会保険に適用した場合
1人当たり 22万5,000円(※)←上乗せ前の額:19万円

・労働者の手取り収入が減少しないように週所定労働時間を1~4時間延長するとともに基本給を昇給し、新たに社会保険に適用させた場合(※)
1人当たり 4万5,000円~ 18万円

<1年度1事業所当たり支給申請上限人数は45人まで(※)←従前は15人まで>

※は現時点で令和3年3月31日までの暫定措置です。


【第24回】令和3年4月1日から変わる!キャリアアップ助成金(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)   [ 2021.03.12 ]


本助成金は、
労使合意に基づく社会保険の適用拡大の措置の導入に伴い、その雇用する有期雇用労働者等について、働き方の意向を適切に把握し、 被用者保険の適用と働き方の見直しに反映させるための取り組みを実 施し、当該措置により新たに被保険者とした場合に助成されるものです。

変更されたのは、「時限措置の延長」です。

令和2年度限りとしていた措置を、令和4年9月末まで延長されます。
(従業員が100人を超える事業主は、一部の加算措置を除き令和3年9月末までとなります)

助成内容と助成額は、

①労使合意に基づく任意適用に向けて、保険加入と働 き方の見直しを進めるための取り組みを行った場合
1事業所当たり19万円(中小企業の場合)
※1事業所当たり1回のみ

②措置該当日以降に対象労働者の基本給を一定の割合以上増額した場合
基本給の増額割合(2~14%)に応じて 助成額を加算1人当たり19,000円~13万2,000円
※支給申請上限人数は45人まで

③措置該当日以降に対象労働者の生産性の向上を図るための取組を行った場合
助成額を加算 1事業所当たり10万円

となっています。


時限措置の期限は、
取り組み時点において事業主の従業員数が101人以上500人 以下の場合は、
上記①~③の助成の措置期限が異なります。
①⇒令和3年9月30日まで
②⇒令和4年9月30日まで
③⇒令和3年9月30日まで
となりますので、ご注意ください。

【第23回】令和3年4月1日から変わる!キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)   [ 2021.03.09 ]

有期雇用労働者等に関して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け適用した場合、
または
有期雇用労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合
に助成されます。

これにより、
キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)は
キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)に統合されます。

支給額については以下の通りです。
■支給額(1事業所当たり、中小企業の場合)38万円<1事業所当たり1回のみ>
■各種加算措置
(1) 共通化した対象労働者(2人目以降)について、助成額を加算
・対象労働者1人当たり 15,000円 <上限20人まで>
(2) 同時に共通化した諸手当(2つ目以降)について、助成額を加算
・諸手当の数1つ当たり 16万円 <上限10手当まで>


令和3年度から、対象となる手当等を下記の通り変更となります。

①賞与 ②役職手当 ③特殊作業手当・特殊勤務手当 ④精皆勤手当 ⑤食事手当 ⑥単身赴任手当 ⑦地域手当 ⑧家族手当 ⑨住宅手当 ⑩時間外労働手当 ⑪深夜・休日労働手当

①賞与 ②家族手当 ③住宅手当 ④退職金 ⑤健康診断制度
(注)上記①~④について、以下の支給または積み立てなどを行った事業主が対象です。
6か月分相当として50,000円以上支給
②③1か月分相当として1つの手当につき3,000円以上支給
月3,000円以上積み立て
なお、⑤については各種加算措置(1)の対象となりません。


健康診断制度に関する支給要件の注意点:
コース統合に伴い、
定期健康診断等の受診日の前日から起算して3か月以上前の日から受診後6か月以上の期間継続して、支給対象事業主に雇用されている有期雇用労働者等であることが必要となります。
※これに伴い、支給申請期間も、健康診断制度を有期雇用労働者等に延べ4人以上実施した日を含 む月以降6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内となります。


※ 有期雇用労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」および有期雇用労働者等に関する正規雇用労働者との共通の諸手当制度の規定が令和3年3月31日以前の場合は、当該規定に基づく健康診断の実施日または諸手当等の適用日が同年4月以降となる場合であっても従前の制度が適用されます。


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