助成金ニュース

2021年2月

【第22回】令和3年4月1日から変わる!キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)   [ 2021.02.28 ]


キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)
とは、
障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等へ転換した事業主に対して助成されます。


新設(障害者雇用安定助成金からの移管)
障害者雇用安定助成金の令和2年度末での廃止に伴い、
障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)の「正規・無期転換」措置を、
キャリアアップ 助成金の「障害者正社員化コース」に移管されることになりました。


障害者正社員化コースの概要
■概要
障害者の雇用促進と職場定着を図るために、
次の①または②のいずれかの措置を講じた場合に助成されます。
①有期雇用労働者を正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換すること
②無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換すること

■支給額

支給対象者 措置内容 支給総額 支給対象
期間
各支給対象期における支給額
重度身体障害者、重度
知的障害者および精神
障害者

有期雇用から正規雇用
への転換

120万円 (90万円) 1年
(1年)
60万円×2期
(45万円×2期)
有期雇用から無期雇用
への転換
60万円
(45万円)
30万円×2期
(22.5万円×2期)
無期雇用から正規雇用
への転換
60万円
(45万円)
30万円×2期
(22.5万円×2期)
重度以外の身体障害者、
重度
以外の知的障害者、
発達障害者、難病患者、
高次脳機能障害と診断
された者
有期雇用から正規雇用
への転換
90万円 (67.5円) 45万円 ×2期
(33.5万円※×2期)
※第2期の支給額は34万円
有期雇用から無期雇用
への転換
45万円
(33万円)
22.5万円×2期
(16.5万円×2期)
無期雇用から正規雇用
への転換
45万円
(33万円)
22.5万円×2期
(16.5万円×2期)

※( )内は中小企業以外の額です。
※ 支給対象期間1年間のうち、最初の6か月を第1期、次の6か月を第2期の支給対象期といいます。
※ 支給対象者1人あたり、上記の額が支給されます。
ただし、当該額が、各々の支給対象期における労働に対する賃金の額を超える場合には、
当該賃金の総額を上限額となります。

6か月ごとに支給されますので、
キャリアアップ助成金(正社員化コース)よりも早めに支給されますが、
都度支給申請することになるので、
申請忘れの内容に注意しましょう。


【第21回】令和3年4月1日から変わる!キャリアアップ助成金(正社員化コース)   [ 2021.02.27 ]


キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、
有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換、または直接雇用した場合に助成されます。

このキャリアアップ助成金(正社員化コース)が、
令和3年4月1日から、変更されます。

支給額(1人当たり、中小企業の場合) については、
①有期 → 正規:57万円  ②有期 → 無期または③無期 → 正規:28万5,000円
に変更はありません。

変更点は、

①支給要件の変更

現行要件では、
正規雇用等へ転換等した際、
転換等前の6か月と転換等後の6か月の賃金を比較して、
以下のアまたはイのいずれかが5%以上増額していること
ア 基本給および定額で支給されている諸手当(賞与を除く)を含む賃金の総額
イ 基本給、定額で支給されている諸手当および賞与を含む賃金の総額(転換後の基本給および定額で支給されている諸手当の合計額を、転換前と比較して低下させていないこと。)

新要件では、
正規雇用等へ転換等した際、
転換等前の6か月と転換等後の6か月の賃金(※)を比較して3%以上増額していること
※ 基本給および定額で支給されている諸手当を含む賃金の総額であり、
賞与は含めないこととなりました。

賞与の取扱いが難しいキャリアアップ助成金(正社員化コース)。
当社では、
賞与を含めずに5%賃金アップを目指していきましょう。
ということを伝えてきました。

そして、この賞与を含めた条件がなくなり、
賃金アップ率も5%→3%に下がりました。
これで、
会社にとってキャリアアップ助成金(正社員化コース)のハードルが下がったといえるのではないでしょうか。


②加算措置の変更

キャリアアップ助成金(正社員化コース)には加算措置がありますが、
一部以下のように変更になりました。
(1人当たり、中小企業の場合、で見ていきます)

・若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合:95,000円加算

・廃止


・勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定し、
有期雇用労働者等を当該雇用区分に転換または直接雇用した場合:95,000円<1事業所当たり1回のみ> 

短時間正社員制度を追加


これから、4月1日にむけて、
助成金の変更が具体的になっていくので、
情報を漏らさないようにしましょう。

【第20回】キャリアアップ助成金(正社員化コース)⑨ 対象となる事業主⑥   [ 2021.02.21 ]

有期雇用労働者を正規雇用労働者、または無期雇用労働者に転換する場合、
無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換する場合の、
対象となる事業主の条件は今回で最後です。
それでは、見ていきましょう。


●正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換した日以降の期間について、
当該者を雇用保険被保険者として適用させている事業主であること。

雇用保険被保険者になることは必須です。


●正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換した日以降の期間について、
当該者が社会保険の適用要件を満たす事業所の事業主に雇用されている場合、
社会保険の被保険者として適用させている
(無期雇用労働者の場合、労働条件が社会保険の適用要件を満たすときに限る。)
または社会保険の適用要件を満たさない事業所の事業主(任意適用事業所の事業主、個人事業主)が
正規雇用労働者に転換させた場合、
社会保険の適用要件を満たす労働条件で雇用している事業主であること。

社会保険に入ることも必須です(任意適用事業所を除く)。


●母子家庭の母等または父子家庭の父の転換に係る支給額の適用を受ける場合にあっては、
当該転換日において母子家庭の母等または父子家庭の父の有期雇用労働者等を転換した者であること。

母子家庭の母等の場合、助成額の加算があります。


●若者雇用促進法に基づく認定事業主についての35歳未満の者の転換に係る支給額の適用を受ける場合にあっては、
当該転換日より前に若者雇用促進法第15条の認定を受けていて、
当該転換日において35歳未満の有期雇用労働者等を転換した者であること。
また、支給申請日においても引き続き若者雇用促進法に基づく認定事業主であること。

若年雇用認定についても助成額の加算があります。


●勤務地限定正社員制度または職務限定正社員制度に係る加算の適用を受ける場合にあっては、
キャリアアップ計画書に記載されたキャリアアップ期間中に、
勤務地限定正社員制度または職務限定正社員制度を新たに規定し、
有期雇用労働者等を当該雇用区分に転換した事業主であること。

就業規則に勤務地限定正社員制度または職務限定正社員制度を設けないと、
当該従業員の分は、助成されません。


●生産性要件を満たした場合の支給額の適用を受ける場合にあっては、
当該生産性要件を満たした事業主であること。

生産性要件については、後日お伝えしますが、
生産性の条件をクリアした場合は、
助成額が加算されます。

【第19回】キャリアアップ助成金(正社員化コース)⑧ 対象となる事業主⑤   [ 2021.02.20 ]

有期雇用労働者を正規雇用労働者、または無期雇用労働者に転換する場合、
無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換する場合の、
対象となる事業主の条件はまだまだ続きます。

●基本給、定額諸手当及び賞与で5%増額させた場合、
転換後の基本給および定額で支給されている諸手当の合計額(※1)を、
転換前と比較して低下させていない事業主であること(※2) 。

(※1)
転換前後において所定労働時間若しくは支給形態が異なる場合、
又は時給制若しくは日給制の場合は
所定労働時間1時間当たりの賃金で判断します。

(※2)
低下した理由が転勤に伴う地域手当の支給額の変更や家族が扶養から外れた場合の家族手当の支給額の変更など
合理的な理由による低下は除かれます。


●当該転換日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、
当該転換を行った適用事業所において、
雇用保険被保険者(※3)を解雇(※4)等事業主の都合により離職させた事業主以外の者であること。

(※3)
雇用保険法第38条第1項第1号に規定する短期雇用特例被保険者および同法第43条第1項に規定する日雇労働被保険者を除きます。

(※4)
天災その他やむを得ない理由のために事業の継続が困難となったことまたは労働者の責めに帰すべき理由によるものを除きます。

勧奨退職も事業主都合になります。


●当該転換日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、
当該転換を行った 適用事業所において、
雇用保険法第23条第1項に規定する特定受給資格者(以下「特定受給資格者」という)となる離職理由のうち離職区分1Aまたは3A(※5)に区分される離職理由により離職した者(以下「特定受給資格離職者」という)として同法第13条に規定する受給資格の決定が行われたものの数を、
当該事業所における当該転換を行った日における雇用保険被保険者数で除した割合が6%を超えている(※6)事業主以外の者であること。

(※5)
離職区分1A:解雇(3年以上更新された非正規社員で雇止め通知なしを含む)
3A:事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職


(※6)
特定受給資格者として当該受給資格の決定が行われたものの数が3人以下である場合を除きます。


●有期雇用労働者等を正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換する制度を含め、
雇用する労働者を他の雇用形態に転換する制度がある場合にあっては、
その対象となる労働者本人の同意に基づく制度として運用している事業主であること。


だいぶイレギュラーな内容も含まれてきましたが、
解雇や勧奨退職をしている場合は、
転換日の前日から起算して6か月前から1年を経過する日までの間であったかどうか、
事前に確認しておきましょう。

【第18回】キャリアアップ助成金(正社員化コース)⑦ 対象となる事業主④   [ 2021.02.14 ]

前回、
正規雇用労働者に転換後6か月間の賃金を、転換前6か月間の賃金と比較して、
5%以上増額させている事業主であることが求められることを
お伝えしました。

今回は、

イ 基本給、定額で支給されている諸手当および賞与を含む賃金の総額を5%以上増額させていること

の、

賃金総額に含めることができない「賞与」について見ていきましょう。

〇以下の条件に該当する賞与については、
実態として処遇の改善ができないものとして、
賃金5%以上増額の算定に含めることはできません。
ただし(賞与を除く)基本給及び定額で支給されている諸手当が5%以上増額されていれば
本要件は満たすとされています。
つまりは、
前回お伝えした「ア」のパターンで確認します、ということです。


●就業規則または労働協約において、
支給時期(※1)または支給対象者(※2)が明記されていない場合

※1
支給時期は「〇月〇日に支払う」「〇月に支払う」など最低限支給月まで規定しているものであり、
単に「夏季及び冬季」「上半期及び下半期」「年2回」とだけ記載されている場合等には賃金の算定対象にはなりません。

※2
支給対象者が明記されている場合であって、
転換等後6か月の賃金算定期間中に賞与が支給されている場合
(当該算定期間中に賞与が1度も支給されていない場合には、支給申請時点で支給時期および金額が確定しているものを含む。)に限り含むことができます。
ただし、
転換時期や支給時期のタイミング等により実態として処遇の改善が確認できない場合は算定から除きます。


●賞与を支給することが前提となっていない、
または、
会社の業績に応じて臨時的に支給される賞与である場合

(例1)対象労働者が算定期間中に賞与の支給対象になっていない場合
(例2)就業規則等で「賞与は原則として支給しない。ただし、~」と規定されている場合
(例3)名称問わず、会社の業績に応じて臨時的に支給される「決算賞与」や「寸志」の場合


●転換前後において、賞与の規定は変更されていない(※3)が、
賞与を複数回支給する場合の額の違いや支給回数の結果として、
転換後の賞与額が転換前の賞与額を上回る場合

※3
「賞与の規定は変更されていない」とは、
有期雇用労働者等と正規雇用労働者に対して同一の賞与規定が適用されており、
転換前後で賞与の算出基準等が変更されていない場合等、をいいます。

(例4)賞与の支給額の算出基準に人事考課等が考慮されず、
  一律または在籍期間等の一定割合に基づき支払われる場合

どういうことかというと、
毎年、12月に20万円、7月に10万円、賞与を支給していて、
転換前6か月がたまたま10万円の支給時期に当たり、
転換後6か月がたまたま20万円の支給時期に当たったことで、
5%の増額になった場合をいいます。

(例5)転換前後に年1回支給される賞与が、
  転換時期の関係で転換後6か月間にのみ支払われる場合など、
  賞与を複数回支給する場合の額の違いや支給回数の結果として、
  転換後の賞与額が転換前の賞与額を上回るものである場合

どういうことかというと、
1年に1回しのみの支給のため
転換前6か月には支給がなく、
転換後6か月に年1回の支給時期に当たったことで、
5%の増額になった場合をいいます。


●転換時期の関係等から、転換前の賞与が満額支払われていないまたは支給されていない場合

(例6)転換前の賞与について、在籍期間が不足し、転換後の賞与よりも支給額が低いなど、
  転換時期の関係等から、
  転換前の賞与が満額支払われていない、または支給されていない場合

どういうことかというと、
転換前6か月賞与は在籍期間が少ないことから30%分を支給し、
転換後6か月は在籍期間があるので100%支給することで、
5%の増額になった場合等をいいます。

 

さて、上記のように、賞与を5%以上に含めるにはかなり注意を払う必要があり、
イレギュラーなパターンはこれだけではありませんので、
賞与を含めないシンプルなパターン(基本給+定額手当)で、
5%以上を目指していくことが、無難でしょう。

【第17回】キャリアアップ助成金(正社員化コース)⑥ 対象となる事業主③   [ 2021.02.07 ]

正規雇用労働者に転換後6か月間の賃金を、転換前6か月間の賃金と比較して、
5%以上増額させている事業主であることが求められています。

この5%増額とは、

ア 基本給および定額で支給されている諸手当(賞与を除く)を含む賃金の総額を5%以上増額させていること
または、
イ 基本給、定額で支給されている諸手当および賞与を含む賃金の総額を5%以上増額させていること

のどちらかということになります。

上記を見ると、
「イ 賞与を含めた方法」で5%以上を選択したほうがクリアしやすいのではないか、と感じるかもしれませんが、
賞与の条件があり、それをクリアしないと賞与は含められませんので、
「ア 賞与を含めない方法」で、5%以上クリアすることが無難です。

では、
この賃金総額に含めることができない「諸手当」を見ていきましょう。
①実費補填であるもの
②毎月の状況により変動することが見込まれるため実態として労働者の処遇が改善しているか判断できないもの
については、名称を問わず賃金総額に含めることができません。

例えば、
・就業場所までの交通費を補填する目的の「通勤手当」
・家賃等を補填する目的の「住宅手当」
・就業場所が寒冷地であることから暖房費を補填する目的の「燃料手当」
・業務に必要な工具等を購入する目的の「工具手当」
・繁閑等により支給されない場合がある「休日手当」および「時間外労働手当(固定残業代を含む)」
・本人の営業成績等に応じて支払われる「歩合給」
・本人の勤務状況等に応じて支払われる「精皆勤手当」
・食費を補填する目的の「食事手当」
となります。

 

注意点①

転換後の賃金に定額で支給される諸手当を含める場合、
当該手当の決定及び計算の方法(支給要件を含む)が就業規則または労働協約に記載されているものに限る(転換前において定額で支給される諸手当は、就業規則等への記載の有無にかかわらず転換前6か月間に賃金に含める)とされていますので、
就業規則に支給しているすべての諸手当の内容が記載されているかどうか確認しましょう。

就業規則に記載がないと、「転換前の賃金には含めるが、転換後には含めない」ので、
5%以上の賃金アップに達しない可能性が出てきます。

 

注意点②

固定残業代が基本給に含まれている場合は、
固定残業代に関する時間数と金額等の計算方法、
固定残業代を除外した基本給の額を
就業規則または雇用契約書等に明記している必要があります。

上記を考えると、
雇用契約書には、
基本給と固定残業代は分けて、

例えば、
固定残業代(時間外労働20時間分)

というように明記しておくとよいでしょう。

 

注意点③

固定残業代の総額又は時間相当数を減らしている場合であって、
かつ転換前後の賃金に固定残業代を含めた場合に、
賃金が5%以上増額していない場合、
支給対象外となります。

具体的に数字で見ていくと、
(例1)
転換前:基本給20万円、固定残業代5万円(合計25万円)
転換後:基本給21万円、固定残業代4万円(合計25万円)
⇒基本給は5%増額されているが、総額でみると5%増額されていないので、支給対象外

(例2)
転換前:基本給20万円、固定残業代5万円(30時間分)(合計25万円)
転換後:基本給21万円、固定残業代3万円(20時間分)、定額手当2万円(合計25万円)
⇒基本給+定額手当は5%以上増額されているが、総額でみると5%増額されていないので、支給対象外

 

注意点④

賞与を含めた転換後の賃金が5%以上増額していても、
転換後において基本給および定額で支給されている諸手当の合計額が
転換前と比べて低下している場合は、
結果として支給対象外になります。

賃金5%以上増額については、
当初はなかった条件なので、
5%クリアできずに受給できないケースがあります。

 

上記の注意点のように、
イレギュラーなパターンが出てきた場合、
労働者が安心して働ける環境に即したパターンかどうかを前提として考えると、
受給できるかできないか、の判断の一助になるでしょう。

【第16回】キャリアアップ助成金(正社員化コース)⑤ 対象となる事業主②   [ 2021.02.06 ]

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の 
「対象となる事業主」の続きです。

今回は3つ確認してみます。

転換後6か月以上の期間継続して雇用し、転換後6か月分の賃金を支給した事業主であること。
この6か月の期間は勤務日数が11日未満の場合は除かれます。
また、
この賃金は時間外手当が含まれますので、
基本給等の賃金は当月支給、時間外手当を翌月支給している場合等では、
時間外手当を支給したときが賃金支給の完了日となります。

このことは時間外手当がきちんと支給されているか、
確認ポイントとなるということでもありますので、
出勤簿の残業時間数と時間外手当が不一致になっていないか、必ず確認してください。

 

・多様な正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員)への転換の場合は、
転換日において、正規雇用労働者を雇用していた事業主であること。

このことは多様な正社員だけ(正規雇用労働者がいない)では認められないということです。

 

・支給申請日において当該制度を継続して運用している事業主であること。

正規雇用労働者等への転換制度を廃止した企業は弊社では見たことはありませんが、
そういうことです。

 

以上3点お伝えしましたが、
やはり時間外手当の支給について、
計算ミスやモレがあることがありますので、
支給申請時には必ず確認してから提出しましょう。

【第15回】キャリアアップ助成金(正社員化コース)④ 対象となる事業主①   [ 2021.02.05 ]

キャリアアップ助成金(正社員化コース)においては、
「有期雇用労働者を正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換する事業主」
「無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換する事業主」
が対象となる事業主になります。

これが基本です。

ということは、
これ以外にも条件があるということになります。

今回はそのうちの1つを見てみます。
とても重要で、この記載が労働協約や就業規則にないと、
キャリアアップ助成金(正社員化コース)の受給ができなくなることがあります。

それは、
有期雇用労働者等を正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換する制度を労働協約または就業規則等に規定している事業主であること

単純に正規雇用への転換制度があります、
といった内容ではダメで、
以下の3点の記載が必要です。

「手続き、要件、転換または採用時期」

・「手続き」とは、面接試験や筆記試験を行って正規雇用にします、といった手続き
・「要件」とは、勤務年数、人事評価結果、所属長の推薦等の客観的に確認可能な要件
・「転換または採用時期」とは、毎月1日に正規雇用として採用する等の時期

この3点が労働協約や就業規則に記載が必ず必要です。

また労働協約や就業規則には、
実際に雇用している雇用区分ごとの定義を記載しておく必要があります。

正社員・有期契約社員・パートタイマ―・派遣社員等です。

最近では、
多様な正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員)も増えてきています。

多様な正社員へ転換する場合には、
こちらも定義を記載しておく必要がありますので、忘れずに。


【第14回】キャリアアップ助成金(正社員化コース)③ 対象となる労働者②   [ 2021.02.02 ]

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の対象となる労働者の続きです。

ここからは、
こういう労働者「ではない」こと、
という内容が多いです。

分かりやすくするため
ざっくりとした内容で箇条書きしていきます。

正規雇用労働者にすることを約束している有期雇用社員でないこと。

・正規雇用労働者への転換日の前日から過去3年間に、
親会社、子会社、関連会社等で正規雇用労働者や役員等であった者でないこと。

・事業主または取締役の3親等以内の親族でないこと。

就労支援A型の事業所における利用者でないこと。

・支給申請日において対象者の転換時の雇用区分の状態が継続し、離職していない者であること。
※本人都合離職、天災等による事業継続困難による離職、本人帰責事由解雇を除きます。

・支給申請日において、正規→有期・無期、無期→有期への転換が予定されていない者であること。

・定年制がある場合、転換日から定年年齢に達する日までの期間が1年以上の者であること。

支給対象事業主または密接な関係の事業主の事業所において定年を迎えた者でないこと。

上記はイレギュラーパターンのようで、時々起こる内容です。
助成金はこのような細かな内容を見落とすことで、受給できないことが起こり得ますので、
しっかり把握しておきましょう。

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