財務・人事ニュース

2021年5月

【財務033】事業再構築補助金(事業再編について)   [ 2021.05.29 ]

「新分野展開」「事業転換」「業種転換」を見てきましたが、
次の類型「事業再編」について見ていきましょう。

「業種転換」とは、
会社法上の組織再編行為(合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡)等を行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うこと

事業再編に該当するためには、会社法上の組織再編行為(※1)等を行う必要があります。【組織再編要件】
(※1)合併、会社分割、株式交換、株式移転又は事業譲渡を指します。

②事業再編に該当するためには、その他の事業再構築のいずれかの類型(※2)の要件を満たす必要があります。【その他の事業再構築要件】
(※2)新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換を指します。


【財務032】事業再構築補助金(業種転換の要件を満たす例②)   [ 2021.05.26 ]

事業再構築補助金の業種転換の例の2つ目です。
「要件を満たす内容」を見ていきましょう。

【例1】製造業の場合
コロナの影響も含め、今後ますますデータ通信量の増大が見込まれる中、生産用機械の製造業を営んでいる事業者が、工場を閉鎖し、跡地に新たにデータセンターを建設し、5年間の事業計画期間終了時点において、データセンター事業を含む業種の売上高構成比が最も高くなる計画を 策定している場合。
(参考)日本標準産業分類
【大分類】…E製造業、 …G情報通信業…(データセンターは情報通信業)


製品等の新規性要件 ①過去に製造等した実績がないこと
要件を満たす考え方 ①過去にデータセンター事業を営んだことがなければ、要件を満たす。

製品等の新規性要件 ②製造等に用いる主要な設備を変更すること
要件を満たす考え方 ②データセンターを建設するため、新たにデータサーバーの購入等が必要であり、その費用がかかる場合には、要件を満たす。

製品等の新規性要件 ③定量的に性能又は効能が異なること
要件を満たす考え方 ③生産用機械とデータセンターは、異なる製品(サービス)であり、定量的に性能又は効能(強度や軽さ等)を比較することが難しいことを示すことで要件を満たす。

市場の新規性要件  ①既存製品等と新製品等の代替性が低いこと
要件を満たす考え方 ①新たにデータセンター事業を始めたことで、生産用機械の需要が代替され、売上高が減少するといった影響が見込まれないと考えられることを説明することで、要件を満たす。

売上高構成比要件  ①3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品の属する事業が、売上高構成比の最も高い事業となる計画を策定すること
要件を満たす考え方 ①「生産性機械製造」(製造業)と「データセンター事業」(情報通信業)は、日本標準産業分類の大分類ベースで異なる分類がなされている。従って、5年間の事業計画期間終了時点において、データセン ター事業を含む業種の売上構成比が最も高くなる計画を策定していれば、要件を満たすこととなる。


【財務031】事業再構築補助金(業種転換の要件を満たす例①)   [ 2021.05.22 ]

事業再構築補助金の業種転換の例が出ていますので、
「要件を満たす内容」を見ていきましょう。

【例1】賃貸業の場合
レンタカー事業を営んでいる事業者が、新たにファミリー向けのコロナ対策に配慮した貸切ペンション を経営し、レンタカー事業と組み合わせた宿泊プランを提供することで、3年間の事業計画期間 終了時点において、貸切ペンション経営を含む業種の売上高構成比が最も高くなる計画を策定している場合。
(参考)日本標準産業分類
【大分類】…K不動産業、物品賃貸業 …M宿泊業,飲食サービス業…(レンタカー事業は物品賃貸業、ペンションは宿泊業


製品等の新規性要件 ①過去に製造等した実績がないこと
要件を満たす考え方 ①過去に貸切ペンション経営を営んだことがなければ、要件を満たす。

製品等の新規性要件 ②製造等に用いる主要な設備を変更すること
要件を満たす考え方 ②ペンションを改築するため、新たに建物改修等が必要であり、その費用がかかる場合には、要件を満たす。

製品等の新規性要件 ③定量的に性能又は効能が異なること
要件を満たす考え方 ③貸切ペンション経営とレンタカー事業では、提供するサービスが異なり、定量的に性能又は効能を比較することが難しいことを示すことで要件を満たす。

市場の新規性要件  ①既存製品等と新製品等の代替性が低いこと
要件を満たす考え方 ①新たに貸切ペンション経営を始めたことで、レンタカー事業の需要が代替され、売上高が減少するといった影響が見込まれない(むしろ相乗効果により増加する)と考えられることを説明することで、要件を満たす。

売上高構成比要件  ①3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品の属する事業が、売上高構成比の最も高い事業となる計画を策定すること
要件を満たす考え方 ①「レンタカー」(不動産業、物品賃貸業)と「ペンション経営」(宿泊業,飲食サービス業)は、日本標準産業分類の大分類ベースで異なる分類がなされている。従って、3年間の事業計画期間終了時点において、ペンション経営を含む業種の売上構成比が最も高くなる計画を策定していれば、要件を満たすこととなる。


【財務030】事業再構築補助金(業種転換について)   [ 2021.05.19 ]

「新分野展開」「事業転換」を見てきましたが、
次の類型「業種転換」について見ていきましょう。

「業種転換」とは、
中小企業等が新たな製品を製造することにより、主たる業種(※1)を変更することです。
(※1)直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく大分類の産業

①業種転換に該当するためには、新たな製品等を製造等する必要があります。【製品等の新規性要件】
これは、新分野展開における【製品等の新規性要件】と同義です。
②業種転換に該当するためには、新たな市場に進出する必要があります。【市場の新規性要件】
これも、新分野展開における【市場の新規性要件】と同義です。
③業種転換に該当するためには、3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品の属する業種が、売上高構成比の最も高い業種となる計画を策定することが必要です。【売上高構成比要件】
※売上高10%要件は不要です。



【財務029】事業再構築補助金(事業転換を満たす例②)   [ 2021.05.15 ]

事業再構築補助金の事業転換の例の2つ目を見ていきましょう。

【例2】製造業の場合
プレス加工用金型を製造している下請事業者が、業績不振を打破するため、これまで培った金属加工技術を用いて、新たに産業用ロボット製造業を開始し、5年間の事業計画期間終了時点において、産業用ロボット製造業の売上高構成比が、日本標準産業分類の細分類ベースで最も高い事業となる計画を策定している場合
(参考)日本標準産業分類 【大分類】E製造業⇒【中分類】生産用機械器具製造業⇒【小分類】269その他の生産用機械・同部分品製造業 ⇒【細分類】2691金属用金型・同部分品・附属品製造業2694ロボット製造業…(細分類ベースで事業転換)



製品等の新規性要件 ①過去に製造等した実績がないこと
要件を満たす考え方 ①新たに製造する産業用ロボットが、過去に製造した実績のない部品であれば、要件を満たす。

製品等の新規性要件 ②製造等に用いる主要な設備を変更すること
要件を満たす考え方 ②産業用ロボットを製造するため、プレス加工用金型専用の生産設備とは異なる専用の生産設備が新たに必要であり、当該設備を導入する場合には、要 件を満たす。

製品等の新規性要件 ③定量的に性能又は効能が異なること
要件を満たす考え方 ③新たに製造する産業用ロボットと従来製造していたプレス加工用金型が異なる製品であれば、定量的に性能又は効能(強度や軽さ等)を比較することが難しいことを示すことで要件を満たす。

市場の新規性要件  ①既存製品等と新製品等の代替性が低いこと
要件を満たす考え方 ①プレス加工用金型と産業用ロボットでは、その用途が異なり、産業用ロボットを新たに製造・販売することによって、プレス加工用金型の需要が代替され、売上が減少することは見込まれないと考えられることを説明することで、要件を満たす。

売上高構成比要件  ①3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品の属する事業が、売上高構成比の最も高い事業となる計画を策定すること
要件を満たす考え方 ①「金属用金型製造業」と「ロボット製造業」は、日本標準産業分類の細分類ベースで異なる分類がなされている。従って、5年間の事業計画期間終了時点において、ロボット製造業の売上構成比が、日本標準産業分類細分類ベースで最も高くなる計画を策定していれば、要件を満たすこととなる。


【財務029】事業再構築補助金(事業転換を満たす例①)   [ 2021.05.12 ]

事業再構築補助金の事業転換の例が出ていますので、
「要件を満たす内容」を見ていきましょう。

【例1】飲食サービス業の場合
日本料理店が、換気の徹底によりコロナの感染リスクが低いとされ、足元業績が好調な焼肉店を新たに開業し、3年間の事業計画期間終了時点において、焼肉事業の売上高構成比が、標準産業分類の細分類ベースで最も高い事業となる計画を策定している場合
(参考)日本標準産業分類
【大分類】M宿泊業、飲食サービス業⇒【中分類】76飲食店⇒【小分類】762専門料理店 ⇒【細分類】7621日本料理店…7625焼肉店(細分類ベースで事業転換)


製品等の新規性要件 ①過去に製造等した実績がないこと
要件を満たす考え方 ①過去に焼肉店を営んだことがなければ、要件を満たす。

製品等の新規性要件 ②製造等に用いる主要な設備を変更すること
要件を満たす考え方 ②焼肉店の開業に当たって、新たに卓上備え付けのロースター等の設備や内装の改装などが必要であり、その費用がかかる場合には、要件を満たす。

製品等の新規性要件 ③定量的に性能又は効能が異なること
要件を満たす考え方 ③日本料理店と焼肉店では、提供する商品が異なり、定量的に性能又は効能を比較することが難しいことを示すことで要件を満たす。

市場の新規性要件  ①既存製品等と新製品等の代替性が低いこと
要件を満たす考え方 ①例えば、大衆向けとして沖縄料理を提供している日本料理店が、高価格帯の商品を提供する焼肉店を始める場合、異なる顧客のニーズに応えるものであることから、焼肉屋により、日本料理屋の需要が代替され、売上高が減少するといった影響が見込まれないと考えられることを説明することで、要件を満たす。

売上高構成比要件  ①3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品の属する事業が、売上高構成比の最も高い事業となる計画を策定すること
要件を満たす考え方 ①「日本料理店」と「焼肉店」は、日本標準産業分類の細分類ベースで異なる分類がなされている。従って、3年間の事業計画期間終了時点において、焼肉事業の売上構成比が、日本標準産業分類細分類ベースで最も高くなる計画を策定していれば、要件を満たすこととなる。



【財務028】事業再構築補助金(事業転換について)   [ 2021.05.08 ]

次の類型「事業転換」について見ていきましょう。

 「事業転換」とは新たな製品等を製造等することにより、主たる業種(※1)を変更することなく主たる事業(※2)を変更することを指します。
(※1)直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく大分類の産業
(※2)直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく中分類、小分類又は細分類の産業

 「事業転換」に該当するためには、
①主たる業種を変更する場合には、「業種転換」になります。
②事業転換に該当するためには、新たな製品等を製造等する必要があります。【製品等の新規性要件】
これは、新分野展開における【製品等の新規性要件】と同義です。
③事業転換に該当するためには、新たな市場に進出する必要があります。【市場の新規性要件】
これは、新分野展開における【市場の新規性要件】と同義です。
④事業転換に該当するためには、3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品等の属する事業が、売上高構成比の最も高い事業となる計画を策定することが必要です。【売上高構成比要件】
※売上高10%要件は不要です。



【財務027】事業再構築補助金(新分野展開の要件を満たす例②)   [ 2021.05.05 ]

新分野展開に該当する例を、もう1つ以下のように示しています。

【例2】不動産業の場合
都心部の駅前にビジネス客向けのウィークリーマンションを営んでいたが、テレワーク需要の増加を踏まえて、客室の一部をテレワークスペースや小会議室に改装するとともにオフィス機器を導入し、3年間の事業計画期間終了時点で、当該レンタルオフィス業の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定している場合

製品等の新規性要件 ①過去に製造等した実績がないこと
要件を満たす考え方 ①過去同様のレンタルオフィス業を営んだことがなければ、要件を満たす。

製品等の新規性要件 ②製造等に用いる主要な設備を変更すること
要件を満たす考え方 ②新たに客室の改装やオフィス機器の導入が必要であり、その費用がかかる場合には、要件を満たす。

製品等の新規性要件 ③定量的に性能又は効能が異なること
要件を満たす考え方 ③ウィークリーマンションとレンタルオフィスでは、提供するサービスの種類が異なり、定量的に性能又は効能を比較することが難しいことを示すことで要件を満たす。

市場の新規性要件  ①既存製品等と新製品等の代替性が低いこと
要件を満たす考え方 ①新たにレンタルオフィスを始めたことで、ウィークリーマンションの需要が代替され、売上高が減少するといった影響が見込まれないと考えられることを説明することで、要件を満たす。

売上高10%要件  ①3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品等の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定すること
要件を満たす考え方 ①3年間の事業計画期間終了後、レンタルオフィス業の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定することで要件を満たす。



【財務026】事業再構築補助金(新分野展開の要件を満たす例①)   [ 2021.05.01 ]

新分野展開に該当する例を、以下のように示しています。

【例1】製造業の場合
航空機用部品を製造していた製造業者が、業界全体が業績不振で厳しい環境下の中、新たに医療機器部品の製造に着手し、5年間の事業計画期間終了時点で、医療機器部品の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定している場合

製品等の新規性要件 ①過去に製造等した実績がないこと
要件を満たす考え方 ①新たに製造する医療機器部品が、過去に製造した実績のない部品であれば、要件を満たす。

製品等の新規性要件 ②製造等に用いる主要な設備を変更すること
要件を満たす考え方 ②医療機器部品を製造するため、航空機専用の生産設備とは異なる専用の生産設備が新たに必要であり、当該設備を導入する場合には要件を満たす。

製品等の新規性要件 ③定量的に性能又は効能が異なること
要件を満たす考え方 ③新たに製造する医療機器部品と従来製造していた航空機用部品が異なる部品であれば、定量的に性能又は効能(強度や軽さ等)を比較することが難しいことを示すことで要件を満たす。ただし、両部品が類似の製品であって、その性能(強度や軽さ等)を比較することが可能な場合には、差異を定量的に説明することで、要件を満たす。

市場の新規性要件  ①既存製品等と新製品等の代替性が低いこと
要件を満たす考え方 ①医療機器部品と航空機用部品では、その用途が異なり、医療機器部品を新たに製造・販売することによって、航空機用部品の需要が代替され、売上が減少することは見込まれないと考えられることを説明することで、要件を満たす。

売上高10%要件  ①3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品等の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定すること
要件を満たす考え方 ①5年間の事業計画期間終了後、医療機器部品の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定することで要件を満たす。





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