- 株式会社ササエル ホーム
- 派遣ニュース
- 派遣労働者の同一労働同一賃金⑦労使協定方式の場合の必要事項
派遣労働者の同一労働同一賃金⑦労使協定方式の場合の必要事項 [2019.10.18]
過半数代表者の選出等
過半数代表者は、次の①と②のいずれにも該当する者(①に該当する者がいないときは②に該当する者)となります。 適切な手続きを経て選出された過半数代表者と締結された労使協定でなければ、【労使協定方式】は適用されず、【派遣先均等・均衡方式】が適用されます。
① 労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でないこと
② 労使協定を締結する者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の民主的な方法による手続により選出された者であって、派遣元事業主の意向に基づき選出されたものでないこと
派遣元事業主は、「過半数代表者であること」、「過半数代表者になろうとしたこと」及び「過半数代表者として正当な行為をしたこと」を理由として、過半数代表者等に対して不利益な取扱いをしてはいけません。
また、派遣元事業主は、過半数代表者が協定に関する事務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行わなければなりません。
労使協定に関する書面の保存
派遣元事業主は、労使協定に係る書面を、その有効期間が終了した日から3年を経過する日まで保存しなければなりません。
労使協定の内容の周知
派遣元事業主は、労使協定を締結したときは、次の①~③のいずれかの方法により、その内容を雇用する労働者に周知しなければなりません。
① 書面の交付等(書面の交付、労働者が希望した場合のファクシミリ・電子メール等(※1))
(※1)「電子メール等」は出力することにより書面を作成することができるものに限られます。
② 電子計算機に備えられたファイル、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、労働者が当該記録の内容を常時確認できるようにすること(※2)
(※2)例えば、派遣労働者にログイン・パスワードを発行し、イントラネット等で常時確認できる方法が考えられます。
③ 常時派遣元事業主の各事業所の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること
(協定の概要について、書面の交付等によりあわせて周知する場合に限る。)
労使協定に定める事項
労使協定の締結にあたっては、下の①~⑥のすべての事項を定める必要があります。
① 労使協定の対象となる派遣労働者の範囲
客観的な基準により範囲を定めることが必要です。
「賃金水準が高い企業に派遣する労働者」とすることは適当ではありません。
② 賃金の決定方法(次のア及びイに該当するものに限る。)
ア 派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額と同等以上の賃金額となるもの
イ 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等の向上があった場合に賃金が改善されるもの
※ イについては、職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金(例えば、通勤手当、家族手当、住宅手当、別居手当、子女教育手当)を除く。
③ 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等を公正に評価して賃金を決定すること
④ 「労使協定の対象とならない待遇(法第40条第2項の教育訓練及び法第40条第3項の福利厚生施設)及び賃金」を除く待遇の決定方法(派遣元事業主に雇用される通常の労働者(派遣労働者を除く。)との間で不合理な相違がないものに限る。)
⑤ 派遣労働者に対して段階的・計画的な教育訓練を実施すること
⑥ その他の事項
・ 有効期間(2年以内が望ましい)
・ 労使協定の対象となる派遣労働者の範囲を派遣労働者の一部に限定する場合は、その理由
・ 特段の事情がない限り、一の労働契約の期間中に派遣先の変更を理由として、協定の対象となる派遣労働者であるか否かを変えようとしないこと
上記②~⑤として労使協定に定めた事項を遵守していない場合は、【労使協定方式】は適用されず、【派遣先均等・均衡方式】となります。
行政機関への報告
労使協定を締結した派遣元事業主は、毎年度、6月30日までに提出する事業報告書に労使協定を添付しなければなりません。また、労使協定方式の対象となる派遣労働者の職種ごとの人数、職種ごとの賃金額の平均額を報告しなければなりません。
協定対象派遣労働者に対する安全管理
安全管理に関する措置及び給付のうち、協定対象派遣労働者の職務の内容に密接に関連するものについては、派遣先に雇用される通常の労働者との間で不合理と認められる相違等が生じないようにすることが望ましいこととされています。
最新記事
- 4年、8年、15年など、能力・経験調整指数として具体的に示されていない年数になった場合は、一般賃金の額をどのように算出すればよいか。
- 賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計に同様の職種がある場合、どちらを選択すればよいのか。
- 「基準値(0年)」の金額が地域別最低賃金の額を下回っていた場合
- 一般基本給・賞与等の額が最低賃金の額を上回っているかの判断基準はいつなのか。
- 局長通達において、一般賃金の算定基礎となる賃金に含まれないこととされている「時間外、 休日及び深夜の労働に係る手当等」の「等」とは何を指すのか。
- 端数処理の方法によっては算出された数字が異なることがあるが、どちらを使用すればよいか。
- 月給から時給に換算した結果、1円未満の端数が生じた場合はどのように処理すればよいか。
- 協定対象派遣労働者の基本給は、どのように時給換算をすればよいか。
- 今年度から新たに協定対象派遣労働者となる者についても、前年度の一般賃金の額より下がった額を使うことは問題であるか。
- 退職手当に係る各種統計調査の最新版を、局長通達が発出される前に使用してもよいか。
月別記事
- 2024年10月 ( 2 )
- 2024年9月 ( 4 )
- 2024年8月 ( 4 )
- 2024年5月 ( 1 )
- 2024年3月 ( 1 )
- 2024年1月 ( 1 )
- 2023年12月 ( 3 )
- 2023年11月 ( 2 )
- 2023年10月 ( 2 )
- 2023年9月 ( 1 )
- 2023年8月 ( 3 )
- 2023年7月 ( 1 )
- 2023年6月 ( 2 )
- 2023年5月 ( 3 )
- 2023年4月 ( 1 )
- 2023年3月 ( 3 )
- 2023年2月 ( 4 )
- 2023年1月 ( 3 )
- 2022年8月 ( 4 )
- 2022年7月 ( 6 )
- 2022年6月 ( 5 )
- 2021年10月 ( 6 )
- 2021年9月 ( 9 )
- 2021年8月 ( 9 )
- 2021年7月 ( 9 )
- 2021年6月 ( 8 )
- 2021年5月 ( 9 )
- 2021年4月 ( 9 )
- 2021年3月 ( 12 )
- 2021年2月 ( 18 )
- 2021年1月 ( 16 )
- 2020年12月 ( 17 )
- 2020年11月 ( 5 )
- 2020年10月 ( 5 )
- 2020年3月 ( 2 )
- 2020年2月 ( 4 )
- 2020年1月 ( 3 )
- 2019年11月 ( 15 )
- 2019年10月 ( 21 )
- 2019年9月 ( 19 )
- 2019年8月 ( 21 )
- 2019年5月 ( 1 )
- 2017年12月 ( 1 )
- 2017年11月 ( 1 )
- 2017年10月 ( 1 )
どんな助成金があるのか、自分の会社は活用できるのか。それぞれの助成金を分かりやすく伝えるメルマガです。
- 2022.08.12
- 【社保適用拡大⑧】施行日から特定適用事業所に該当する場合のお知らせ
- 2022.08.08
- 【社保適用拡大⑦】施行日から特定適用事業所に該当する場合の手続きは?
- 2022.08.04
- 【社保適用拡大⑥】特定適用事業所に該当した場合の手続きは?
- 2022.08.01
- 【社保適用拡大⑤】「被保険者総数が常時100人を超える」とはどの時点で判断するのか?
- 2022.07.30
- 【随時改定①】月額変更が必要な場合とは?
- 2023.05.12
- 派遣会社の調査について
- 2020.12.28
- 年末年始休業のお知らせ
- 2016.12.24
- 年末年始休業のお知らせ