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【派遣情報_第2回】過半数代表者選出について [2021.05.17]
「労使協定方式」を採用している派遣元事業主は、
「労働者派遣事業報告書」に「労働者派遣法第 30 条の4第1項の規定に基づく労使協定」を添付する必要があります。
労使協定ですから、過半数代表者を選出するわけですが、
厚生労働省は、この労使協定において、
過半数代表者の適切な選出手続きについて、
以下の5つのポイントを提示しています。
1.過半数代表者となることができる労働者の要件があります
労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でないこと
管理監督者とは、一般的には部長、工場長など、労働条件の決定その他の労務管理について経営者と一体的な立場にある人を指します。
過半数代表者の選出に当たっては、管理監督者に該当する可能性のある人は避けた方がよいでしょう。
←36協定等で定める過半数代表と同じです。
2 過半数代表者を選出するための正しい手続きが必要です
派遣労働者の同一労働同一賃金の労使協定を締結するために過半数代表者を選出することを明らかにしたうえで、投票・挙手などにより選出すること
選出手続きは、投票や挙手の他に、労働者の話し合いや持ち回り決議などでも構いませんが、
労働者の過半数がその人の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きが必要です。
また、選出に当たっては、派遣労働者などを含めたすべての労働者が手続きに参加できるようにしましょう。
会社の代表者が特定の労働者を指名するなど、使用者の意向によって過半数代表者が選出された場合、その協定は無効です。
派遣元事業主は、労働者が過半数代表者であることなどを理由として、労働条件について不利益な取り扱いをしてはいけません。
←派遣労働者はそれぞれ派遣先で働いているため一堂に会することが難しいというところも少なくないと思います。派遣先に過半数代表の選出について情報を提供できるような仕組みを構築する必要があるでしょう。
3 メールなどで労働者の意向を確認する場合には、意思の確認に特に注意が必要です
返信がなかった人を「信任」したものとみなすことについて
派遣労働者を含む全ての労働者に対してメールで通知を行い、
そのメールに対する返信のない人を信任(賛成)したものとみなす方法は、
一般的には、労働者の過半数が選任を支持していることが必ずしも明確にならないものと考えられます※1。
労働者の過半数が選任を支持しているかどうかを確認するために、
電話や訪問などにより、直接労働者の意見を確認するようにしましょう※2 。
※1 メールのほか、イントラネットなどで労働者の意思の確認を行う場合も同様です。
※2 事業主単位での確認が困難な場合は、事業所単位での締結をご検討ください。(ただし、待遇の引き下げを目的として恣意的に締結単位を分けることは認められません。)
←派遣労働者からなかなか返事が来ないということも実務上あると思いますが、返答できるシステムの構築や電話での確認(電話での確認の場合はその日時も控えましょう)を必ず行いましょう。
4 派遣労働者の意思の反映をすることが望ましいです
派遣労働者は、自らの待遇について、派遣元事業主と意見交換する機会が少ない場合があります。
そのため、過半数代表者を選任するための投票などと併せて意見や希望などを提出してもらい、
これを過半数代表者が派遣元事業主に伝えることなどにより、
派遣労働者の意思を反映することが望ましいです。
5 過半数代表者が事務を円滑に遂行できるよう配慮することが必要です
派遣元事業主は、例えば、過半数代表者が労働者の意見集約などを行う際に必要となる事務機器(イントラネットや社内メールを含む)や事務スペースの提供を行うことなどの配慮をしなければなりません。
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