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派遣労働者の同一労働同一賃金⑬派遣労働者から求めがあった場合の説明   [2019.10.29]

派遣元事業主は、提供を受けた比較対象労働者の待遇等に関する情報に基づき、派遣労働者と比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由等について説明しなければなりません。 また、派遣元事業主は、派遣労働者が説明を求めたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはいけません。

 

説明する必要がある事項

【派遣先均等・均衡方式】の場合

<待遇の相違の内容> 次の①及び②の事項を説明しなければなりません。

① 派遣労働者及び比較対象労働者の待遇のそれぞれを決定するに当たって考慮した事項の相違の有無

② 「派遣労働者及び比較対象労働者の待遇の個別具体的な内容」又は「派遣労働者及び比較対象労働者の待遇の実施基準」


<待遇の相違の理由>

派遣労働者及び比較対象労働者の職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、待遇の性質及び待遇を行う目的に照らして適切と認められるものに基づき、待遇の相違の理由を説明しなければなりません。

 

【労使協定方式】の場合

協定対象派遣労働者の賃金が、次の内容に基づき決定されていることについて説明しなければなりません。

・ 派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額と同等以上であるものとして労使協定に定めたもの

・ 労使協定に定めた公正な評価


協定対象派遣労働者の待遇(賃金、教育訓練及び福利厚生施設を除く。)が派遣元事業主に雇用される通常の労働者(派遣労 働者を除く。)との間で不合理な相違がなく決定されていること等について、派遣先均等・均衡方式の場合の説明の内容に準じて説明しなければなりません。

 

説明する際の留意点

派遣労働者がその内容を理解することができるよう、資料を活用し、口頭により説明することが基本となります。 ただし、説明すべき事項を漏れなく全て記載した派遣労働者が容易に理解できる内容の資料を用いる場合には、当該資料を交付する等の方法も認められます。

 

説明義務と派遣先による情報提供との関係

派遣元事業主は、派遣先から提供された比較対象労働者の待遇情報をもとに、待遇差の内容・理由について説明を行うことが基本となりますが、派遣労働者の理解を促進するためには、追加的な情報が必要となることもあります。

また、派遣元事業主が、派遣労働者の求めに応じて、比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由を説明する際、比較対象労働者が次の①又は②であるときは、それぞれ次の事項も説明することが求められます。

比較対象労働者:①パート・有期雇用労働者

説明が必要な事項:比較対象労働者と派遣先の通常の労働者の待遇との間で均衡待遇が確保されている根拠


比較対象労働者:②新たに通常の労働者を雇い入れたと仮定した場合における当該通常の労働者
説明が必要な事項:    比較対象労働者と派遣先の通常の労働者の待遇との間で適切な待遇が確保されている根拠

このため、派遣先は、派遣元事業主が上記の事項を派遣労働者に対して説明することができるよう、派遣元事業主からの求めに応じ、上記の根拠について情報提供することが求められます。

 

派遣労働者から求めがない場合における対応

派遣労働者から求めがない場合でも、以下の事項等に変更があったときには、派遣元事業主は派遣労働者に対し、その内容を情報提供することが望ましいとされています。

・ 比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由

・ 派遣先均等・均衡方式又は労使協定方式により派遣労働者の待遇を決定するに当たって考慮した事項

・ 均衡待遇の対象となる派遣労働者の賃金を決定するにあたって考慮した派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項

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