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労使協定方式の自主点検⑤《同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の確認》 [2023.02.12]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の確認】についてです。
派遣労働者の賃金の決定方法を労使協定に定めるにあたり、同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金(一般賃金)の額と同等以上となるよう労使協定に記載していますか?
[点検のポイント]
(基本給・賞与等:一般賃金)
□ 一般基本給・賞与等の計算が正しいことが必要です。
※ 計算方法:職種別の基準値(0年)×能力・経験調整指数×地域指数
※ 計算結果、1円未満の端数が生じた場合には、当該端数を切り上げることが必要です。
※ 計算結果、基準値(0年)の額が最低賃金を下回る場合は、最低賃金の額を「基準値(0年)」の額としたうえで、当該額に能力・経験調整指数を乗じることにより、一般基本給・賞与等の額を算出することが必要です。
□ 賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計のどちらを使うか、明記することが必要です。
□ 職種の選択を適切に行うことが必要です。
※ 一般基本給・賞与等の算定の際に、局長通達の別添1または別添2から職種を選択する際は、協定対象派遣労働者が従事する業務と最も近いと考えられるものを選択することが考えられます。
例えば、協定の対象となる派遣労働者の「中核的業務」をもとに選択します。
□ 能力・経験調整指数の当てはめ方が適切であることが必要です。
※ 能力・経験調整指数は、協定対象派遣労働者の能力及び経験を踏まえつつ、一般の労働者の勤続何年目相当に該当するかを考慮して適切なものを選択することが必要です。
※ 基本的には労使で選択するものですが、派遣労働者の能力・経験を考慮せず、0年目の能力・経験調整指数を一律に当てはめる場合などは問題となる可能性があります。
□ 地域指数の選択が適切であることが必要です。
※ 地域指数は、「派遣先の事業所その他派遣就業の場所」の所在地で判断します。
(基本給・賞与等:協定対象派遣労働者の賃金)
□ 協定対象派遣労働者の賃金額が一般賃金額と同等以上であることが必要です。
※ 協定対象派遣労働者の月給などを時給換算額に置き換える際に、適切な計算方法であることが必要です。
□ 現在、協定対象派遣労働者の賃金の額が一般賃金の額を上回るものとなっている場合に、一般賃金の額の水準に引き下げるなど、賃金を引き下げることは、問題があります。
□ 時間外手当、深夜手当、休日手当、宿日直手当、交替手当は、一般賃金及び協定対象派遣労働者の賃金に含めることはできません。
※固定残業代についても、原則は協定対象派遣労働者の賃金の対象にはなりません。
(通勤手当)
□ ①実費支給により「同等以上」を確保する場合と、②一般の労働者の通勤手当に相当する額と「同等以上」を確保する場合(合算を含む)のどちらを使うか記載することが必要です。
□実費支給に上限があり、その上限額が一般の労働者の通勤手当に相当する額(時給換算した額)未満となっている場合は、「①実費支給により「同等以上」を確保する場合」としては認められません。
(退職金)
□ 以下の選択肢1~3のいずれを使うか記載することが必要です(基本給・賞与等と合算する場合を除く)。
選択肢1:退職金制度による方法(局長通達 別添4で設定された一般の労働者の退職手当制度と同等以上)
選択肢2:退職金前払いによる方法(前払いによる支給額が時給換算で一般基本給・賞与等の額の6%以上)
選択肢3:中小企業退職金共済制度などへの加入による方法(掛金などの退職給付の費用が一般の労働者の退職給付等の費用の割合と同等以上)
□ 選択肢1(退職金制度による方法)の場合、一般退職金と比べて、派遣元事業主の退職金水準が、同水準以上となっていることが必要です。
※ 一般退職金と比較する際は、協定対象派遣労働者の退職時の所定内賃金額を用いて比較することが必要です。
いかがでしたか。
労使協定書を作成する際の一番のキモと言ってよいところです。
よく理解ができていないまま作成してしまうと、
一般の労働者と比較して同等以上になっていなかった、
内容に漏れがあった、
ということが起きてしまいます。
そのようなことが起きないためにも、
派遣事業に詳しい社会保険労務士に確認してもらうことも大事になってくるでしょう。
(当所のアピールではなく、派遣事業を適正に行って、憂いなく事業を推進していくためにも必要という意味です)
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