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労使協定方式の自主点検⑪《関係者への待遇決定方式の情報提供》 [2023.04.15]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【関係者への待遇決定方式の情報提供】についてです。
労使協定を締結しているか否かについて、関係者(派遣労働者、派遣先等)への情報提供を行っていますか?
[点検のポイント]
□情報提供に当たっては、常時インターネットの利用により広く関係者とりわけ派遣労働者に必要な情報を提供することが原則です。
※協定を締結している場合には、協定対象派遣労働者の範囲及び協定の有効期間の終期の情報を提供する必要があります。
いかがでしたか。
会社の派遣情報をインターネットで公開することに躊躇してしまうかもしれませんが、
インターネットなどにより派遣状況を確認し、より適切な派遣会社を選択できるよう情報公開が派遣会社に義務付けられてますので、しっかりホームページに掲載しましょう。
労使協定方式の自主点検⑩《事業報告》 [2023.03.31]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【事業報告】についてです。
労使協定を添付して、労働者派遣事業報告書を提出していますか?
[点検のポイント]
□派遣元事業主は、6月末までに都道府県労働局への報告が必要です。
□労使協定に定める事項について、労働協約、就業規則、賃金規程等を引用又は参照することを定めている場合は、その労働協約、就業規則、賃金規程等も添付する必要があります。
いかがでしたか。
労使協定のコピーは6月の事業報告書に添付して提出しますが、
労使協定自体は4/1からの協定であることが一般的ですので、
その場合は、3/31までに労使協定を締結しておく必要があります。
労使協定方式の自主点検⑨《労働者派遣契約の締結等》 [2023.03.21]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【労働者派遣契約の締結等】についてです。
労働者派遣契約書などに、派遣労働者の同一労働同一賃金に関係して、記載事項として追加された項目を記載していますか?
[点検のポイント]派遣労働者の同一労働同一賃金に関係して追加された項目
□労働者派遣契約書
→「責任の程度」及び「派遣労働者を協定対象派遣労働者に限定するか否か別」
□派遣元管理台帳
→「協定対象派遣労働者であるか否かの別」及び「責任の程度」
□派遣元事業主から派遣先への通知
→「協定対象派遣労働者であるか否かの別」
□就業条件等の明示
→「責任の程度」
※責任の程度:派遣労働者が従事する業務に伴って行使するものとして付与されている権限の範囲・程度等のことをいいます。
(例)副リーダー(部下2名、リーダー不在の間における緊急対応が週1回程度有)
いかがでしたか。
当初の契約等から変更していないということであれば、
追加項目は限られているので、
今すぐ変更しましょう。
労使協定方式の自主点検⑧《待遇に関する事項等の説明》 [2023.03.12]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【待遇に関する事項等の説明】についてです。
派遣労働者の雇入れ時や派遣時に、待遇に関する明示や説明を適切に行っていますか?
[点検のポイント]
□派遣労働者の雇入れ時に、あらかじめ、労働基準法第15条に基づく労働条件の明示のほか、労働条件に関する次の事項を文書の交付、FAX、電子メール等により、明示することが必要です。
①昇給の有無
②退職手当の有無
③賞与の有無
④労使協定の対象となる派遣労働者であること及び労使協定の有効期間の終期
⑤派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
□派遣労働者の派遣時に、労使協定の対象となる派遣労働者であること及び労使協定の有効期間の終期を文書の交付、FAX、電子メール等により、明示することが必要です。
□派遣労働者の雇入れ時に、あらかじめ、次の事項を説明しなければなりません。また、その説明は、書面を活用して行うことが基本です。
・労使協定方式によりどのような措置を講ずるか
※労使協定方式の対象とならない法第40条第2項の教育訓練及び同条第3項の福利厚生施設についても、説明が必要です。
□派遣労働者から求めがあったときは、協定対象派遣労働者の賃金が労使協定で定めた事項及び労使協定の定めによる公正な評価に基づき決定されていること等について説明する必要があります。
□派遣労働者から求めがあったときは、協定対象派遣労働者の待遇(※)が派遣元事業主に雇用される通常の労働者との間で不合理な相違がなく決定されていること等について、説明することが必要です。
※賃金、派遣先で業務の遂行に必要な能力を付与する教育訓練及び派遣先の福利厚生施設(教育施設、休憩室、更衣室)の利用を除く。
※派遣労働者から求めがない場合でも、派遣労働者に対し、労使協定方式などに関する決定をするに当たって考慮した事項に変更があったときは、その内容を情報提供することが望ましいものです。
いかがでしたか。
派遣時や雇入れ時において多くのことを明示しなければならないように感じますが、
何を明示すべきかまとめてしまえば、それほど大変なことではないので、
一度スクリプトを作成してみるとよいでしょう。
労使協定方式の自主点検⑦《派遣先からの待遇情報の提供》 [2023.02.25]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【派遣先からの待遇情報の提供】についてです。
派遣先から、待遇(※)に関する情報提供を書面の交付、FAX、電子メール等により受けていますか?
(※)「派遣先で業務の遂行に必要な能力を付与する訓練」及び「派遣先の福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)の利用」
[点検のポイント]
□情報提供がないときは、派遣元事業主は、労働者派遣契約を締結することはできません。
□情報提供の内容は、漏れがないことが必要です。
□情報を受けた場合、労働者派遣が終了した日から起算して3年を経過する日まで保存することが必要です。
いかがでしたか。
派遣元においては、上記の情報を入手する必要があることが分かっていても、
派遣先においては、派遣労働者の同一労働同一賃金で派遣先が果たすべき役割や業務を理解されていない場合があります。
派遣元は派遣先に丁寧に説明し、派遣先から漏れなく待遇情報の提供をもらいましょう。
労使協定方式の自主点検⑥《労使協定の周知》 [2023.02.18]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【労使協定の周知】についてです。
締結した労使協定を書面の交付等の方法により、その内容を雇用する労働者に周知していますか?
他の労使協定と同様の取り扱いですが、
派遣会社の場合、
派遣社員はそれぞれの派遣先において働いているため、
周知が難しい業種です。
そのため、厚生労働省では、
以下のような省令を出しています。
周知方法については、
就業場所が派遣先であるという派遣労働者の特性を踏まえ、
他の労使協定の周知方法とは異なり、
次の①〜③のいずれかにより周知することを省令で規定することとしている。
<周知方法の概要>
① 書面の交付等(書面の交付、ファクシミリの送信、電子メール等(SNSを含む。))
② 電子計算機に備えられたファイル、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、労働者が当該記録の内容を常時確認できるようにすること。
(例えば、IDとPWによりマイページで確認できるようにすることを想定。)
③ 常時派遣元事業主の各事業所の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること
(当該協定の概要について、①の方法により併せて周知する場合に限る。)。
また、望ましい対応等として、以下の内容も記載してあります。
1.方法③の「概要」について
概要には、少なくとも、対象となる派遣労働者の範囲、派遣労働者の賃金(基本給、賞与、通勤手当、退職手当等)の決定方法及び有効期間を盛り込み、派遣労働者が容易に理解できるものとすることが望ましいこと。
2.派遣労働者希望時の協定本体の交付について
労使協定の周知の趣旨を踏まえると、派遣労働者が求める場合には、いつでも閲覧できるようにすることが必要であるため、派遣労働者が希望する場合には、労使協定本体を書面の交付等により周知することが望ましいこと。
いかがでしたでしょうか。
派遣会社ならではの対応方法の難しさがありますので、
より細やかな対応を心掛けるようにしてください。
労使協定方式の自主点検⑤《同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の確認》 [2023.02.12]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の確認】についてです。
派遣労働者の賃金の決定方法を労使協定に定めるにあたり、同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金(一般賃金)の額と同等以上となるよう労使協定に記載していますか?
[点検のポイント]
(基本給・賞与等:一般賃金)
□ 一般基本給・賞与等の計算が正しいことが必要です。
※ 計算方法:職種別の基準値(0年)×能力・経験調整指数×地域指数
※ 計算結果、1円未満の端数が生じた場合には、当該端数を切り上げることが必要です。
※ 計算結果、基準値(0年)の額が最低賃金を下回る場合は、最低賃金の額を「基準値(0年)」の額としたうえで、当該額に能力・経験調整指数を乗じることにより、一般基本給・賞与等の額を算出することが必要です。
□ 賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計のどちらを使うか、明記することが必要です。
□ 職種の選択を適切に行うことが必要です。
※ 一般基本給・賞与等の算定の際に、局長通達の別添1または別添2から職種を選択する際は、協定対象派遣労働者が従事する業務と最も近いと考えられるものを選択することが考えられます。
例えば、協定の対象となる派遣労働者の「中核的業務」をもとに選択します。
□ 能力・経験調整指数の当てはめ方が適切であることが必要です。
※ 能力・経験調整指数は、協定対象派遣労働者の能力及び経験を踏まえつつ、一般の労働者の勤続何年目相当に該当するかを考慮して適切なものを選択することが必要です。
※ 基本的には労使で選択するものですが、派遣労働者の能力・経験を考慮せず、0年目の能力・経験調整指数を一律に当てはめる場合などは問題となる可能性があります。
□ 地域指数の選択が適切であることが必要です。
※ 地域指数は、「派遣先の事業所その他派遣就業の場所」の所在地で判断します。
(基本給・賞与等:協定対象派遣労働者の賃金)
□ 協定対象派遣労働者の賃金額が一般賃金額と同等以上であることが必要です。
※ 協定対象派遣労働者の月給などを時給換算額に置き換える際に、適切な計算方法であることが必要です。
□ 現在、協定対象派遣労働者の賃金の額が一般賃金の額を上回るものとなっている場合に、一般賃金の額の水準に引き下げるなど、賃金を引き下げることは、問題があります。
□ 時間外手当、深夜手当、休日手当、宿日直手当、交替手当は、一般賃金及び協定対象派遣労働者の賃金に含めることはできません。
※固定残業代についても、原則は協定対象派遣労働者の賃金の対象にはなりません。
(通勤手当)
□ ①実費支給により「同等以上」を確保する場合と、②一般の労働者の通勤手当に相当する額と「同等以上」を確保する場合(合算を含む)のどちらを使うか記載することが必要です。
□実費支給に上限があり、その上限額が一般の労働者の通勤手当に相当する額(時給換算した額)未満となっている場合は、「①実費支給により「同等以上」を確保する場合」としては認められません。
(退職金)
□ 以下の選択肢1~3のいずれを使うか記載することが必要です(基本給・賞与等と合算する場合を除く)。
選択肢1:退職金制度による方法(局長通達 別添4で設定された一般の労働者の退職手当制度と同等以上)
選択肢2:退職金前払いによる方法(前払いによる支給額が時給換算で一般基本給・賞与等の額の6%以上)
選択肢3:中小企業退職金共済制度などへの加入による方法(掛金などの退職給付の費用が一般の労働者の退職給付等の費用の割合と同等以上)
□ 選択肢1(退職金制度による方法)の場合、一般退職金と比べて、派遣元事業主の退職金水準が、同水準以上となっていることが必要です。
※ 一般退職金と比較する際は、協定対象派遣労働者の退職時の所定内賃金額を用いて比較することが必要です。
いかがでしたか。
労使協定書を作成する際の一番のキモと言ってよいところです。
よく理解ができていないまま作成してしまうと、
一般の労働者と比較して同等以上になっていなかった、
内容に漏れがあった、
ということが起きてしまいます。
そのようなことが起きないためにも、
派遣事業に詳しい社会保険労務士に確認してもらうことも大事になってくるでしょう。
(当所のアピールではなく、派遣事業を適正に行って、憂いなく事業を推進していくためにも必要という意味です)
労使協定方式の自主点検④《労使協定に定める事項②》 [2023.02.06]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【労使協定に定める事項等】の2つ目です。
労使協定で定めた事項の遵守や、公正な評価の取り組みを行っていますか?
当然なことではありますが、
労使協定を定めることで終了ではなく、
労使協定通りに運用していくことが必要です。
特に、
派遣労働者の最低賃金のラインや
給与にかかわる人事考課制度を
しっかり運用していかなければいけません。
労使協定に定めた事項を遵守していない場合や公正な評価に取り組んでいない場合は、
労使協定方式は適用されず、派遣先均等・均衡方式となります。
労使協定方式の自主点検③《労使協定に定める事項》 [2023.01.28]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【労使協定に定める事項等】についてです。
労使協定において、必要な事項を定めていますか?
[点検のポイント]
□労使協定の対象となる派遣労働者の範囲を記載することが必要です。
※協定の対象となる派遣労働者の範囲を定める際には、職種(一般事務、エンジニアなど)や労働契約期間(有期、無期)などといった客観的な基準が必要です。
※その範囲を「賃金水準が高い企業に派遣する労働者」、性別、国籍などの他の法令に照らして不適切な基準とすることは認められません。
□労使協定の対象となる派遣労働者の範囲を派遣労働者の一部に限定する場合には、その理由を記載することが必要です。
□派遣労働者の職務の内容や成果、意欲、能力、経験等の向上があった場合に賃金が改善されるものであること(昇給規定等)を記載することが必要です。
※例えば、「職務内容等の向上があった場合に追加の手当を支給」、「職務内容等の向上があった場合に職務の内容等の向上に応じた基本給・手当等を支給」「職務内容等の向上があった場合に、より高度な業務に係る派遣就業機会を提供」などの方法があります。
□派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力または経験などを公正に評価して賃金を決定することを記載することが必要です。
□「労使協定の対象とならない待遇」(法第40条第2項の教育訓練及び法第40条第3項の福利厚生施設(※)および「賃金」を除く待遇について、派遣元事業主に雇用される通常の労働者(派遣労働者を除く)との間で不合理な相違がないことを記載することが必要です。
※派遣先で業務の遂行に必要な能力を付与する教育訓練及び派遣先の福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)
□派遣労働者に対して段階的・計画的な教育訓練を実施することを記載することが必要です。
□労使協定の有効期間(始期と終期)を記載することが必要です。
□署名や記名押印などにより、過半数労働組合又は過半数代表者と締結していることを明確にすることが必要です。
いかがでしたか。
労使協定においては、
公正な評価における賃金の決定が必要となります。
今まで賃金決定の方法が明確となっていない場合は、
派遣労働者に限らず、会社全体において公正な評価ができる人事制度を構築する必要があるでしょう。
人事制度を上手に運用できれば、生産性の向上、離職率の低下、トラブルの回避につながっていきます。
労使協定方式の自主点検②《労使協定の締結単位》 [2023.01.19]
厚生労働省の「派遣労働者の同一労働同一賃金に係る自主点検表」
今回は、【労使協定の締結単位】についてです。
労使協定の締結単位は、適切ですか?
[点検のポイント]
□労使協定は、「派遣元事業主単位」又は「労働者派遣事業を行う事業所」単位で締結することが必要です。これより、小さい単位で締結することは認められません。
□恣意的に締結単位を分けることにより待遇を引き下げることは、労働者派遣法の趣旨に反するものであり認められません。
いかがでしたか。
労使協定の締結単位は、
派遣先事業主ごとや職種ごとに締結するものではありません。
労使協定が「派遣元事業主単位」又は「労働者派遣事業を行う事業所」単位になっているか、
再度確認しておきましょう。
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