派遣ニュース

一般基本給・賞与等の額が最低賃金の額を上回っているかの判断基準はいつなのか。   [2024.09.15]

厚生労働省の「労使協定方式に関するQ&A」(集約版)令和5年1月31日更新

問2-5
一般基本給・賞与等の額が最低賃金の額を上回っているかの判断において、この最低賃金とは、「①実際に賃金が支払われる時点で適用される額」、「②労使協定が締結される時点で適用される額」、「③局長通達で公表されている賃金構造基本統計調査や職業安定業務統計の集計対象年度(年)に適用される額」のいずれであるか。



「①実際に賃金が支払われる時点で適用される最低賃金の額」を上回っているかを確認しなければ ならない。

局長通達において、一般賃金の算定基礎となる賃金に含まれないこととされている「時間外、 休日及び深夜の労働に係る手当等」の「等」とは何を指すのか。   [2024.09.08]

厚生労働省の「労使協定方式に関するQ&A」(集約版)令和5年1月31日更新

問2-4
局長通達において、一般賃金の算定基礎となる賃金に含まれないこととされている「時間外、休日及び深夜の労働に係る手当等」の「等」とは何を指すのか。



例えば、「等」には、宿日直手当(本来の職務外としての宿日直勤務に対して支給される給与)及び交替手当(臨時に交替制勤務の早番あるいは後番に対して支給される交替勤務給など、労働時間の位置により支給される給与)が含まれるものである。

いかがでしたか。
職務外や労働時間の位置で支給される手当については一般賃金の算定基礎となる賃金に含まれないということです。

端数処理の方法によっては算出された数字が異なることがあるが、どちらを使用すればよいか。   [2024.09.01]

厚生労働省の「労使協定方式に関するQ&A」(集約版)令和5年1月31日更新

問2-3
端数処理の方法によっては、
職種別の基準値(①)×能力・経験調整指数(②)×地域指数 (③)で計算して算出された数字と、
局長通達の別添1又は別添2の数値(①×②)×地域指数 (③)で計算して算出された数字が
異なることがあるどちらを使用すればよいか。 


別添2の102システム設計技術者(令和2年度適用通達の例)
・1,322 円(基準値)×1.16(1年目の能力経験指数)×92.0(北海道の地域指数)=1,411円
・1,534 円(別添2の1年目の額)×92.0(北海道の地域指数)=1,412円


別添1又は別添2の数値(①×②)×地域指数(③)を乗じて算出し、1円未満の端数は切り上げとすること(例の場合は「1,412円」を用いる。)

いかがでしたか。
労働者有利にとなる数値を採用してください、ということです。


月給から時給に換算した結果、1円未満の端数が生じた場合はどのように処理すればよいか。   [2024.08.25]

厚生労働省の「労使協定方式に関するQ&A」(集約版)令和5年1月31日更新

問2-2
協定対象派遣労働者の賃金について、月給から時給に換算した結果、1円未満の端数が生じた場合はどのように処理すればよいか。


当該端数は切り捨てとすること。
一般賃金の額と同等以上であることが必要であるため、算出した結果、1円未満の端数が生じた場合には、当該端数は切り捨てた上で、切り捨て後の協定対象派遣労働者の賃金の額と一般賃金の額を比較すること。

いかがでしたか。
つまりは、切り上げして、実際に支給されている金額(この場合時給換算した金額)を大きくすることは、できません(一般賃金の額と同等以上にはならない)ということです。

協定対象派遣労働者の基本給は、どのように時給換算をすればよいか。   [2024.08.18]

厚生労働省の「労使協定方式に関するQ&A」(集約版)令和5年1月31日更新

問2-1
協定対象派遣労働者の基本給は、どのように時給換算をすればよいか。


例えば、月給制の場合には、次の方法により計算することが考えられる。
計算方法①:月給 × 12か月 ÷ 52週 ÷ 週の所定労働時間数
計算方法②:月給 ÷ その月の所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なる場合には、一年間における一月平均所定労働時間数)

いかがでしたか。
例えば、とあるように、回答は一例ではありますが、
給与計算時において、1時間当たりの給与額を求めているように、時給換算するということになります。


今年度から新たに協定対象派遣労働者となる者についても、前年度の一般賃金の額より下がった額を使うことは問題であるか。   [2024.08.10]

厚生労働省の「労使協定方式に関するQ&A」(集約版)令和5年1月31日更新

問1-21
問1-15 において、今年度適用の一般賃金の額が前年度適用の一般賃金の額より下がった場合であっても、協定対象派遣労働者の賃金を引き下げることは派遣法や労働契約法上の観点から問題となり得ることとなっているが、今年度から新たに協定対象派遣労働者となる者についても同様の対応をする必要があるのか。


問1-15は、前年度の賃金の額と比較をした上で、現在雇用している協定対象派遣労働者の賃金の額を現行の金額から引き下げる場合についての回答を記載しているものである。
したがって、今年度から新たに協定対象派遣労働者となる者については、協定賃金が当該年度に適用されている一般賃金の額と同等以上の額となっていれば、派遣法や労働契約法上、直ちに問題となるものではないが、既存の協定対象派遣労働者について前年度から賃金額を引き下げることは、待遇改善を目的とした派遣法の趣旨や労働条件の不利益変更との関係で問題となり得るものであること。
なお、局長通達第3の4に定める合算による方法(以下「合算」という。)を用いて一般賃金の額と同等以上を確保している場合には、合算した賃金額の総額による比較を行うため、その内訳である「基本給・賞与・手当等」、「通勤手当」、「退職金」ごとに比較する必要はないものである。

いかがでしたか。
今年度から新たに協定対象派遣労働者となる者については、今年度適用の一般賃金の額が前年度適用の一般賃金の額より下がった額であっても問題とまでは言えないが、そもそも前年度以前から所属している協定対象派遣労働者の賃金を引き下げること自体、問題となり得ることがあるのではないか、と言っています。


退職手当に係る各種統計調査の最新版を、局長通達が発出される前に使用してもよいか。   [2024.08.05]

厚生労働省の「労使協定方式に関するQ&A」(集約版)令和5年1月31日更新

問1-20
局長通達別添4に退職手当に係る各種統計調査の結果が示されているが、その統計調査の最新版が公表された場合、新たな局長通達が発出される前から、当該統計調査の結果を一般賃金の水準として使用可能か。


仮に別添4に掲載されている統計調査の最新版が公表されたとしても、その時点で発出されている最新の局長通達に当該統計調査結果が示されていなければ、それを一般賃金の水準として直ちに使用することは認められないものである。
ただし、仮に最新の統計調査の結果において、賃金水準が上がっているような場合は、当該調査結果の水準を参考に、「協定対象派遣労働者」の一般賃金の水準について、労使で検討することが否定されるものではない。
また、最新の統計結果を掲載した新たな局長通達が発出された場合には、局長通達に記載のとおり、 通達で定める一般賃金の額を、適用日より前に適用することを妨げるものではないが、通達で定める一般賃金の額を適用日より前に適用することにより、協定対象派遣労働者の賃金を引き下げる場合は、労働条件の不利益変更となり得るものであることに留意すること。

いかがでしたか。
原則:局長通達が発出されてから適用可。
例外:局長通達が発出されていなくても、賃金水準が上がるのであれば、適用することも可。
注意:原則に当てはまっていても、賃金引き下げになる場合は、不利益変更となり得るので留意。
ということになります。

協定対象派遣労働者の「職種」や「労働契約期間」の範囲を定める客観的な基準について   [2024.05.19]

厚生労働省の「労使協定方式に関するQ&A」(集約版)令和5年1月31日更新

問1-19
協定対象派遣労働者の範囲を定めるにあたり、「職種」や「労働契約期間」といった客観的な基準によらなければならないこととされているが、この基準として、例えば「派遣される事業所所在地の地域」や「派遣先均等・均衡方式を適用しない派遣労働者」、「雇用する全ての派遣労働者」等を定めることに問題はないか。


労使協定方式は、派遣労働者の長期的なキャリア形成に配慮した雇用管理を行うことができるようにすることを目的としたものである。
したがって、「派遣先の事業所その他派遣就業の場所」のみを理由として、「派遣される事業所所在地の地域」を協定対象派遣労働者の範囲として定めることは、派遣労働者の長期的なキャリア形成に配慮した雇用管理の対象とするかの判断に、就業場所は直接関係ないと考えられることから、その趣旨に反するおそれがあり適当ではない。
また、協定対象派遣労働者の範囲を定めるにあたっては、客観的な基準によることとしているため、例えば「派遣先均等・均衡方式を適用しない派遣労働者」と定めることは、その範囲が客観的に特定されないため、認められないものである。
一方、「雇用する全ての派遣労働者」と定めることは協定対象派遣労働者の範囲が客観的に明らかとなることから、これが直ちに問題となるものではない。
なお、協定対象派遣労働者の範囲を定めるにあたっては、以下の点にも留意が必要である。
・賃金水準を引き下げることを目的に待遇決定方式を変えることは、法の趣旨に反するものである。
・性別、国籍等、他の法令に照らして不適切な基準による場合や、労使協定方式の趣旨に反する場合は認められない。

いかがでしたか。
協定対象派遣労働者の範囲を、
地域で決めたり、均等均衡方式でない派遣社員としたり、することは、
客観性がなく曖昧であることから、求められないものです。
なお書きにも記載があるように、労使協定方式趣旨に反しないように、客観的な範囲を定めましょう。


賃金計算期間が局長通達の適用日をまたぐ場合の給与について   [2024.03.31]

厚生労働省の「労使協定方式に関するQ&A」(集約版)令和5年1月31日更新

問1-18
以下の条件のように、賃金計算期間が局長通達の適用日をまたぐ場合、精算期間の初日が属する3月時点における一般賃金の額と同等以上の金額を4月25日支払の賃金として支払っていれば、4月1日から15日までの間の協定対象派遣労働者の賃金の額が、4月1日以降に適用される一般賃金の額を下回っていても問題ないか。
○局長通達の適用日は4月1日
○賃金計算期間は15日締め、16日起算、25日支払い
○雇用契約期間が2月16日から5月15日
○4月1日からの協定対象派遣労働者の賃金額が同日から適用される一般賃金の額を下回る
○新たな労使協定の有効期間は4月1日から


認められない。
局長通達の効力は適用開始日(令和5年度通達であれば令和5年4月1日)から発生するため、上記のように賃金計算期間の途中に適用開始日があり、適用開始日以降、派遣労働者の賃金が一般賃金の額を下回る状態になる場合は法違反となることから、適用開始日以降から新たな労使協定に従った賃金を支払う必要がある。

いかがでしたか。
派遣の労使協定に定めた賃金額は、
労働者派遣法において、
「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額として厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額」となるので、
今回の問1-18については、4月1日分から一般賃金額以上に賃金を支払うことになります。
4月1日をまたぐ派遣社員の雇用契約をしていることがあると思うので、確認するよう心がけてください。


派遣の労使協定を2年とした場合の賞与・手当の取扱い   [2024.01.10]

厚生労働省の「労使協定方式に関するQ&A」(集約版)令和5年1月31日更新

問1-17
労使協定において、協定対象派遣労働者の「賞与・手当等」の額を「直近の事業年度において協定対象派遣労働者に支給された額の平均額」等を用いて計算していた場合、有効期間を2年(例:令和4年4月1日から令和6年3月31日)として協定を締結していたとしても、事業年度が変わる都度「賞与・手当等」の額を算出し直す必要があるか。


有効期間を2年以上とする労使協定において、業績に連動した賃金(例:賞与)を用いて一般賃金 の額と比較していた場合、当該期間中に「直近の事業年度に支給された平均額」等に変動が生じた場合は、協定対象派遣労働者の「賞与・手当等」の額を算出し直すことが必要となる。
一方、「標準的な協定対象派遣労働者に支給される額」により算出しており、金額の変動を伴わない場合や、業績に連動しない手当等(例:家族手当、住宅手当)について、就業規則の定めに特段の変更がなく支給額及び支給方法等の実態が変わらない場合には、計算し直すことは必ずしも要しない。

いかがでしたか。
回答としては、前回に近い内容ですが、今回は労使協定を2年とした場合は、どうなのか、という質問でした。
結局は実績をもとにして算出される「直近の事業年度に支給された平均額」は算出し直してください、ということになります。
派遣の労使協定は、1年間で締結しているところが多いのではないかと思いますが、2年以上としてもかまいません。
しかしながら、「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」は毎年変わるので、1年で作成しておくのがよいというのが、私たちの見解です。


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