派遣ニュース

派遣先での常用労働者(いわゆる「正社員」)化の推進とは?   [2019.10.03]

派遣先は、当該派遣先の事業所等において1年以上就業している派遣労働者について、当該事業所その他派遣就業の場所において労働に従事する通常の労働者の募集を行うときは、当該募集に係る事業所等に掲示することその他の措置を講ずることにより、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該派遣労働者に周知しなければなりません。

これは、派遣労働者の中には、いわゆる正社員での直接雇用を希望しつつも、やむを得ず派遣就労に従事している者も存在していることから、これらの者について正社員として雇用される可能性の機会をできるだけ提供しようとするものです。

派遣労働者の雇用の努力義務とは?   [2019.10.02]

派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について派遣元事業主から継続して1年以上派遣受入期間以内の期間労働者派遣の役務の提供を受けた場合において、引き続き当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該労働者派遣の役務の提供を受けた期間が経過した日以後労働者を雇い入れようとするときは、当該同一の業務に派遣実施期間継続して従事した派遣労働者を遅滞なく雇い入れるよう努めなければなりません。

これは、派遣先における常用雇用労働者の派遣労働者による代替の防止を確保するとともに、常用雇用を 希望する派遣労働者の常用雇用への移行を促進するためのものです。

派遣労働者個人単位の派遣可能期間制限の適切な運用とは?   [2019.10.01]

派遣労働者が当該派遣先事業所において、同一の組織単位で働くことができる期間の上限は3年です。

ここでいう「組織単位」とは、「名称のいかんを問わず、業務の関連性に基づいて派遣先が設定した労働者の配置の区分であって、配置された労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者が当該労働者の業務の配分及び当該業務に係る労務管理に関して直接の権限を有する者」とされています。

なお、「派遣労働者個人単位の派遣可能期間制限」は「事業所単位の派遣可能期間制限」にある延長期間はありません。

派遣先の事業所単位の派遣可能期間制限の適切な運用とは?   [2019.09.30]

派遣先の正社員と派遣労働者との代替を防止するために、派遣先の同一の事業所に、有期派遣労働者を派遣する期間は、原則3年とされています。

これは、正社員よりも派遣社員で業務を賄ったほうが人件費削減や雇用調整がしやすくなり、正社員の職域が害される恐れがあるためです。

原則3年の制限期間となりますが、正社員の過半数で組織される労働組合や過半数代表者の意見聴取を行えば、期間を3年延長することができます。その後も同様に延長することができます。

なお、この3年というのは、事業所単位ですので、派遣労働者が他の派遣労働者と交替したり、別の派遣会社に移行したとしても、制限期間は継続されます。

派遣先による均衡待遇の確保とは?   [2019.09.27]

派遣労働者と派遣先の労働者との均衡待遇を推進し、派遣労働者の処遇改善を図るのは一義的には雇用主たる派遣元事業主となりますが、実際は派遣先による対応がないと処遇の改善が進まないため、派遣先においても、以下の項目に関し、必要な措置を講じるものとしています。

1.教育訓練・能力開発

派遣先は、派遣先の労働者に対して業務の遂行に必要な能力を付すための教育訓練を行っている場合は、これらの者と同種の業務に従事する派遣労働者に対しても、当該派遣労働者を雇用する派遣元事業主からの求めに応じ、当該派遣労働者が既に当該業務に必要な能力を有している場合や派遣元で同様の訓練を実施することが可能である場合を除き、当該訓練を実施するよう配慮しなければなりません。

 

2.福利厚生施設

派遣先は、当該派遣先に雇用される労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設のうち、給食施設、休憩室、更衣室については、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対しても、利用の機会を与えるよう配慮しなければなりません。

 

3.賃金

派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の賃金の決定に当たって、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又は当該派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力若しくは経験等を勘案し、当該派遣労働者の賃金を決定するよう配慮しなければなりません。

 

4.派遣労働者の職務状況等について提供する努力義務

派遣先は、派遣元事業主において段階的かつ体系的な教育訓練やキャリアコンサルティング、賃金等に係る均衡待遇の確保のための措置が適切に講じられるようにするため、派遣元事業主の求めに応じ、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者の情報や、派遣先の指揮命令の下に労働させる派遣労働者の業務の遂行の状況等の情報を派遣元事業主に提供する等必要な協力をするように努めなければなりません。

適正な派遣就業確保等のための措置とは?   [2019.09.26]

派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者から当該派遣就業に関し、苦情の申出を受けたときは、当該苦情の内容を当該派遣元事業主に通知するとともに、当該派遣元事業主との密接な連携の下に、誠意をもって、遅滞なく、当該苦情の適切かつ迅速な処理を図らなければなりません。

苦情の申出とは、例えば、指揮命令の方法の改善、セクシャルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメント、育児休業・介護休業等に関するハラスメント、パワーハラスメント、障害者である派遣労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情に関するもの等です。

労働者派遣契約に関する措置とは?   [2019.09.25]

派遣先は、労働者派遣契約の定めに反することのないように適切な措置を講じなければなりません。

その内容は以下の通りです。

1.労働者派遣契約に定める就業条件の確保
・就業条件の周知徹底
労働者派遣契約で定められた就業条件に付いて、当該派遣労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者その他の関係者に当該就業条件を記載した書面を交付し、又は就業場所に掲示する等により、周知の徹底を図ること。
・就業場所の巡回
定期的に派遣労働者の就業場所を巡回し、当該派遣労働者の就業の状況が労働者派遣契約に反していないことを確認すること。
・就業状況の報告
派遣労働者を直接指揮命令する者から、定期的に当該派遣労働者の就業の状況について報告を求めること。
・労働者派遣契約の内容の遵守に係る指導
派遣労働者を直接命令する者に対し、労働者派遣契約の内容に違反することとなる業務上の指示を行わないようにすること等の指導を徹底すること。
2.労働者派遣契約の定めに違反する事実を知った場合の是正措置等
派遣先は、労働者派遣契約の定めに反する事実を知った場合には、これを早急に是正するとともに、労働者派遣契約の定めに反する行為を行った者及び派遣元責任者に対し労働者派遣契約を遵守させるために必要な措置を講ずること、派遣元事業主と十分に協議した上で損害賠償等の善後処理方策を講ずること等の適切な措置を講ずるものとする。
3.派遣元事業主以外の事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける場合も適用

派遣先の講ずべき措置とは?   [2019.09.24]

派遣元事業主だけでなく、派遣先も、派遣労働者に対して、以下の措置を講じなければなりません。

  1. 労働者派遣契約に関する措置
  2. 適正な派遣就業確保等のための措置
  3. 派遣先による均衡待遇の確保
  4. 派遣先の事業所単位の派遣可能期間制限の適切な運用
  5. 派遣労働者個人単位の派遣可能期間制限の適切な運用
  6. 派遣労働者の雇用の努力義務
  7. 派遣先での常用労働者(いわゆる「正社員」)化の推進
  8. 離職した労働者についての労働者派遣の役務の提供の受入れの禁止
  9. 派遣先責任者の選任
  10. 派遣先管理台帳の作成、記録、保存および記載事項の通知
次回から、詳細についてお伝えします。

派遣元管理台帳の作成・記載・保管とは?   [2019.09.20]

派遣元事業主は、派遣元管理台帳を作成し、次に掲げる事項を記載し、派遣終了日から3年間保存しなければなりません。

・派遣労働者の氏名

・無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別(有期雇用派遣労働者である場合は労働契約期間)

・派遣先の氏名又は名称

・事業所の所在地その他派遣就業の場所及び組織単位

・労働派遣期間及び派遣就業日

・始業及び終業時刻

・従事する業務の種類

・苦情処理に関する事項

・紹介予定派遣に関する事項

・派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項

・所定就業日又は所定時間以上に就業させる場合は、その日数又は延長時間数

・期間制限のない労働者派遣に関する事項

・派遣労働者の健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の取得届の提出の有無

・段階的かつ体系的な教育訓練を行った日時とその内容

・キャリア・コンサルティングを行った日時とその内容

・雇用安定措置の内容

派遣元責任者の選任とは?   [2019.09.19]

派遣元事業主は、事業所ごとに、専属の派遣元責任者を、派遣労働者100人以下を1単位として、1単位につき1人以上を選任する必要があります。(物の製造業においては専門の製造業務専門派遣元責任者を選任する必要があります)

派遣元責任者は、過去3年以内に派遣元責任者講習を修了していることが必要です(欠格事由に該当していない)。

派遣元責任者の業務は以下のとおり定められています。

・派遣労働者であることの明示

・就業条件等の明示

・派遣先への通知

・派遣元管理台帳の作成

・助言指導

・苦情処理

・個人情報の管理

・教育訓練の実施及び職業生活の設計に関する相談の機会の確保

・安全衛生及びこれらに関する業務の統括管理者及び派遣先との連絡調整

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