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2019年1月
【労使協定方式の手順③】労使協定で定める賃金の決定方法① [ 2019.11.21 ]
(1)賃金の捉え方と決定方法の考え方
労使協定の対象となる派遣労働者の賃金には、基本給、手当、賞与(特別給与)、退職金が含まれます(時 間外勤務手当、深夜勤務手当、休日勤務手当等は除きます)。この賃金は、以下の2つの基準を満たす必要があります。
① 派遣労働者が従事する業務と「同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額」(以下、「一般賃金」といいます)と同等以上となること
② 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等の向上があった場合には、通勤手当等を除く職務に密接に関連する賃金が改善されること
上記①にある「一般賃金」とは派遣労働者の賃金の比較対象であり、具体的には、
・派遣先事業所等の派遣就業場所の所在地域において、
・派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者であって、
・当該派遣労働者と(同種の業務をする上で必要となる)同程度の能力及び経験を有する者の平均的な賃金額 です。
つまり、同様の地域、同種の業務、同程度の能力・経験の3つの要素を加味した一般労働者の賃金で す。
その具体的な内容は、毎年6~7月に発出される職業安定局長通知(以下「、局長通知」といいます。)に示されます。局長通知の適用については、翌年の4月からとなりますので、その間に労使協定の検討と協議等を進めます。
【労使協定方式の手順②】全体の流れ [ 2019.11.20 ]
労使協定に基づいて派遣労働者の待遇を決定する際の手順の一般的な全体の流れは次の通りです。
≪第1段階≫ 「同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額」(一般賃金)の算定方法を理解し、派遣労働者の現在の職種と賃金を整理します。
≪第2段階≫ 派遣労働者の職種に対応する通知上の職種を確認し、派遣労働者と「同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額」(一般賃金)を確認します。
≪第3段階≫ 賃金テーブルを点検し是正・整備します。
≪第4段階≫ 労使協定の対象となる「賃金以外の待遇」を点検し是正・整備します。
≪第5段階≫ 第3段階と第4段階の結果を踏まえて就業規則の整備と労使協定の締結を行い、労働者に周知します。
≪第6段階≫ 派遣先から教育訓練・福利厚生施設に関する情報を入手します。
≪第7段階≫ 労使協定で定めた待遇決定方法と第6段階で入手した情報を基に、派遣労働者の待遇を決定します。
【労使協定方式の手順①】労使協定方式の概要 [ 2019.11.19 ]
「労使協定方式」においては、派遣元は、過半数労働組合又は過半数代表者(過半数労働組合がない 場合に限ります。)と、次の①~⑥の事項を定めた書面による協定を締結しなければなりません。
また、労使協定については、毎年度提出する事業報告書に添付し、あわせて労使協定の対象となる派 遣労働者の職種ごとの人数と職種ごとの賃金額の平均額を厚生労働大臣(都道府県労働局)に報告しなければなりません。
労使協定に定める事項は以下の通りです。
①労使協定の対象となる派遣労働者の範囲
②賃金の決定方法(ア及びイに該当するものに限る)
ア 派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額と同等以上の賃金額であること
イ 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等の向上があった場合に、通勤手当等を除く職務の内容に密接に関連して支払われる賃金が改善されること
③派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等を公正に評価して賃金を決定すること
④「労使協定の対象とならない待遇(派遣先が行う業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓 練と給食施設、休憩室及び更衣室及び賃金」を除く待遇の決定方法(派遣元事業主に雇用される通常の労働者(派遣労働者を除く)との間で不合理な相違がないものに限る)
⑤派遣労働者に対して段階的・体系的な教育訓練を実施すること
⑥その他の事項
・有効期間(2年以内が望ましい)
・労使協定の対象となる派遣労働者の範囲を派遣労働者の一部に限定する場合はその理由 ・特段の事情がない限り、1つの労働契約期間中に派遣先の変更を理由として、協定対象となる派遣労働者であるか否かを変えようとしないこと
【派遣の同一労働同一賃金Q&A】労使協定の有効期間中に、一般賃金の額が変わった場合、労使協定を締結し直す? [ 2019.11.18 ]
労使協定の有効期間中に一般賃金の額が変わった場合には、有効期間中であっても、労使協定に定める派遣労働者の賃金の額が一般賃金の額と同等以上の額であるか否か確認することが必要です。
派遣労働者の賃金額が一般賃金の額と同等以上の額でない場合には、労使協定に定める賃金の決定方法を変更するために労使協定を締結し直す必要があります。
一方で、派遣労働者の賃金額が一般賃金の額と同等以上の額である場合には、派遣元事業主は、同額以上の額であることを確認した旨の書面を労使協定に添付する必要があります。
【派遣の同一労働同一賃金Q&A】労使協定ではなく就業規則、賃金規程等に具体的な内容を記載してもよい? [ 2019.11.15 ]
労使協定には具体的な内容を定めず、就業規則、賃金規程等に具体的な内容を記載する旨を定めても大丈夫です。
ただし、労使協定に定めるべき事項については、労使協定自体に具体的に定めなかったとしても、就業規則、賃金規程等に具体的に定めることにより、労使協定自体、就業規則、賃金規程等でこれらの事項を網羅的に定めることが必要となります。
また、派遣元事業主は、厚生労働大臣に毎年度提出する事業報告書に労使協定を添付しなければならないこととされているところ、労使協定自体ではなく、就業規則、賃金規程等に定められている場合には、労使協定本体に加えて、労使協定で引用している就業規則、賃金規程等もあわせて事業報告書に添付しなければなりません。
【派遣の同一労働同一賃金Q&A】労使協定には、比較対象となる一般賃金の額を記載するが必要? [ 2019.11.14 ]
労使協定には、派遣労働者の賃金の額のほか、その比較対象となる一般賃金の額を記載する必要があります。
一般賃金の額と同等以上である協定対象派遣労働者の賃金の決定の方法を定めることとされているため、同等以上であることが客観的に明らかとなるよう、協定対象派遣労働者の賃金の額に加え、その比較対象となる一般賃金の額も記載することが必要となります。
【派遣の同一労働同一賃金Q&A】派遣先が多く、派遣契約労使協定の過半数代表者の選出が難しいのですが? [ 2019.11.13 ]
どのような理由にせよ、過半数代表者を選出しなければなりません。
その方法として、派遣労働者の賃金明細を交付する際や派遣元事業主が派遣先を巡回する際に、労使協定の意義や趣旨を改めて周知するとともに、立候補の呼びかけや投票用紙の配付をしたり、社内のイントラネットやメールにより立候補の呼びかけや投票を行わせることが考えられます。
【派遣の同一労働同一賃金Q&A】 複数の事業所を労使協定の一つの締結単位とすることは可能? [ 2019.11.12 ]
複数の事業所を労使協定の一つの締結単位とすることは可能です。
ただし、待遇を引き下げることなどを目的として、数か所の事業所を一つの締結単位とすることは、
労使協定方式の趣旨に反するものであり、適当ではなく、認められないことになります。
また、この場合、比較対象となる一般賃金を算定する際の地域指数については、協定対象派遣労働者
の派遣先の事業所その他派遣就業の場所の所在地を含む都道府県又は公共職業安定所管轄地域の指数
を選択することになります。
さらに、数か所の事業所を労使協定の一つの締結単位とする場合、派遣労働者が多数となり、派遣先の業種、派遣先地域も多岐にわたって賃金体系等が複雑となり、複数の事業所の派遣労働者全体の利益を適切に代表する過半数代表者を選出することが困難となる可能性があることから、数か所の事業所を労使協定の締結単位とする場合には、過半数代表者が民主的手続に基づいて選出されるよう、特に注意が必要です。
仮に過半数代表者を適切に選出していないと認められた場合には労使協定方式が適用されず、派遣先に雇用される通常の労働者との均等・均衡待遇を確保しなければならないことになります。
【派遣の同一労働同一賃金Q&A】協定対象派遣労働者を限定するかどうかを労働者派遣契約に記載しないとダメ? [ 2019.11.11 ]
労働者派遣契約には、「派遣労働者を協定対象派遣労働者に限定するか否かの別」などを新たに記載する必要があります。
施行日前から締結している労働者派遣契約については、労働者派遣契約を新たに締結し直すことまで求めるものではありませんが、施行日までに、労働者派遣契約の変更等により、新たに労働者派遣契約の締結事項となった「派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度」及び「派遣労働者を協定対象派遣労働者に限定するか否かの別」を労働者派遣契約に定めておかなければなりません。
【派遣の同一労働同一賃金Q&A】施行前に労使協定を締結してもよい? [ 2019.11.08 ]
働き方改革関連法(平成30年改正派遣法)の施行日(2020年4月1日)前に、派遣元事業主が過半数労働組合又は過半数代表者との間で協定を締結することは可能です。
なお、この協定の効力が発生するのは、施行日以降であることに留意してください。
短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(労使協定方式の場合) [ 2019.11.07 ]
① 賃金
<協定対象派遣労働者の賃金の決定方法等>
• 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同等以上の賃金の額となるものでなければなりません。
• 職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項の向上があった場合に賃金が改善されるものでなければなりません。
• 協定対象派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を公正に評価し、賃金を決定しなければなりません。
② 福利厚生 教育訓練
• 食堂、休憩室、更衣室といった福利厚生施設(※)については、派遣先の通常の労働者と働く事業所が同一であれば同一の利用を認めなければなりません。
• 派遣元の通常の労働者との間で、転勤の有無等の支給要件が同一の場合の転勤者用社宅、慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・有給保障については、同一の利用・付与を行わなければなりません。
• 病気休職については、有期雇用でない派遣労働者には派遣元の通常の労働者と同一の、 有期雇用である派遣労働者にも、労働契約が終了するまでの期間を踏まえて取得を認めなければなりません。
• 法定外の有給休暇その他の休暇であって、勤続期間に応じて取得を認めているものについては、派遣元の通常の労働者と同一の勤続期間であれば同一の付与を行わなければなりません。なお、期間の定めのある労働契約を更新している場合には、当初の労働契約の開始時から通算して勤続期間を評価することを要します。
• 教育訓練であって、現在の職務に必要な技能・知識を習得するために実施するもの (※)については、派遣先の通常の労働者と同一の業務内容であれば同一の、違いがあれば違いに応じた実施を行わなければなりません。
• 安全管理に関する措置・給付については、派遣元の通常の労働者と同一の勤務環境に置かれている場合には同一の措置・給付を行わなければなりません。
(※)上記の福利厚生施設(食堂、休憩室、更衣室)及び現在の業務の遂行に必要な技能・知識を付与するための教育訓練は、労使協定方式であっても、労使協定の対象とはならないため、派遣元事業主は、派遣先の通常の労働者との均等・均衡を確保する必要があります。
また、これらの待遇については、派遣先に対しても、利用機会の付与及び実施の義務が課されています。
短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(派遣先均等・均衡方式の場合) [ 2019.11.06 ]
① 基本給
• 基本給が、労働者の能力又は経験に応じて支払うもの、業績又は成果に応じて支払うもの、勤続年数(派遣就業期間)に応じて支払うものなど、それぞれの趣旨・性格に照らして、派遣先の通常の労働者と実態が同一であれば同一の、違いがあれば違いに応じた支給を行わなければなりません。
• 昇給であって、労働者の勤続(派遣就業の継続)による能力の向上に応じて行うものについては、派遣先の通常の労働者と勤続による能力の向上が同一であれば同一の、 違いがあれば違いに応じた昇給を行わなければなりません。
② 賞与
• ボーナス(賞与)であって、会社(派遣先)の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについては、派遣先の通常の労働者と会社の業績等への貢献が同一であれば同一の、違いがあれば違いに応じた支給を行わなければなりません。
③ 各種手当
• 役職手当であって、役職の内容に対して支給するものについては、派遣先の通常の労働者と役職の内容が同一であれば同一の、違いがあれば違いに応じた支給を行わなければなりません。
• そのほか、派遣先の通常の労働者との間で、業務の危険度又は作業環境が同一の場合の特殊作業手当、交替制勤務等の勤務形態が同一の場合の特殊勤務手当、業務の内容が同一の場合の精皆勤手当、派遣先の通常の労働者の所定労働時間を超えて同一の時間外労働を行った場合に支給される時間外労働手当の割増率、同一の深夜・休日労働を行った場合に支給される深夜・休日労働手当の割増率、通勤手当・出張旅費、労働時間の途中に食事のための休憩時間がある際の食事手当、同一の支給要件を満たす場合の単身赴任手当、特定の地域で働く労働者に対する補償として支給する地域手当等については、同一の支給を行わなければなりません。
④ 福利厚生 教育訓練
• 食堂、休憩室、更衣室といった福利厚生施設(※)については、派遣先の通常の労働者と働く事業所が同一であれば、同一の利用を認めなければなりません。
• 派遣先の通常の労働者との間で、転勤の有無等の支給要件が同一の場合の転勤者用社宅、慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・有給保障については、同一の利用・付与を行わなければなりません。
• 病気休職については、期間の定めのない労働者派遣に係る派遣労働者には、派遣先の通常の労働者と同一の、期間の定めのある労働者派遣に係る派遣労働者にも、派遣就 業が終了するまでの期間を踏まえて取得を認めなければなりません。
• 法定外の有給休暇その他の休暇であって、勤続期間(派遣就業期間)に応じて取得を認めているものについては、派遣先の通常の労働者と同一の勤続期間(派遣就業期 間)であれば同一の付与を行わなければなりません。なお、期間の定めのある労働者派遣契約を更新している場合には、当初の派遣就業の開始日から通算して就業期間を評価することを要します。
• 教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能・知識を習得するために実施するもの(※)については、派遣先の通常の労働者と同一の業務内容であれば同一の、違いがあれば違いに応じた実施を行わなければなりません。
• 安全管理に関する措置・給付については、派遣先の通常の労働者と同一の勤務環境に置かれている場合には同一の措置・給付を行わなければなりません。
(※)派遣先に対しても、上記の福利厚生施設(食堂、休憩室、更衣室)及び現在の業務の遂行に必要な技能・知識を付与するための教育訓練について、利用機会の付与及び実施の義務が課されています。
<派遣先の通常の労働者と派遣労働者との間で賃金の決定基準・ルールの相違がある場合>
• 派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者との間で賃金に相違がある場合において、その要因として賃金の決定基準・ルールの相違があるときは、「派遣労働者に対する派遣元事業主の将来の役割期待は、派遣先に雇用される通常の労働者に対する派遣先の将来の役割期待と異なるため、賃金の決定基準・ルールが異なる」という主観的・抽象的説明ではなく、賃金の決定基準・ルールの相違は、 職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の客観的・具体的な実態に照らして、不合理なものであってはなりません。
短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針 [ 2019.11.05 ]
このガイドラインは、通常の労働者(無期雇用フルタイム労働者)と短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例を示したものです。
基本給、昇給、ボーナス(賞与)、各種手当といった賃金にとどまらず、教育訓練や福利厚生等についても記載されています。
このガイドラインに記載がない退職手当、住宅手当、家族手当等の待遇や、具体例に該当しない場合についても、不合理な待遇差の解消等が求められます。このため、各社の労使により、個別具体の事情に応じて待遇の体系について議論していくことが望まれています。
不合理な待遇差の解消に当たり、次の点に留意が必要です。
• 通常の労働者の待遇を不利益に変更する場合は、原則として労使の合意が必要であり、就業規則の変更により合意なく不利益に変更する場合であっても、その変更は合理的なものである必要があります。ただし、通常の労働者と短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者との間の不合理な待遇差を解消するに当たり、基本的に、労使の合意なく通常の労働者の待遇を引き下げることは望ましい対応とはいえないとされています。
• 雇用管理区分が複数ある場合(例:総合職、地域限定正社員など)であっても、すべての雇用管理区分に属する通常の労働者との間で不合理な待遇差の解消が求められます。
• 通常の労働者と短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者との間で職務の内容等を分離した場合であっても、通常の労働者との間の不合理な待遇差の解消が求められます。
派遣労働者の同一労働同一賃金⑯調停 [ 2019.11.01 ]
自主的解決が求められる事項
<派遣元事業主>
次の事項に関し、派遣労働者から苦情の申出を受けたとき、又は派遣労働者が派遣先に対して申し出た苦情の内容が派遣先から通知されたときは、苦情の自主的解決を図るよう努めなければなりません。
・ 派遣先均等・均衡方式
・ 労使協定方式
・ 雇入れ時の説明
・ 派遣時の説明
・ 派遣労働者から求めがあった場合の説明
・ 不利益な取扱いの禁止
<派遣先>
次の事項に関し、派遣労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情の自主的解決を図るよう努めなければなりません。
・ 業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練の実施
・ 給食施設、休憩室及び更衣室の利用の機会の付与
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自主的解決が困難な場合
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紛争調整委員会による調停
上記の事項についての「派遣労働者と派遣元事業主との間の紛争」又は「派遣労働者と派遣先との間の紛争」については、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の適用を除外し、専門性と対応できる機能を併せ持った調停の仕組みの対象となります。
都道府県労働局長が、紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があった場合において、紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に規定する紛争調整委員会において調停が行われることとなります。
派遣元事業主及び派遣先は、派遣労働者が都道府県労働局長に調停の申請をしたことを理由として、派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはいけません。
派遣労働者の同一労働同一賃金⑮紛争の解決のための援助等 [ 2019.10.31 ]
自主的解決が求められる事項
<派遣元事業主>
次の事項に関し、派遣労働者から苦情の申出を受けたとき、又は派遣労働者が派遣先に対して申し出た苦情の内容が派遣先から通知されたときは、苦情の自主的解決を図るよう努めなければなりません。
・ 派遣先均等・均衡方式
・ 労使協定方式
・ 雇入れ時の説明
・ 派遣時の説明
・ 派遣労働者から求めがあった場合の説明
・ 不利益な取扱いの禁止
<派遣先>
次の事項に関し、派遣労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情の自主的解決を図るよう努めなければなりません。
・ 業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練の実施
・ 給食施設、休憩室及び更衣室の利用の機会の付与
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自主的解決が困難な場合
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行政による援助(助言・指導・勧告)
都道府県労働局長は、上記の事項についての「派遣労働者と派遣元事業主との間の紛争」又は「派遣労働者と派遣先との間の紛争」に関し、現に紛争の状態にある当事 の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告(※)をすることができることとなります。
(※)都道府県労働局長による助言、指導及び勧告は、具体的な解決策を提示し、これを自発的に受け入れることを促すものであり、紛争の当事者にこれに従うことを強制するものではありません。
派遣元事業主及び派遣先は、派遣労働者が都道府県労働局長に紛争の解決の援助を求めたことを理由として、派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはいけません。
派遣労働者の同一労働同一賃金⑭裁判外紛争解決手続(行政ADR)の規定の整備 [ 2019.10.30 ]
派遣労働者に関するトラブルの早期解決を図るため、 事業主と労働者との間の紛争を裁判をせずに解決する手続き「行政による裁判外紛争解決手続(行政ADR)」を整備します。
派遣労働者にとって訴訟を提起することは大変重い負担を伴うものです。今回の改正では、派遣労働者がより救済を求めやすくなるよう、都道府県労働局長による紛争解決援助や調停といった裁判外紛争解決手続(行政ADR)を整備します。
~ 裁 判 外 紛 争 解 決 手 続 ( 行 政 A D R ) の 流 れ ~
事業主と労働者による、苦情の自主的解決
↓↓↓ ↓↓↓
未解決
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労働者派遣法に基づく紛争解決の援助の対象となる紛争
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①簡単な手続きで迅速に行政機関に解決してもらいたい場合
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都道府県労働局長(都道府県労働局長による助言・指導・勧告)
②公平、中立性の高い第三者機関に援助してもらいたい場合
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調停会議(調停会議による調停・調停案の作成・受諾勧告)
派遣労働者の同一労働同一賃金⑬派遣労働者から求めがあった場合の説明 [ 2019.10.29 ]
派遣元事業主は、提供を受けた比較対象労働者の待遇等に関する情報に基づき、派遣労働者と比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由等について説明しなければなりません。 また、派遣元事業主は、派遣労働者が説明を求めたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはいけません。
説明する必要がある事項
【派遣先均等・均衡方式】の場合
<待遇の相違の内容> 次の①及び②の事項を説明しなければなりません。
① 派遣労働者及び比較対象労働者の待遇のそれぞれを決定するに当たって考慮した事項の相違の有無
② 「派遣労働者及び比較対象労働者の待遇の個別具体的な内容」又は「派遣労働者及び比較対象労働者の待遇の実施基準」
<待遇の相違の理由>
派遣労働者及び比較対象労働者の職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、待遇の性質及び待遇を行う目的に照らして適切と認められるものに基づき、待遇の相違の理由を説明しなければなりません。
【労使協定方式】の場合
協定対象派遣労働者の賃金が、次の内容に基づき決定されていることについて説明しなければなりません。
・ 派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額と同等以上であるものとして労使協定に定めたもの
・ 労使協定に定めた公正な評価
協定対象派遣労働者の待遇(賃金、教育訓練及び福利厚生施設を除く。)が派遣元事業主に雇用される通常の労働者(派遣労 働者を除く。)との間で不合理な相違がなく決定されていること等について、派遣先均等・均衡方式の場合の説明の内容に準じて説明しなければなりません。
説明する際の留意点
派遣労働者がその内容を理解することができるよう、資料を活用し、口頭により説明することが基本となります。 ただし、説明すべき事項を漏れなく全て記載した派遣労働者が容易に理解できる内容の資料を用いる場合には、当該資料を交付する等の方法も認められます。
説明義務と派遣先による情報提供との関係
派遣元事業主は、派遣先から提供された比較対象労働者の待遇情報をもとに、待遇差の内容・理由について説明を行うことが基本となりますが、派遣労働者の理解を促進するためには、追加的な情報が必要となることもあります。
また、派遣元事業主が、派遣労働者の求めに応じて、比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由を説明する際、比較対象労働者が次の①又は②であるときは、それぞれ次の事項も説明することが求められます。
比較対象労働者:①パート・有期雇用労働者
説明が必要な事項:比較対象労働者と派遣先の通常の労働者の待遇との間で均衡待遇が確保されている根拠
比較対象労働者:②新たに通常の労働者を雇い入れたと仮定した場合における当該通常の労働者
説明が必要な事項: 比較対象労働者と派遣先の通常の労働者の待遇との間で適切な待遇が確保されている根拠
このため、派遣先は、派遣元事業主が上記の事項を派遣労働者に対して説明することができるよう、派遣元事業主からの求めに応じ、上記の根拠について情報提供することが求められます。
派遣労働者から求めがない場合における対応
派遣労働者から求めがない場合でも、以下の事項等に変更があったときには、派遣元事業主は派遣労働者に対し、その内容を情報提供することが望ましいとされています。
・ 比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由
・ 派遣先均等・均衡方式又は労使協定方式により派遣労働者の待遇を決定するに当たって考慮した事項
・ 均衡待遇の対象となる派遣労働者の賃金を決定するにあたって考慮した派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項
派遣労働者の同一労働同一賃金⑫派遣時の説明 [ 2019.10.28 ]
労働条件に関する事項の明示
派遣元事業主は、派遣労働者の派遣時、あらかじめ、労働条件に関する次の事項を明示しなければなりません。
① 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金を除く。)の決定等に関する事項
② 休暇に関する事項
③ 昇給の有無
④ 退職手当の有無
⑤ 賞与の有無
⑥ 労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か(対象である場合には、労使協定の有効期間の終期)
※ 【労使協定方式】の場合は、上記⑥のみ明示することが必要です。
派遣時の明示は、次のいずれかの方法により行わなければなりません。
・ 文書(書面)の交付
・ 派遣労働者がファクシミリ又は電子メール等の送信を希望した場合の当該方法
ただし、労働者派遣の実施について緊急の必要があるためあらかじめ上記の方法による明示ができないときは、当該方法以外の方法によることができます。
この場合において、
・ 派遣労働者から請求があったとき 又は
・ 労働者派遣の期間が1週間を超えるときは、労働者派遣の開始後遅滞なく、上記の方法により明示しなければなりません。
不合理な待遇差を解消するために講ずる措置の説明
派遣元事業主は、派遣時に、あらかじめ、次の事項を説明しなければなりません。
・ 派遣先均等・均衡方式によりどのような措置を講ずるか、
・ 労使協定方式によりどのような措置を講ずるか(業務の遂行に必要な能力を付与するために実施する教育訓練と給食施設、休憩室及び 更衣室に係るものに限る。)、
・ 職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案してどのように賃金(※)決定するか
(※)職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金(例えば、通勤手当、家族手当、 住宅手当、別居手当、子女教育手当)を除く。
上記事項の説明は、書面の活用その他の適切な方法により行わなければなりません。
派遣労働者の同一労働同一賃金⑪雇入れ時の説明 [ 2019.10.25 ]
労働条件に関する事項の明示
派遣元事業主は、派遣労働者の雇入れ時、あらかじめ、労働条件に関する次の事項を 明示しなければなりません。 ※ あわせて、労働基準法第15条に基づく労働条件の明示も必要です。
① 昇給の有無
② 退職手当の有無
③ 賞与の有無
④ 労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か(対象である場合には、労使協定の有効期間の終期
⑤ 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
派遣元事業主は、雇入れ時に明示しなければならない上記の事項を事実と異なるものとしてはいけません。また、明示は次のいずれかの方法で行わなければなりません。
・ 文書(書面)の交付
・ 派遣労働者がファクシミリ又は電子メール等の送信を希望した場合の当該方法
不合理な待遇差を解消するために講ずる措置の説明
派遣元事業主は、派遣労働者の雇入れ時、あらかじめ、次の事項を説明しなければなりません。
・ 派遣先均等・均衡方式によりどのような措置を講ずるか、
・ 労使協定方式によりどのような措置を講ずるか、
・ 職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案してどのように賃金(※)決定するか
(※)職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金(例えば、通勤手当、家族手当、住宅手当、別居手当、子女教育手当)を除く。
上記事項の説明は、書面の活用その他の適切な方法により行わなければなりません。
派遣労働者の同一労働同一賃金⑩派遣先が講ずべき措置 [ 2019.10.24 ]
派遣料金の交渉における配慮
派遣先は、派遣料金について、「派遣先均等・均衡方式」又は「労使協定方式」による待遇改善が行われるよう配慮しなければなりません。
この配慮は、労働者派遣契約の締結又は更新の時だけではなく、締結又は更新がされた後にも求められるものです。
教育訓練
派遣先は、派遣先の労働者に対して業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練を実施する場合に、派遣元事業主から求めがあったときは、派遣元事業主が実施可能な場合等を除き、派遣労働者に対してもこれを実施する等必要な措置を講じなければなりません。
福利厚生
派遣先は、派遣先が設置・運営し、派遣先の労働者が通常利用している物品販売所、病院、診療所、浴場、理髪室、保育所、図書館、講堂、娯楽室、運動場、体育館、保養 施設等の施設の利用に関する便宜の供与の措置を講ずるよう配慮しなければなりません。
情報提供
派遣先は、段階的・体系的な教育訓練、派遣先均等・均衡方式又は労使協定方式によ る待遇決定及び派遣労働者に対する待遇に関する事項等の説明が適切に講じられるよう にするため、派遣元事業主の求めがあったときは、派遣先に雇用される労働者に関する 情報、派遣労働者の業務の遂行の状況その他の情報であって必要なものを提供する等必 要な協力をするよう配慮しなければなりません。
派遣先管理台帳の記載事項
受け入れる派遣労働者ごとに派遣先管理台帳に記載すべき事項に、次の内容が追加さ れます。
・ 協定対象派遣労働者であるか否かの別
・ 派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度
派遣労働者の同一労働同一賃金⑨派遣元事業主が講ずべき措置 [ 2019.10.23 ]
就業規則の作成手続
派遣元事業主は、派遣労働者に係る事項について、就業規則を作成又は変更しようとするときは、あらかじめ、事業所において雇用する派遣労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めなければなりません。
派遣先への通知内容
派遣元事業主が労働者派遣をするときに、派遣先に通知する事項に、次の内容が追加されます。
・ 協定対象派遣労働者であるか否かの別
派遣元管理台帳の記載事項
雇用する派遣労働者ごとに派遣元管理台帳に記載すべき事項に、次の内容が追加されます。
・ 協定対象派遣労働者であるか否かの別
・ 派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度
派遣労働者の同一労働同一賃金⑧派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置 [ 2019.10.21 ]
労働者派遣契約の記載事項
派遣元事業主と派遣先の間で締結する労働者派遣契約に記載する事項に、次の内容が追加されます。
① 派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度
② 労使協定方式の対象となる派遣労働者に限るか否か
※これに伴い、派遣元事業主による就業条件等の明示事項についても、上記①の事項が追加されます。
派遣労働者の同一労働同一賃金⑦労使協定方式の場合の必要事項 [ 2019.10.18 ]
過半数代表者の選出等
過半数代表者は、次の①と②のいずれにも該当する者(①に該当する者がいないときは②に該当する者)となります。 適切な手続きを経て選出された過半数代表者と締結された労使協定でなければ、【労使協定方式】は適用されず、【派遣先均等・均衡方式】が適用されます。
① 労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でないこと
② 労使協定を締結する者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の民主的な方法による手続により選出された者であって、派遣元事業主の意向に基づき選出されたものでないこと
派遣元事業主は、「過半数代表者であること」、「過半数代表者になろうとしたこと」及び「過半数代表者として正当な行為をしたこと」を理由として、過半数代表者等に対して不利益な取扱いをしてはいけません。
また、派遣元事業主は、過半数代表者が協定に関する事務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行わなければなりません。
労使協定に関する書面の保存
派遣元事業主は、労使協定に係る書面を、その有効期間が終了した日から3年を経過する日まで保存しなければなりません。
労使協定の内容の周知
派遣元事業主は、労使協定を締結したときは、次の①~③のいずれかの方法により、その内容を雇用する労働者に周知しなければなりません。
① 書面の交付等(書面の交付、労働者が希望した場合のファクシミリ・電子メール等(※1))
(※1)「電子メール等」は出力することにより書面を作成することができるものに限られます。
② 電子計算機に備えられたファイル、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、労働者が当該記録の内容を常時確認できるようにすること(※2)
(※2)例えば、派遣労働者にログイン・パスワードを発行し、イントラネット等で常時確認できる方法が考えられます。
③ 常時派遣元事業主の各事業所の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること
(協定の概要について、書面の交付等によりあわせて周知する場合に限る。)
労使協定に定める事項
労使協定の締結にあたっては、下の①~⑥のすべての事項を定める必要があります。
① 労使協定の対象となる派遣労働者の範囲
客観的な基準により範囲を定めることが必要です。
「賃金水準が高い企業に派遣する労働者」とすることは適当ではありません。
② 賃金の決定方法(次のア及びイに該当するものに限る。)
ア 派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額と同等以上の賃金額となるもの
イ 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等の向上があった場合に賃金が改善されるもの
※ イについては、職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金(例えば、通勤手当、家族手当、住宅手当、別居手当、子女教育手当)を除く。
③ 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等を公正に評価して賃金を決定すること
④ 「労使協定の対象とならない待遇(法第40条第2項の教育訓練及び法第40条第3項の福利厚生施設)及び賃金」を除く待遇の決定方法(派遣元事業主に雇用される通常の労働者(派遣労働者を除く。)との間で不合理な相違がないものに限る。)
⑤ 派遣労働者に対して段階的・計画的な教育訓練を実施すること
⑥ その他の事項
・ 有効期間(2年以内が望ましい)
・ 労使協定の対象となる派遣労働者の範囲を派遣労働者の一部に限定する場合は、その理由
・ 特段の事情がない限り、一の労働契約の期間中に派遣先の変更を理由として、協定の対象となる派遣労働者であるか否かを変えようとしないこと
上記②~⑤として労使協定に定めた事項を遵守していない場合は、【労使協定方式】は適用されず、【派遣先均等・均衡方式】となります。
行政機関への報告
労使協定を締結した派遣元事業主は、毎年度、6月30日までに提出する事業報告書に労使協定を添付しなければなりません。また、労使協定方式の対象となる派遣労働者の職種ごとの人数、職種ごとの賃金額の平均額を報告しなければなりません。
協定対象派遣労働者に対する安全管理
安全管理に関する措置及び給付のうち、協定対象派遣労働者の職務の内容に密接に関連するものについては、派遣先に雇用される通常の労働者との間で不合理と認められる相違等が生じないようにすることが望ましいこととされています。
派遣労働者の同一労働同一賃金⑥派遣先から派遣元への 比較対象労働者の待遇情報の提供 [ 2019.10.17 ]
待遇決定方式が【派遣先均等・均衡方式】【労使協定方式】のいずれの場合も、派遣先は、労働者派遣契約を締結するに当たり、あらかじめ、派遣元事業主に対し、派遣労働者が従事する業務ごとに、比較対象労働者の賃金等の待遇に関する情報を提供しなければなりません。 派遣元事業主は、派遣先から情報提供がないときは、派遣先との間で労働者派遣契約を締結してはいけません。
比較対象労働者とは
派遣先が次の①~⑥の優先順位により「比較対象労働者」を選定します。
① 「職務の内容」と「職務の内容及び配置の変更の範囲」が同じ通常の労働者
② 「職務の内容」が同じ通常の労働者
③ 「業務の内容」又は「責任の程度」が同じ通常の労働者
④ 「職務の内容及び配置の変更の範囲」が同じ通常の労働者
⑤ ①~④に相当するパート・有期雇用労働者(短時間・有期雇用労働法等に基づき、派遣先の通常の労働者との間で均衡待遇が確保されていることが必要)
⑥ 派遣労働者と同一の職務に従事させるために新たに通常の労働者を雇い入れたと仮定した場合における当該労働者
提供する「待遇に関する情報」とは
【派遣先均等・均衡方式】の場合
派遣先は、次の①~⑤の情報を提供します。
① 比較対象労働者の職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲並びに雇用形態
② 比較対象労働者を選定した理由
③ 比較対象労働者の待遇のそれぞれの内容(昇給、賞与その他の主な待遇がない場合には、その旨を含む。)
④ 比較対象労働者の待遇のそれぞれの性質及び当該待遇を行う目的
⑤ 比較対象労働者の待遇のそれぞれを決定するに当たって考慮した事項
【労使協定方式】の場合
派遣先は、次の①・②の情報を提供します。
① 派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者に対して、業務の遂行に必要な能力を付与するために実施する教育訓練(法第40条第2項の教育訓練)
② 給食施設、休憩室、更衣室(法第40条第3項の福利厚生施設)
待遇情報の提供方法と保存
・ 情報提供は、書面の交付等(書面の交付、ファクシミリ、電子メール等)により行わなければなりません。
・ 派遣元事業主は書面等を、派遣先は当該書面等の写しを、労働者派遣が終了した日から3年を経過する日まで保存しなければなりません。
待遇情報の取扱いに関する留意点
派遣先から派遣元事業主に提供された情報の取扱いについては、次の事項に留意する必要があります。
① 当該情報のうち個人情報に該当するものの保管及び使用
→ 派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇の確保等の目的の範囲に限られること。
② 当該情報のうち個人情報に該当しないものの保管及び使用
→ 派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇の確保等の目的の範囲に限定する等適切な対応が必要であること。
③ 当該情報は、法第24条の4の秘密を守る義務の対象となること
<比較対象労働者の待遇情報が変更された場合>
派遣先は、比較対象労働者の待遇に関する情報に変更があった場合には、遅滞なく、派遣元事業主に対して、変更の内容に関する情報を提供しなければなりません。 情報提供に関する手続や待遇情報の取扱いは、変更時も同様です。ただし、次の場合には、変更があった場合でも、情報提供が不要です。
① 派遣されている派遣労働者が労使協定方式の対象者のみである場合
※ 「派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者に対して、業務の遂行に必要な能力を付与するために実施する教育訓練(法第40条第2項の教育訓練)」と「給食施設、休憩室、更衣室(法第40条第3項の福利厚生施設)」の情報提供は必要です。
※ なお、後に派遣先均等・均衡方式の対象者が含まれることとなったときは、遅滞なく情報提供することが必要です。
② 労働者派遣契約が終了する日前1週間以内の変更であって、変更を踏まえて派遣労働者の待遇を変更しなくても、派遣先均等・均衡方式の規定に違反しないものであり、かつ、労働者派遣契約で定めた変更の範囲を超えない場合
派遣労働者の同一労働同一賃金⑤派遣元から関係者への待遇決定方式の情報提供 [ 2019.10.16 ]
派遣元から関係者へ、情報提供しなければならない事項
派遣元事業主は、派遣労働者の数、派遣先の数、いわゆるマージン率、教育訓練に関する事項等に加えて、次の事項に関し、関係者(派遣労働者、派遣先等)に情報提供しなければなりません。
① 労使協定を締結しているか否か
② 労使協定を締結している場合には、
・労使協定の対象となる派遣労働者の範囲
・労使協定の有効期間の終期
①及び②の事項に関する情報提供に当たっては、常時インターネットの利用により広く関係者とりわけ派遣労働者に必要な情報を提供することが原則です。
派遣労働者の同一労働同一賃金④待遇を決定する際の規定の整備 [ 2019.10.15 ]
不合理な待遇差を解消するため、【派遣先均等・均衡方式】【労使協定方式】のいずれかの方式により、派遣労働者の待遇を確保することが義務化されます。
【派遣先均等・均衡方式】派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇
「均等待遇」の内容:
① 職務内容(※1) 、②職務内容・配置の変更範囲が同じ場合には差別的取扱いを禁止
「均衡待遇」の内容:
① 職務内容(※1)、②職務内容・配置の変更範囲、③その他 の事情の相違を考慮して不合理な待遇差を禁止
※1職務内容とは、「業務の内容」+「責任の程度」をいいます。
★ 職務の内容等を勘案した賃金の決定 <努力義務>
派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者(無期雇用フルタイム)との均衡を考慮しつつ、その雇用する派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案して賃金(※2)決定するように努めなければなりません。
(※2)職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金(例えば、通勤手当、家族手当、住宅手当、 別居手当、子女教育手当)を除く。
【労使協定方式】一定の要件を満たす労使協定による待遇
過半数労働組合又は過半数代表者(過半数労働組合がない場合に限ります)と派遣元事業主との間で一定の事項を定めた労使協定を書面で締結し、労使協定で定めた事項を遵守しているときは、一部の待遇を除き(※)、この労使協定に基づき待遇が決定されることとなります。 ただし、労使協定が適切な内容で定められていない場合や労使協定で定めた事項を遵守していない場合には、【労使協定方式】は適用されず、【派遣先均等・均衡方式】が適用されます。
(※)次の①及び②の待遇については、労使協定方式による場合であっても、労使協定の対象とはならないため、派遣元事業主は、派遣先の通常の労働者との均等・均衡を確保する必要があります。
① 派遣先が、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者に対して、業務の遂行に必要な能力を付与するために実施する教育訓練(法第40条第2項の教育訓練)
② 派遣先が、派遣先の労働者に対して利用の機会を与える給食施設、休憩室及び更衣室(法第40条第3項の福利厚生施設
派遣労働者の同一労働同一賃金③派遣労働者の待遇改善までの流れ [ 2019.10.11 ]
【労使協定方式】の場合(過半数代表者の選出<過半数労働組合がない場合> 投票、挙手等の民主的な方法により選出 (派遣元))
通知で示された最新の統計を確認
労使協定の締結(派遣元)(※)労使協定における賃金の定めを就 業規則等に記載
労使協定の周知等(派遣元)
1)労働者に対する周知
2)行政への報告
↓
比較対象労働者の待遇情報の提供 (派遣先) (※)教育訓練及び福利厚生施設に限る
↓
派遣料金の交渉(派遣先は派遣料金に関して配慮)
↓
労働者派遣契約の締結(派遣元及び派遣先)
↓
派遣労働者に対する説明(派遣元)
- 雇入れ時 ・ 待遇情報の明示・説明
- 派遣時 ・ 待遇情報の明示・説明 ・就業条件の明示
(注)同種の業務に従事する一般労働者の平均賃金に 変更があったときは、派遣元は、協定改定の必要性を確認し、必要に応じて、上記の流れに沿って対応します。
派遣労働者の同一労働同一賃金②派遣労働者の待遇改善までの流れ [ 2019.10.10 ]
【派遣先均等・均衡方式】の場合
比較対象労働者の待遇情報の提供(派遣先)
↓
派遣労働者の待遇の検討・決定(派遣元)
↓
派遣料金の交渉(派遣先は派遣料金に関して配慮)
↓
労働者派遣契約の締結(派遣元及び派遣先)
↓
派遣労働者に対する説明(派遣元)
- 雇入れ時 ・ 待遇情報の明示・説明
- 派遣時 ・ 待遇情報の明示・説明 ・就業条件の明示
派遣労働者に対する比較対象労働者との待遇 の相違等の説明(派遣元)
派遣労働者の同一労働同一賃金①基本的な考え方 [ 2019.10.09 ]
派遣労働者の就業場所である派遣先において、待遇に関する派遣労働者の納得感を考慮するため、
派遣先の労働者との均等(=差別的な取扱いをしないこと)、
派遣先の労働者ろの均衡(=不合理な待遇差を禁止すること)が、重要な観点となります。
しかし、派遣先が変わるごとに賃金水準が変わり、派遣労働者の所得が不安定になることが想定され、また、一般に賃金水準は大企業であるほど高く、小規模の企業であるほど低い傾向にあります。
派遣労働者が担う職務の難易度は、同種の業務であっても、大企業ほど高度で小規模の企業ほど容易とは必ずしも言えないため、結果として、派遣労働者個人の段階的・体系的なキャリアアップ支援と不整合な事態を招くこともあり得ます。
こうした状況を踏まえ、改正により、派遣労働者の待遇について、派遣元事業主には、以下のいずれかを確保することが義務化されます。
【派遣先均等・均衡方式】派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇
【労使協定方式】一定の要件を満たす労使協定による待遇
各事業主において、以下の2点を徹底することが必要となります。
① 職務の内容(業務の内容+責任の程度)や職務に必要な能力等の内容を明確化。
② ①と賃金等の待遇との関係を含めた待遇の体系全体を、派遣労働者を含む労使の話合いによって確認し、派遣労働者を含む労使で共有。
派遣先管理台帳の作成、記録、保存および記載事項の通知とは? [ 2019.10.08 ]
派遣先は、派遣就業に関し、派遣先管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに、次に掲げる事項を記載しなければなりません。
① 派遣労働者の氏名
② 派遣元事業主の氏名又は名称
③ 派遣元事業主の事業所の名称
④ 派遣元事業主の事業所の所在地
⑤ 無期雇用派遣労働者か有期雇用派遣労働者かの別
⑥ 派遣就業をした日
⑦ 派遣就業をした日ごとの始業し、及び終業した時刻並びに休憩した時間
⑧ 従事した業務の種類
⑨ 派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事した事業所の名称及び所在地その他派遣就業をした場所並びに組織単位
⑩ 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
⑪ 紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項
⑫ 教育訓練を行った日時及び内容
⑬ 派遣先責任者及び派遣元責任者に関する事項
⑭ 期間制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項
⑮ 派遣元事業主から通知を受けた派遣労働者に係る健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無(「無」の場合は、その具体的な理由を付すこと。)
また派遣先は、派遣先管理台帳を3年間保存しなければなりません。
派遣先責任者の選任とは? [ 2019.10.07 ]
派遣先は、労働者派遣された派遣労働者に関する就業の管理を一元的に行う「派遣先責任者」を選任し、派遣労働者の適正な就業を確保しなければなりません。
派遣労働者の数について1人以上100人以下を1単位とし、1単位につき1人以上ずつ選任しなければなりません。
事業所等における派遣労働者の数と当該派遣先が雇用する労働者の数を加えた数が5人以下のときについては選任することは要しません。
派遣先は、派遣先責任者の選任に当たっては、労働関係法令に関する知識を有する者であること、人事・労務管理等について専門的な知識又は相当期間の経験を有する者であること、派遣労働者の就業に係る事項に関する一定の決定、変更を行い得る権限を有する者であること等派遣先責任者の職務を的確に遂行することができる者を選任するように努めなければなりません。
離職した労働者についての労働者派遣の役務の提供の受入れの禁止とは? [ 2019.10.04 ]
派遣先は、労働者派遣の役務の提供を受けようとする場合において、当該労働者派遣に係る派遣労働者が当該派遣先を離職した者であるときは、当該離職の日から起算して1年を経過する日までの間は、当該派遣労働者(60 歳以上の定年退職者を除く。)に係る労働者派遣の役務の提供を受け入れてはなりません。
派遣先は、当該労働者派遣の役務の提供を受け、上記に抵触することとなるときは、速やかに、その旨を当該労働者派遣をしようとする派遣元事業主に通知しなければなりません。
派遣先での常用労働者(いわゆる「正社員」)化の推進とは? [ 2019.10.03 ]
派遣先は、当該派遣先の事業所等において1年以上就業している派遣労働者について、当該事業所その他派遣就業の場所において労働に従事する通常の労働者の募集を行うときは、当該募集に係る事業所等に掲示することその他の措置を講ずることにより、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該派遣労働者に周知しなければなりません。
これは、派遣労働者の中には、いわゆる正社員での直接雇用を希望しつつも、やむを得ず派遣就労に従事している者も存在していることから、これらの者について正社員として雇用される可能性の機会をできるだけ提供しようとするものです。
派遣労働者の雇用の努力義務とは? [ 2019.10.02 ]
派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について派遣元事業主から継続して1年以上派遣受入期間以内の期間労働者派遣の役務の提供を受けた場合において、引き続き当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該労働者派遣の役務の提供を受けた期間が経過した日以後労働者を雇い入れようとするときは、当該同一の業務に派遣実施期間継続して従事した派遣労働者を遅滞なく雇い入れるよう努めなければなりません。
これは、派遣先における常用雇用労働者の派遣労働者による代替の防止を確保するとともに、常用雇用を 希望する派遣労働者の常用雇用への移行を促進するためのものです。
派遣労働者個人単位の派遣可能期間制限の適切な運用とは? [ 2019.10.01 ]
派遣労働者が当該派遣先事業所において、同一の組織単位で働くことができる期間の上限は3年です。
ここでいう「組織単位」とは、「名称のいかんを問わず、業務の関連性に基づいて派遣先が設定した労働者の配置の区分であって、配置された労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者が当該労働者の業務の配分及び当該業務に係る労務管理に関して直接の権限を有する者」とされています。
なお、「派遣労働者個人単位の派遣可能期間制限」は「事業所単位の派遣可能期間制限」にある延長期間はありません。
派遣先の事業所単位の派遣可能期間制限の適切な運用とは? [ 2019.09.30 ]
派遣先の正社員と派遣労働者との代替を防止するために、派遣先の同一の事業所に、有期派遣労働者を派遣する期間は、原則3年とされています。
これは、正社員よりも派遣社員で業務を賄ったほうが人件費削減や雇用調整がしやすくなり、正社員の職域が害される恐れがあるためです。
原則3年の制限期間となりますが、正社員の過半数で組織される労働組合や過半数代表者の意見聴取を行えば、期間を3年延長することができます。その後も同様に延長することができます。
なお、この3年というのは、事業所単位ですので、派遣労働者が他の派遣労働者と交替したり、別の派遣会社に移行したとしても、制限期間は継続されます。
派遣先による均衡待遇の確保とは? [ 2019.09.27 ]
派遣労働者と派遣先の労働者との均衡待遇を推進し、派遣労働者の処遇改善を図るのは一義的には雇用主たる派遣元事業主となりますが、実際は派遣先による対応がないと処遇の改善が進まないため、派遣先においても、以下の項目に関し、必要な措置を講じるものとしています。
1.教育訓練・能力開発
派遣先は、派遣先の労働者に対して業務の遂行に必要な能力を付すための教育訓練を行っている場合は、これらの者と同種の業務に従事する派遣労働者に対しても、当該派遣労働者を雇用する派遣元事業主からの求めに応じ、当該派遣労働者が既に当該業務に必要な能力を有している場合や派遣元で同様の訓練を実施することが可能である場合を除き、当該訓練を実施するよう配慮しなければなりません。
2.福利厚生施設
派遣先は、当該派遣先に雇用される労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設のうち、給食施設、休憩室、更衣室については、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対しても、利用の機会を与えるよう配慮しなければなりません。
3.賃金
派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の賃金の決定に当たって、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又は当該派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力若しくは経験等を勘案し、当該派遣労働者の賃金を決定するよう配慮しなければなりません。
4.派遣労働者の職務状況等について提供する努力義務
派遣先は、派遣元事業主において段階的かつ体系的な教育訓練やキャリアコンサルティング、賃金等に係る均衡待遇の確保のための措置が適切に講じられるようにするため、派遣元事業主の求めに応じ、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者の情報や、派遣先の指揮命令の下に労働させる派遣労働者の業務の遂行の状況等の情報を派遣元事業主に提供する等必要な協力をするように努めなければなりません。
適正な派遣就業確保等のための措置とは? [ 2019.09.26 ]
派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者から当該派遣就業に関し、苦情の申出を受けたときは、当該苦情の内容を当該派遣元事業主に通知するとともに、当該派遣元事業主との密接な連携の下に、誠意をもって、遅滞なく、当該苦情の適切かつ迅速な処理を図らなければなりません。
苦情の申出とは、例えば、指揮命令の方法の改善、セクシャルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメント、育児休業・介護休業等に関するハラスメント、パワーハラスメント、障害者である派遣労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情に関するもの等です。
労働者派遣契約に関する措置とは? [ 2019.09.25 ]
派遣先は、労働者派遣契約の定めに反することのないように適切な措置を講じなければなりません。
その内容は以下の通りです。
派遣先の講ずべき措置とは? [ 2019.09.24 ]
派遣元事業主だけでなく、派遣先も、派遣労働者に対して、以下の措置を講じなければなりません。
- 労働者派遣契約に関する措置
- 適正な派遣就業確保等のための措置
- 派遣先による均衡待遇の確保
- 派遣先の事業所単位の派遣可能期間制限の適切な運用
- 派遣労働者個人単位の派遣可能期間制限の適切な運用
- 派遣労働者の雇用の努力義務
- 派遣先での常用労働者(いわゆる「正社員」)化の推進
- 離職した労働者についての労働者派遣の役務の提供の受入れの禁止
- 派遣先責任者の選任
- 派遣先管理台帳の作成、記録、保存および記載事項の通知
派遣元管理台帳の作成・記載・保管とは? [ 2019.09.20 ]
派遣元事業主は、派遣元管理台帳を作成し、次に掲げる事項を記載し、派遣終了日から3年間保存しなければなりません。
・派遣労働者の氏名
・無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別(有期雇用派遣労働者である場合は労働契約期間)
・派遣先の氏名又は名称
・事業所の所在地その他派遣就業の場所及び組織単位
・労働派遣期間及び派遣就業日
・始業及び終業時刻
・従事する業務の種類
・苦情処理に関する事項
・紹介予定派遣に関する事項
・派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項
・所定就業日又は所定時間以上に就業させる場合は、その日数又は延長時間数
・期間制限のない労働者派遣に関する事項
・派遣労働者の健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の取得届の提出の有無
・段階的かつ体系的な教育訓練を行った日時とその内容
・キャリア・コンサルティングを行った日時とその内容
・雇用安定措置の内容
派遣元責任者の選任とは? [ 2019.09.19 ]
派遣元事業主は、事業所ごとに、専属の派遣元責任者を、派遣労働者100人以下を1単位として、1単位につき1人以上を選任する必要があります。(物の製造業においては専門の製造業務専門派遣元責任者を選任する必要があります)
派遣元責任者は、過去3年以内に派遣元責任者講習を修了していることが必要です(欠格事由に該当していない)。
派遣元責任者の業務は以下のとおり定められています。
・派遣労働者であることの明示
・就業条件等の明示
・派遣先への通知
・派遣元管理台帳の作成
・助言指導
・苦情処理
・個人情報の管理
・教育訓練の実施及び職業生活の設計に関する相談の機会の確保
・安全衛生及びこれらに関する業務の統括管理者及び派遣先との連絡調整
派遣先への通知とは? [ 2019.09.18 ]
派遣元事業主は、派遣先に対し、以下の事項を通知しなければなりません。
・当該派遣労働者の氏名
・当該派遣労働者が、無期雇用派遣労働者であるか、有期雇用派遣労働者であるかの別
・当該派遣労働者が45歳以上である場合はその旨、60歳以上である場合はその旨、18歳未満である場合はその年齢
・当該派遣労働者が、健康保険・厚生年金保険、雇用保険のに加入しているかの有無
また、派遣元事業主は、派遣先に対し、健康保険・厚生年金保険・雇用保険に加入済みであることが分かる資料(健康保険証や資格取得確認通知書等)を、提示する必要があります。
労働者派遣に関する料金の額の明示とは? [ 2019.09.17 ]
派遣元事業主は、派遣労働者の雇い入れ時・派遣開始時・派遣料金の額の変更時に、当該派遣労働者または当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、当該労働者派遣料金の額を明示しなければなりません。
明示する派遣料金の額は、
「当該労働者に係る労働者派遣に関する料金の額」または、
「当該労働者に係る労働者派遣を行う事業所における労働者派遣に関する料金の額の平均額」とされています。
明示方法は、書類の交付・FAX送信・電子メール送信によって行うこととしています。
派遣労働者への就業条件の明示とは? [ 2019.09.13 ]
派遣元事業主は、派遣労働者に対し、予め、就業条件等を明示しなければなりません。
明示事項は以下の通りです。
①派遣労働者が従事する業務の内容
②派遣先事業所の名称・所在地・その他派遣就業の場所および組織単位
③派遣先の指揮命令者に関する事項
④労働者派遣期間および派遣就業日
⑤就業の開始および終了時刻ならびに休憩時間
⑥安全および衛生に関する事項
⑦苦情処理に関する事項
⑧派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
⑨紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項
⑩派遣労働者個人単位の期間制限抵触日
⑪派遣先の事業所単位の期間制限抵触日
⑫派遣元責任者および派遣先責任者に関する事項
⑬就業時間外労働の有無、範囲
⑭健康保険、厚生年金保険および雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無
⑮派遣労働者の福祉の増進のための便宜の供与に関する事項
⑯期間制限のない労働者派遣に関する事項
⑰派遣先が派遣労働者を雇用する場合の紛争防止措置
⑱派遣先の事業所単位の期間制限または派遣労働者個人単位の期間制限に反して労働者派遣の役務の提供を受けた場合の、労働契約申込みみなし制度の対象となる旨
また、就業条件の明示は書面交付とされ、派遣労働者が希望した場合はFAX送信、電子メール送信でもOKとされています。
派遣労働者に係る雇用制限の禁止とは? [ 2019.09.12 ]
派遣元事業主は、派遣労働者との間で、雇用契約終了後、派遣先に雇用されることを禁ずる旨の契約をしてはいけません。
また、派遣元事業主は、派遣先との間で、雇用契約終了後、派遣先に雇用することを禁ずる旨の契約もしてはいけません。
これは派遣労働者の職業選択の自由を侵害することになるからです。
派遣労働者であることの明示とは? [ 2019.09.11 ]
派遣元事業主は、派遣労働者を雇い入れる際に、派遣労働者である旨(紹介予定派遣の場合は、その旨)を明示しなければなりません。
また、派遣労働者以外で雇用した労働者を派遣労働者とする場合は、予め当該労働者にその旨(紹介予定派遣の場合は、その旨)を明示するとともに、その同意を得る必要があります。
派遣労働者への待遇に関する事項等の説明とは? [ 2019.09.10 ]
派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対して、
賃金額の見込み、
健康保険、厚生年金保険、雇用保険の各労働・社会保険の被保険者となることに関する事項、
その他の当該労働者の待遇に関する事項、その他の労咳労働者の待遇に関する事項、
について説明をしなければなりません。
賃金額の見込みの説明については、書面交付もしくはFAX送信または電子メールの送信でのみ行うこととされています。
それ以外の待遇に関する説明については、上記の3つ以外にも、口頭やインターネットも認められています。
また、派遣元事業主は、派遣労働者から求めがあったときは、賃金の決定等について、均衡を考慮した事項について当該派遣労働者に説明しなければなりません。
適正な派遣就業の確保とは? [ 2019.09.09 ]
派遣元事業主は、派遣先が、労働者派遣法等に違反していないか適切な配慮が求めらます。
派遣先が労働者派遣法労に違反した場合は、直ちに労働者派遣を停止、またはる同社派遣契約を解除することができます。
上記の停止・解除ができる具体的な事由は、以下の法違反をした場合です。
①派遣先の講ずべき措置の規定
②派遣先が特殊健康診断またはじん肺健康診断を実施した場合の派遣元事業主等への結果記録送付義務 他
これらの規定違反により停止・解除した場合は、派遣元事業主は派遣先から債務不履行による損害賠償の責めを負うことはないとされています。
また、派遣元指針において、派遣元事業主は派遣先との連絡体制を確立し、派遣先の定期的な巡回を行うことを定めています。
派遣労働者等の福祉の増進のための措置とは? [ 2019.09.06 ]
派遣元事業主は、派遣労働者(派遣登録者含む)について、各派遣労働者の希望、適性、能力及び経験を勘案して、最も適した就業の機会を確保するよう努めなければなりません。
ここで言う就業の機会には、派遣労働者以外の労働者としての就業の機会も含まれます。
また、派遣労働者の希望とは、就業する期間、日、就業時間や就業場所、就業環境等のことをいい、派遣労働者の希望に沿った就業となるよう努めなければいけません。
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