派遣ニュース

2019年1月

【派遣法を読み解く】第30条の5 職務の内容等を勘案した賃金の決定   [ 2021.01.26 ]

派遣元事業主は、
派遣先の通常の労働者との均衡を考慮しつつ、
派遣労働者(協定対象派遣労働者を除く)の
職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案して、
賃金(通勤手当等を除く)を決定する努力義務を規定しています。

【派遣法を読み解く】第30条の4 不合理な待遇の禁止等   [ 2021.01.25 ]

派遣労働者の同一労働同一賃金については、
過半数労働組合た過半数労働者代表との書面の協定により、
・賃金の決定方法
・賃金の決定に対する評価方法
・派遣元事業主に雇用される通常労働者との待遇
・派遣元事業主における教育訓練
を定めた場合は、
派遣先で雇用される通常の労働者との待遇の不合理の比較を適用しなくてもよいとされています。

ただし、派遣先における教育訓練・福利厚生施設の利用は除くものとし、
上記の内容の労使協定を遵守しない場合や公正な評価をしない場合は、
労使協定方式は適用されなくなる旨が記載されています。

また第2項において、
この労使協定を派遣元で雇用する労働者に周知しなければならない、
とされています。

【派遣法を読み解く】第30条の3 不合理な待遇の禁止等   [ 2021.01.22 ]

派遣労働者の同一労働同一賃金についての条文です。

派遣先の通常の労働者と派遣労働者が、
基本給、賞与その他の待遇において、
職務の内容や配置の変更の範囲その他の事情を状況を考慮して、
不合理な待遇差があってはならない、
としています。

【派遣法を読み解く】第30条の2 段階的かつ体系的な教育訓練等   [ 2021.01.15 ]

派遣元事業主は、
派遣労働者に、
段階的かつ体系的に、
派遣就業に必要な技能及び知識を習得することができるような教育を、
実施しなければなりません。

また、
無期雇用派遣労働者(期間を定めないで雇用される派遣労働者)には、
その職業生活の全期間を通じて、
その有する能力を有効に発揮できるように配慮しなければなりません。

派遣元においては、
教育訓練計画の作成や実施状況について、
許可・更新時には、教育訓練計画の提出、
毎年の事業報告においてはその実施状況が求められます。

また、
派遣元事業主は、
派遣労働者の求めに応じて、
職業生活の設計に関し、
相談の機会の確保その他の援助行わなければなりません。

【派遣法を読み解く】第30条 特定有期雇用派遣労働者の雇用の安定等   [ 2021.01.14 ]

派遣元事業主は、
特定有期雇用派遣労働者(有期雇用かつ派遣先の同一の組織単位の業務を継続して1年以上派遣就労する見込みがある者)等に対して、
次の雇用安定措置を講ずるよう努力義務を課しています。

①派遣先に対し、
特定有期雇用派遣労働者に対して、
労働契約の申込みをすることを求めること

②派遣労働者として就業することができるように、
就業の機会を確保するとともに、
その機会を特定雇用派遣労働者等に提供すること

③派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように雇用の機会を確保するとともに、
その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること

④特定有期雇用派遣労働者等を対象とした教育訓練であって
雇用の安定に特に資すると認められるものを
雇用安定措置として講じること

派遣先の同一の組織単位の業務を継続して3年以上派遣就労する見込みがある特定有期雇用派遣労働者については、
①~④の努力義務が義務となります。

【派遣法を読み解く】第29条の2 労働者派遣契約の解除に当たって講ずべき措置   [ 2021.01.13 ]

派遣先側から労働者派遣契約を解除した場合は、
その派遣労働者の新たな就業機会の確保、
派遣元がその派遣労働者に対する休業手当の支払いに要する費用を確保するための当該費用の負担、
その他の当該派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずることを、
派遣先に求めています。

【派遣法を読み解く】第29条 契約の解除等   [ 2021.01.12 ]

労働者派遣契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生じます。

【派遣法を読み解く】第28条 契約の解除等   [ 2021.01.11 ]

労働者派遣をする事業主は、
当該労働者派遣の役務の提供を受ける者が、
派遣就業において、
労働者派遣法等に違反した場合は、
当該労働者派遣を停止し、又は当該労働者派遣契約を解除することができます。

【派遣法を読み解く】第27条 契約の解除等   [ 2021.01.08 ]

労働者派遣の役務の提供を受ける者は、
以下の派遣労働者の理由で労働者派遣契約を解除してはならないとしています、

・国籍
・信条
・性別
・社会的身分
・派遣労働者が労働組合の正当な行為をしたこと等

【派遣法を読み解く】第26条 契約の内容等⑤   [ 2021.01.07 ]

第9項では、
派遣先が比較対象労働者の情報を提供しないときは、派遣元はその労働者派遣契約を締結してはならないこと

第10項では、
派遣先が、比較対象労働者の情報に変更があったときは、遅滞なく、派遣元にその変更内容情報を提供しなければならないこと

第11項では、
派遣先は、その派遣料金について、派遣労働者が不合理とならないよう、配慮すること

とされています。

【派遣法を読み解く】第26条 契約の内容等④   [ 2021.01.06 ]

第6項では、
派遣先は、紹介予定派遣を除き、派遣労働者を特定することを目的にする行為をしないように努めること

第7項では、
派遣先は、派遣元に対し、あらかじめ、派遣労働者が従事する業務ごとに、比較対象者の賃金その他の待遇に関する情報等を提供しなければならないこと

第8項では、
比較対象労働者の内容が記載されており、
派遣先で雇用されている通常の労働者で、
その業務内容、責任の程度、職務内容、配置の変更範囲が、
派遣労働者と同一であると見込まれるもの等であること

とされています。

【派遣法を読み解く】第26条 契約の内容等③   [ 2021.01.05 ]

第3項では、
派遣元事業主は、労働者派遣契約を締結するときに、契約の相手方に労働者派遣の許可を受けている旨を明示しなければならない。

第4項では、
派遣元事業主から新たな労働者派遣契約に基づく労働者派遣の役務の提供を受けようとする者(派遣先)が、当該労働者派遣契約を締結するするにあたって、あらかじめ、派遣元に、派遣可能期間に抵触する日を通知しなければならない。

第5項では、
前項の通知を派遣先が行わないときは、派遣元はその派遣先と労働者派遣契約を締結してはならない。

としています。

【派遣法を読み解く】第26条 契約の内容等②   [ 2021.01.04 ]

第2項においては、
海外派遣について、
派遣元事業主は、
役務の提供を受ける者が、次に掲げる措置を講ずべき旨を定めなければなりません。

・派遣先責任者の選任
・派遣先管理台帳の作成、記載および厚生労働省令で定める条件に従った通知
・その他厚生労働省で定める当該派遣就業が適正に行われるため必要な措置
とされています。

【派遣法を読み解く】第26条 契約の内容等   [ 2020.12.28 ]

派遣元と派遣先で労働者派遣契約を締結する場合、次の事項を定めなければならないと規定しています。

1.派遣労働者が従事する業務の内容
2.派遣労働者が従事する事業所の名称・所在地・派遣就業の場所・組織単位
3.就業中の派遣労働者を直接指揮命令する者に関する事項
4.労働者派遣の期間及び派遣就業をする日
5.派遣就業の開始時刻・終了時刻・休憩時間
6.安全及び衛生に関する事項
7.苦情の処理に関する事項
8.派遣労働者の新たな就業の確保の措置、休業手当等の費用負担に関する措置、労働者派遣契約の解除に当たって講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
9.紹介予定派遣に係るものである場合は、当該職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件その他の当該紹介予定派遣に関する事項
10.その他、厚生労働省令で定める事項

【派遣法を読み解く】第25条 運用上の配慮   [ 2020.12.25 ]

派遣就業については臨時的かつ一時的なものであることを原則とするとされており、

これは、派遣先事業における常用労働者の雇用の安定(常用代替の防止)の必要性を求めており、

また、
派遣就業を望んでいない労働者を派遣労働者として固定化することを防止する必要性を求めています。

それはつまり、
労働者派遣事業が、労働力の需給の調整を図るためのシステムであり、
職業安定法が規制する労働者供給事業から分離されて許容された制度であるもので、
労働力の需給調整システムとして労働者派遣事業が適正に運営されなければいけない、
ということをいっています。

【派遣法を読み解く】第24条の4 秘密を守る義務   [ 2020.12.24 ]

派遣元事業主やその代理人、使用人その他の従業者は、
正当な理由がある場合を除いて、
その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を谷漏洩してはいけませんし、
その立場でなくなった後も、漏洩してはなりません。

【派遣法を読み解く】第24条の3 個人情報の取扱い   [ 2020.12.23 ]

この条は、派遣労働者の個人情報を扱うときは、

その業務の目的の達成に必要な範囲内で行わなければならないこと、

個人情報を適切に管理する措置をとること、

が記載されています。

【派遣法を読み解く】第24条の2 派遣元事業主以外の労働者派遣事業を行う事業主からの労働者派遣の受入れの禁止   [ 2020.12.22 ]

派遣元事業主(労働者派遣事業の許可を受けている事業主)以外の者からの労働者派遣の受入れは禁止 されています。

それを遵守するため、派遣元事業主は、労働者派遣契約の締結に当たって、派遣先に許可証の許可番号の明示をしなければならず、派遣先は、当該明示の内容を労働者派遣契約の事項を記載した書面に記載しなければなりません。

【派遣法を読み解く】第24条 職業安定法第20条の準用   [ 2020.12.21 ]

職業安定法20条の規定とは、

公共職業安定所が、ストライキやロックダウンが行われている事業所に紹介してはならない。

また、
労働委員会が、公共職業安定所に対して、
ストライキやロックダウンに至るおそれの多い争議が発生していること
及び
求職者を無制限に紹介することによって、
当該争議の解決が妨げられることを通報した場合においては、
その事業所に求職者を紹介してはならない、

とされており、
労働者派遣事業においても、
この規定を準用するとされています。

【派遣法を読み解く】第23条 事業報告等③   [ 2020.12.16 ]

第23条第5項では、
関係者に対して、あらかじめ労働者派遣事業の業務に関し、情報提供をしなければならない、
としています。

情報提供の方法は、
・事業所への書類の備付け
・インターネットの利用他
とされています。

具体的な情報提供の内容は、
・事業所ごとの労働者派遣事業に係る派遣労働者の数
・労働者派遣の役務の提供を受けた者の数
・労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額を除して得た割合
・教育訓練の関する事項 他
とされています。

【派遣法を読み解く】第23条 事業報告等②   [ 2020.12.15 ]

第23条の第3項では、

関係派遣先への派遣割合の報告をすることとされています。

これは、
毎事業年度経過後3月が経過するまでに
関係派遣先派遣割合報告書(様式第12号の2)を提出することになります。

同条第4項では、
海外派遣を行う場合はその届出をすることとされています。

これは、
海外派遣届出書(様式第13号)に必要書面を添付して、
届け出ることになります。

【派遣法を読み解く】第23条 事業報告等①   [ 2020.12.14 ]

毎事業年度、労働者派遣事業に係る事業報告書及び収支決算書を作成し、
厚生労働大臣に提出する必要があります。

ただし、当該事業年度に係る貸借対照表及び損益決算書を提出したときは、
収支決算書を提出する必要はありません。

上記の書面は、
労働者派遣事業報告書(様式第11号)
労働者派遣事業収支決算書(様式第12号)
になります。

派遣の同一労働同一賃金を「労使協定方式」にしている派遣元事業主は、
上記の事業報告書にその労使協定を添付しなければいけません。

提出期限は、
労働者派遣事業報告書(様式第11号):事業年度の終了月の翌月以後の最初の6月30日まで
労働者派遣事業収支決算書(様式第12号):毎事業年度経過後3月が経過する日まで
となります。

また第2項では、
労働者派遣事業報告書には、
労働者派遣事業を行う事業所ごとの
当該事業に係る派遣労働者の数、
労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、
労働者派遣に関する料金の額、
その他労働者派遣に関する事項、
を記載するよう定めています。

【派遣法を読み解く】第15条 名義貸しの禁止   [ 2020.12.11 ]

派遣元事業主は、自己の名義を貸して、他人に、労働者派遣事業を行わせることを禁止しています。

【派遣法を読み解く】第14条 許可の取消し等   [ 2020.12.10 ]

許可が取り消される場合はどのようなときかというと、

1.第6条の欠格事由に該当しているとき(一部除外あり)
2.労働者派遣法(一部除外あり)や職業安定法等に基づく命令・処分に違反したとき
3.付された許可条件に違反したとき
4.労働者派遣事業の適正な運営等のために必要な指示を受けたにもかかわらず、派遣割合や教育訓練等において違反したとき

厚生労働大臣は、
上記2・3に該当するときは、期間を定めて労働者派遣事業の全部又は一部の停止を命ずることができます。

【派遣法を読み解く】第13条 事業の廃止   [ 2020.12.09 ]

派遣元事業主は、労働者派遣事業を廃止したときは、遅滞なく、届出をしなければなりません。

その届け出があったときは、労働者派遣事業の許可の効力を失います。

【派遣法を読み解く】第11条 変更の届出   [ 2020.12.08 ]

第11条は、
氏名や住所等に変更があったときは、遅滞なく届け出をすること。
事業所の新設に係るものであるときは、その事業所の事業計画書その他必要書類を添付する必要があること。

厚生労働大臣は、新設された事業所の数に応じた許可証を交付すること。

派遣元事業主は、変更の届出により許可証の記載事項が変更される場合は、書換えを受けなければならないこと。

等が記載されています。

【派遣法を読み解く】第10条 許可の有効期間等   [ 2020.12.04 ]

許可の有効期間は、許可の日から起算して3年です。

更新を1度受けた場合は、
有効期間満了する日の翌日から5年となります。

【派遣法を読み解く】第9条 許可の条件   [ 2020.12.03 ]

労働者派遣の許可を行うときに、条件を付したり、変更することができるとされています。

ただし、条件を付す場合は、
当該許可に係る事項を確実に実施させるために必要最小限度なものに限られ、
かつ、
不当な義務を課してはならない、
とされています。

【派遣法を読み解く】第8条 許可証   [ 2020.12.02 ]

厚生労働大臣は、労働者派遣を許可したときは、その事業所のの数に応じて、許可証を交付します。
一般的に許可申請書が受理された月の3か月後の初日に許可されます。

この許可証は事業所に備え付けておく必要があります。
エントランス近辺に掲示している会社が多いと思います。

許可証を亡失、滅失したときは、速やかに再発行を受けることも規定されています。

【派遣法を読み解く】第7条 許可の基準等   [ 2020.12.01 ]

労働者派遣の許可を受けるためには、
様々な書類を提出する必要があります。

1号では「専ら派遣」を禁止しています。
「専ら派遣」とは、派遣先を特定の1社または複数の会社に限定すること、です。
(ただし、10分の3以上が60歳以上の者(他の事業主の事業所を60歳以上の定年により退職した後雇入れた者)の場合を除きます。

2号では「キャリア形成支援制度」を有すること、派遣労働者の「雇用管理体制」が整備されていること
キャリア形成支援制度とは、キャリアに見合った教育訓練計画を作成・実施する制度のことです。

3号では、派遣労働者の「個人情報の管理体制」ができていること
労働者派遣の許可を得るには、実地確認が行われる理由の1つは、
個人情報管理体制ができているかの確認です。

4号はその他、労働者派遣事業を的確に遂行するに足りる能力を有するものであること
基本は書面内容を確認して判断されることになります。

また、厚生労働大臣が許可しないと判断したときは、遅滞なく、理由を示して通知するとされています。

【派遣法を読み解く】第6条 許可の欠格事由   [ 2020.11.30 ]

ここでは労働者派遣事業を行えない者を定めています。

一部を抜粋して記載しますが、

禁固以上の刑や
労働者派遣法の規定その他労働に関する法律の規定であって政令に定めるもの等による罰金の刑 等
・・・執行が終わり、又は受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない

労働者派遣事業の許可を取り消された者
労働者派遣事業を取り消された法人の役員
・・・当該取消の日から起算して5年を経過しない

など、
労働者派遣事業の欠格事由が定められています。

【派遣法を読み解く】第5条 労働者派遣事業の許可   [ 2020.11.20 ]

第5条では、労働者派遣事業の許可を受けるには、
どういった書類を提出すればよいかについて、
大枠で記載されています。

・申請書
・事業計画書(労働者派遣事業を行う事業所ごと)
・その他厚生労働省令で定める書類

最後に、
厚生労働大臣が許可をしようとするときは、
あらかじめ労働政策審議会の意見を聴かなければならない。
と定めていますので、

申請書等が労働政策審議会を通れば、
ほぼ許可を得ることができることになります。

【派遣法を読み解く】第4条 業務の範囲③   [ 2020.11.13 ]

派遣法には定められていませんが、
以下の業務については、
労働者派遣事業を行うことは禁止されています。

・弁護士
・外国法事務弁護士
・司法書士
・土地家屋調査士
・公認会計士
・税理士
・弁理士
・社会保険労務士
・行政書士
・建築事務所の管理建築士

【派遣法を読み解く】第4条 業務の範囲②   [ 2020.11.11 ]

労働者派遣を行ってはいけない業務に
「その他政令で定める業務」
というものがあります。

具体的には、
医業(病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、医療を受ける者の居宅に限る)
歯科医業(病院、診療所、介護老人保健施設、医療を受ける者の居宅に限る)
調剤の業務(病院、診療所において行われるものに限る)
保健師、助産師、看護師等(病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、医療を受ける者の居宅((介護予防)訪問入浴介護に係るものを除く)に限る)
管理栄養士の業務(病院、診療所、介護老人保健施設、医療を受ける者の居宅に限る)
歯科衛生士の業務(病院、診療所、介護老人保健施設、医療を受ける者の居宅に限る)
放射線技師の業務(病院、診療所、介護老人保健施設、医療を受ける者の居宅に限る)
歯科技工士の業務(病院、診療所に限る)

なお、
上記の業務でも
紹介予定派遣、産前産後休業・育児休業・介護休業代替業務、就業場所が僻地にある場合は、
労働者派遣が認められています。

【派遣法を読み解く】第4条 業務の範囲①   [ 2020.11.10 ]

この条では、労働者派遣を行ってはいけない以下の業務を定めています。

①港湾運送業務
船内荷役、はしけ運送、沿岸荷役、いかだ運送や港湾倉庫への貨物搬入・搬出、荷捌きの業務等。

②建設業務
土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業またはこれらの準備の作業に関する業務。
ただし、以下の業務は労働者派遣を行ってもOKとされています。
建設現場での事務業務や、施工管理業務(工事の施工計画の作成し、工程、品質安全管理等を行う業務)

③警備業務
・事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務

・人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務
・運搬中の現金、貴金属、美術品等に係る盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務
・人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務

④その他政令で定める業務

【派遣法を読み解く】第2条 用語の意義④   [ 2020.10.29 ]

紹介予定派遣については、
派遣元事業主が
労働者派遣の役務の提供の開始前又は開始後に、
当該労働者派遣に係る派遣労働者及び派遣先について、
許可を受けて、又は届出をして、
職業紹介を行い、又は行うことを予定してするもの、
としています。

実際に派遣労働者を派遣した派遣先で、
雇用を前提に派遣する仕組みです。

そのため、
派遣期間は最長で6か月とされており、

派遣先が当該派遣労働者を雇用しない場合は、
その理由の明示が必要となります。

【派遣法を読み解く】第2条 用語の意義③   [ 2020.10.28 ]

労働者派遣は、労働者派遣を業として行うこと、とされています。
そのため、事業性が認められれば、たとえ反復継続性がなくても、業として行うということになります。

労働者派遣は、派遣先の指揮・命令を受けることができますが、

「請負事業」では、
当事者同士(請負業者と注文主)であり、
注文主が直接請負業者の従業員に指揮・命令することはできません。

他に似たような形態として、
「在籍型出向」があります。
この形態は、出向元と出向先の両方と雇用関係があることになります。

在籍型出向のうち、
①労働者を離職させるのではなく、関係会社において雇用機会を確保する
②経営指導、技術指導の実施
③職業能力開発の一環として行う
④企業グループ内の人事交流の一環として行う
等の目的を有しているものについては、
出向が行為として形式的に繰り返し行われたとしても、
社会通念上業として行われていると判断し得るものは少ないということとなりますが、

業として行うことになれば、
労働者供給事業となり、
法律違反となります。

なお、

移籍型出向(いわゆる転籍)は、
雇用関係が出向元から出向先に移り
出向元との雇用関係は終了しますので、
労働者派遣とはなりません。

【派遣法を読み解く】第2条 用語の意義②   [ 2020.10.27 ]

派遣労働者については、
事業主が雇用する労働者であって、労働者派遣の対象となるもの、と規定しています。

労働者派遣とは何か、ということは改めて記載しますが、

ここでいう派遣労働者は、
登録中の労働者は含まれず、
現に雇用している状態にある者のことをいいます。

派遣法において、
一部登録者に関する条文もありますが、
基本的には、
現に雇用している派遣労働者について記載していると考えてよいでしょう。

【派遣法を読み解く】第2条 用語の意義①   [ 2020.10.22 ]

第2条では、
「労働者派遣」「派遣労働者」「労働者派遣事業」「紹介予定派遣」の用語の意義を定めています。

「労働者派遣」については、
派遣元で雇用関係を締結し、
派遣先の指揮命令を受ける、
という形態です。

これは、
労働者が供給元と供給先と両方に雇用関係があったり、
労働者が供給元と支配従属関係にあり、供給先に雇用関係・指揮命令関係があったりする
労働者供給事業を禁止している条文ともいえます。

派遣法制定前は、
労働者派遣事業も労働者供給事業の一部とされていましたが、
派遣法制定以後は、
労働者派遣事業と労働者供給事業は分けられています。

労働者供給事業の禁止の理由は、
労働の強制や中間搾取等の弊害があるため禁止されています。

労働者派遣事業については、
厚生労働者の許可を受けた場合に営業ができる仕組みとなっています。

なお、
労働者供給事業でも、
労働組合が厚生労働省の許可を受けた場合は、
無料の労働者供給事業を行うことができます。

【派遣法を読み解く】第1条 目的   [ 2020.10.17 ]

派遣法の正式名称は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」といいます。

この正式名称どおり、
派遣法の目的は2つ

①労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずる
派遣労働者の保護等を図る

となります。

派遣法の前半は、
①労働者派遣事業の適正の確保

派遣法の後半は、
②派遣労働者の保護

に関して定めています。

【労使協定方式の手順⑬】派遣労働者を比較する一般賃金を算出する③   [ 2020.03.09 ]

前回は、一般通勤手当の算出方法をお伝えしましたので、今回は一般退職金の算出方法を見ていきましょう。

(C)一般退職金

①退職金制度の方法をとる場合

手順①:局長通知で示される退職金制度の導入割合、最低勤続年数、支給月数の相場に関わる各種調査の結果を確認します。

手順②:手順①で確認した調査結果に基づいて、一般退職金の水準を計算します。

派遣労働者の退職金を勤続年数別に限定する制度をとる場合は、例えば、一般退職金の退職金制度を以下のように計算します。

(1)退職金の受給に必要な最低勤続年数   
 「平成28年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)によって最も回答割合が高かったもの(会社都合及び自己都合ともに3年)

(2)退職時の勤続年数の支給月数   
 「平成28年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)によって、大卒自己都合、大卒会社都合の勤続年数別の支給月数に退職制度導入割合を乗じたもの

(3)以上を踏まえて、一般退職金の退職金制度を確認します。

下表は一般労働者の退職金の制度の例です。

 

勤続年数(年)   3    5     10    15    20    25      30      33

自己都合(月分) 0.8 1.3 2.9 5.0 7.2 10.1 12.4 14.0

会社都合(月分) 1.2 1.8 3.8 6.2 8.7 11.6 14.1 15.7

 

②退職金前払いの方法をとる場合

手順①:局長通知で示される一般労働者の退職金の費用の一般基本給・賞与等に対する割合から、一般退職金の費用を計算します。

一般退職金の費用の計算方法
一般退職金の費用=一般基本給・賞与等
×局長通知で示す一般退職金の費用の一般基本給・賞与等に対する割合

手順②:手順①で求めた一般退職金にかかる掛金額の費用を、個人別賃金一覧表に記載します。

 

③中小企業退職金共済制度等への加入の方法をとる場合

手順①:局長通知で示される一般労働者の中小企業退職金共済制度等の掛金の一般基本給・賞与等に対する割合から、一般退職金の費用を計算します。

手順②:手順①で求めた一般退職金の費用を、個人別賃金一覧表」に記載し ます。

【労使協定方式の手順⑫】派遣労働者を比較する一般賃金を算出する②   [ 2020.03.02 ]

前回は、一般基本給・賞与等の算出方法をお伝えしましたので、今回は一般通勤手当の算出方法を見ていきましょう。

(B)一般通勤手当

手順①:派遣労働者の通勤手当を定額支給とする場合は、局長通知で示された通勤手当の額を個人別賃金一覧表に記載します。

派遣労働者の通勤手当を実費支給とする場合は、「個人別賃金一覧表」の通勤手当の額の欄に「実費」と記入します。

【労使協定方式の手順⑪】派遣労働者を比較する一般賃金を算出する①   [ 2020.02.24 ]

第1段階で整理した社内職種に対応する通知職種を確認し、その一般賃金を算出します。

算出に当たっ ては、局長通知を参照します。

まずは、一般基本給・賞与等から見ていきましょう。


(A)一般基本給・賞与等

手順①:社内職種が局長通知で示す職種(以下、「通知職種」といいます。)のどれに当たるかを確認します。

具体的な確認方法は以下です。

① 局長通知では、「賃金構造基本統計調査」と「職業安定業務統計」に基づく2種類の職種別賃金の一覧が示されます。

各職種の業務の内容については、「職業安定業務統計」については職業分類表(独立行政法人労働政策研究・研修機構)、「賃金構造基本統計調査」については当該調査の「役職及び職種解説」で確認します。

② 業務の実態に合った通知職種を選択します。

複数の通知職種の業務を行っている場合は、主に従事する業務に最も近い職種を選択します。

「 職業安定業務統計」においては、大分類、中分類、小分類のいずれを使うことも可能です。

この際、例えば、派遣労働者の賃金を引き下げることを目的として、同じ中分類の中で、 賃金の低い職種は小分類、高い職種は中分類というように、恣意的に通知職種を用い ることは認められません。


手順②:一般基本給・賞与等を以下の数式に示す方法で算出します。

(ア)一般労働者の職種別の勤続0年目の基本給・賞与等 ×(イ)能力・経験調整指数×(ウ)地域指数※

このうち、(ア)×(イ)の額は、局長通知で示されます。

なお、基準値(0年)、1年、2年、3年、5年、10年という形で、勤続年数別に能力・経験調整指数を補正した数値が示されます。

 

手順③: 手順②で確認した(ア)×(イ)の額に、(ウ)※を乗じます。

※(ウ)地域指数は、都道府県別とハローワークの管轄別に示されますので、派遣労働者の就業場所に応じて地域指数を選びます。

この際、例えば、同じ都道府県の中で、賃金の低い地域はハローワークの管轄別の数値、賃金の高い地域は都道府県別というように、恣意的に、地域指数を使用してはなりません。

 

手順④:手順③の計算結果を個人別賃金一覧表」に転記して、表を完成させます。

地域指数を乗じて得た額が就業場所の都道府県別の最低賃金を下回る場合には、基準値0年の額として、最低賃金額を記載し、その数値に能力・経験指数を乗じた額を使用します。

都道府県によっては、特定の産業の業務に、特定最低賃金が定められている場合があります。

地域指数を乗じて得た額が特定最低賃金の額を下回る場合には、基準値0年の額として、特定最低賃金額を記載し、その数値に能力・経験指数を乗じた額を使用します。

【労使協定方式の手順⑩】派遣労働者の通知職種の一般賃金を確認する③   [ 2020.02.17 ]

今回は、一般退職金の確認方法を見ていきます。

(C)一般退職金

退職金については、一般退職金と派遣労働者の退職金を比較する方法が3つあり、選択した比較方法に合わせて一般退職金を確認します。

①退職金制度の方法をとる場合

局長通知では、退職金制度の点検に有益な以下の統計を示すこととしており、調査対象の企業規模や実施時期などに留意しつつ、活用して点検します。

この局長通知で示す統計として、以下の5つの指標を示しています。

・就労条件総合調査(厚生労働省)

・退職金・年金及び定年制事情調査(中央労働委員会)

・民間企業退職給付調査(人事院)

・中小企業の賃金・退職金事情(東京都)

・退職金・年金に関する実態調査(日本経済団体連合会)

 

②退職金前払いの方法をとる場合

局長通知では、前払いする一般退職金に相当するものとして、一般退職金の費用の水準が示されます。

2018年の労働政策審議会同一労働同一賃金部会の検討の際に示された一般退職金の費用の水準は、一般基本給・賞与等の6%です。

 

③中小企業退職金共済制度等への加入の方法をとる場合

局長通知では、派遣労働者が加入する中小企業退職金共済制度、確定給付企業年金、確定拠出年金などの各種退職金制度の掛金の水準として、②の一般退職金の費用が示されます。

2018年の労働政策審議会同一労働同一賃金部会の検討の際に示された一般退職金の費用(掛金)の水準は、②と同様に、一般基本給・賞与等の6%です。

【労使協定方式の手順⑨】派遣労働者の通知職種の一般賃金を確認する②   [ 2020.02.10 ]

今回は、一般通勤手当の確認方法を見ていきます。 

(B)一般通勤手当

通勤手当については、派遣労働者の通勤手当を定額支給とする場合は、局長通知で示される一般通勤 手当の額を使用します。

派遣労働者の通勤手当を実費支給とする場合は、派遣労働者の通勤手当の実費 を一般通勤手当とみなして、分離して比較します。

なお、2018年の労働政策審議会同一労働同一賃金部会の検討の際に示された一般通勤手当の額は 71円です。

【労使協定方式の手順⑧】派遣労働者の通知職種の一般賃金を確認する①   [ 2020.02.03 ]

今回は、一般基本給・賞与等の確認方法を見ていきます。 

(A)一般基本給・賞与等

局長通知で示す「一般基本給・賞与等」は、以下の計算式で計算されます。

これらのそれぞれの具体的な数値については、前年度のものが局長通知で毎年6~7月に示されます。
(イ)一般労働者の職種別の勤続0年目の基本給・賞与等 × (ロ) 能力・経験調整指数 × (ハ) 地域指数

局長通知では、「賃金構造基本統計調査」と「職業安定業務統計」の賃金水準を基にした(イ)の勤続0年目相当の水準(以下、「基準値」といいます。)が、一般労働者の所定内給与(基本給等)と特別給与 (賞与)の合計額を時給換算した形で、職種ごとに示されます。

また、能力・経験を勘案する必要があるため、能力・経験の代理指標として勤続年数別に設定されている(ロ)の能力・経験調整指数を(イ)に乗じた額が勤続年数別(1年、2年、3年、5年、10年)に示されます。

そのため、派遣労働者の基本給・賞与等を決めるに当たっては、派遣労働者が同一の職種の一般の労働者の勤続何年目に当たるかを、労使で議論して決める必要があります。


このようにして計算された(イ)×(ロ)の額は全国平均の数値であるので、地域ごとの賃金水準に合わせる必要があります。

局長通知では、(ハ)の地域指数が都道府県別、ハローワークの管轄別に示されます。したがって、(イ)×(ロ)×(ハ)で「一般基本給・賞与等」を計算します。

なお、局長通知で示す「賃金構造基本統計調査」と「職業安定業務統計」については、それぞれに特徴があります。

「賃金構造基本統計調査」は、賃金そのものがわかる調査ですが、調査対象となる職種についてすべてをカバーしているわけではありません。

一方、「職業安定業務統計」は、調査対象となる職種について幅広くカバーしており、大分類、中分類、 小分類と整理されていますが、示される賃金額は、賃金そのものではなく、ハローワークでの求人賃金の額です。


局長通知で示された数値が職種等の面で労働者の実態と合わない場合は、実態に合う職業等の賃金等が調査されている他の公的統計、民間統計を活用することも可能です。 この場合の統計は、以下のいずれかの要件を満たしていることが必要になります。

・ 公的統計(国又は地方公共団体が作成したもの)であること

・(民間統計の場合)集計項目ごとに実標本数を一定数以上確保するよう標本設計した上で、無作為抽出で調査を実施する場合  ※説明したい職種の賃金が調査されていることが必要です。

【労使協定方式の手順⑦】派遣労働者の賃金の現状を確認する③   [ 2020.01.27 ]

前回は、「(B)通勤手当   」について、通勤手当の現状確認の手順をお伝えしましたが、

今回は、(C)退職金」について、手順をお伝えします。

(C)退職金

手順①:点検の方法は退職金の支給方法によって異なります。

①退職金制度の方法をとる場合

自社の退職金制度を点検します。

 

②退職金前払いの方法をとる場合

派遣労働者に前払いする退職金相当の手当等の平均額を時給単位で計算し、「個人別賃金一覧表」に記載します。

一般退職金との比較の際には、派遣労働者の退職金の費用の平均額を活用することも可能です。

その場合は、退職金相当の手当の平均額を計算して記載します。


③中小企業退職金共済制度等への加入の方法をとる場合

派遣労働者を対象とする中小企業退職金共済、確定拠出年金、確定給付企業年金等に加入している場合は、加入している旨と、掛金の賃金・賞与等との割合を「個人別賃金 一覧表」に記載します。

この方法の場合には、中小企業退職金制度等の掛金額が局長通知で示される水準以上であることが必要です。

一般退職金との比較の際には、派遣労働者の退職金の費用の平均額を活用することも可能です。

掛金額には、前払いする退職金 を合算することも可能です。

【労使協定方式の手順⑥】派遣労働者の賃金の現状を確認する②   [ 2020.01.20 ]

前回は、「(A)基本給・賞与等」について、賃金の現状確認の手順をお伝えしましたが、

今回は、「(B)通勤手当」について、手順をお伝えします。

(B)通勤手当

手順①:実費支給、定額支給の別を確認します。

手順②:定額支給の場合は時給換算の支給額を個人別に記載します。

一般賃金との比較の際には、派遣労働者の平均額を活用することも可能です。

その場合は、 通勤手当の平均額を計算して記載します。

また、実費支給である場合は実費である旨を記載します。

【労使協定方式の手順⑤】派遣労働者の賃金の現状を確認する①   [ 2020.01.14 ]

「一般賃金」の比較方法に沿って、既に雇用している派遣労働者の賃金の現状を点検します。

法律上は、派遣労働者に適用される賃金テーブル等の賃金額が、一般賃金の同等以上であれば足りますが、より適切な対応としては、個々の派遣労働者の賃金を点検した上で、賃金の見直しの検討・是正を行うことが考えられます。そこで、以下では個々の派遣労働者の賃金を点検することを前提に手順を説明します。

(A)基本給・賞与等

手順①: 個々の派遣労働者の、社内職種、業務の難易度等の等級、就業する場所の地域を確認し、派遣労働者個人別に一覧にして記載します。業務の難易度等の等級は、一般労働者の何年目に相当 するかということを踏まえて整理すると、一般基本給・賞与等との比較が容易にできます。なお、職種や等級を決める際には、選んだ職種や等級が適切なものか、現場で働く派遣労働者を含めた労使でよく議論するようにしてください。

手順②:派遣労働者の基本給、賞与、手当の内容を整理し、その結果を手順①に続けて派遣労働者個人別に一覧にして記載します。

この際の整理の仕方は、

【基本給】各個人の基本給を時給額に換算して記載します。超過勤務手当などの所定外給与は含みません。

【手当】各個人の手当(役職手当等の定額的に支払われるものに限ります。通勤手当は除きます。)を時給額 に換算して記載します。一般賃金との比較の際には、 派遣労働者の平均額を活用することも可能です。その場合には、手当の平均額を計算して記載します。

【賞与】各個人の賞与を時給額に換算して記載します。 一般賃金との比較の際には、派遣労働者の平均額を活用することも可能です。その場合には、賞与の平均額を計算して記載します。

手順③:基本給・賞与・手当の合計を個人ごとに計算します。

【労使協定方式の手順④】労使協定で定める賃金の決定方法②   [ 2019.11.22 ]

(1)賃金の捉え方と決定方法の考え方(続き)

「一般賃金」には全ての賃金が含まれますが、このうち通勤手当及び退職金については、その他の賃金と分離して比較することを可能としているため、ここでは、

A 基本給・賞与・手当等

B 通勤手当

C 退職金

に分けて比較方法を整理します。「一般賃金」を構成する上記(A)~(C)の比較方法は以下のとおりです。

(A)基本給・賞与・手当等

一般賃金のうちの基本給・賞与・手当等(以下、「一般基本給・賞与等」といいます)の額は局長通知で示されるので、この額と派遣労働者の基本給・賞与・手当等(以下、「基本給・賞与等」といいます)を比較します。

 

(B)通勤手当

一般賃金のうちの通勤手当(以下、「一般通勤手当」といいます)は、派遣労働者に対する通勤手当の支給方法(①実費支給か、②定額支給か)によって異なります。そのため、「一般通勤手当」 と派遣労働者に支給される通勤手当の比較方法は支給方法によって異なります。

①の場合には、派遣労働者の通勤手当は「一般通勤手当」とみなされるので、「一般通勤手当」との比較が不要です。

②の場合には、局長通知で「一般通勤手当」の額が示されるので、その額と派遣労働者に支給される通勤手当を比較します。

 

(C)退職金

一般賃金のうちの退職金(以下、「一般退職金」といいます)は、派遣労働者に対する退職金の支給方法によって異なります。支給方法には以下の3つの方法があり、それに合わせて「一般退職金」 と派遣労働者に支給される退職金を比較します。

①「退職金制度に基づいて退職金を支給する方法(以下、「退職金制度の方法」といいます)」の場合

局長通知で「一般退職金」の受給に必要な所要年数、支給月数、支給額等の制度に関する統計が示されるので、それと派遣労働者に適用される退職金制度を比較します。

② 「退職金の費用を毎月の賃金等で前払いする方法(以下、「退職金前払いの方法」といいます。)」の場合

局長通知で「一般退職金」の費用が示されるので、その額と派遣労働者に支払う退職金相当の手当等の額を比較します。

③「中小企業退職金共済制度や確定拠出年金等に加入する方法(以下、「中小企業退職金共済制度等への加入の方法」といいます。)」の場合

中小企業退職金共済制度等に局長通知で示される「一般退職金」の退職費用の水準以上の掛金額で加入する場合は、一般退職金と同等以上とされます。

 

(2)昇給(通勤手当等は除く)

労使協定で定める派遣労働者の賃金については、通勤手当や家族手当等の職務の内容に密接に関連しないものを除き、職務の内容、成果、意欲、能力、経験等の向上があった場合に改善される必要があります。 また、労使協定で定めた内容に基づき、派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等を公正に評価して賃金を決定することが必要です。

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